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セルリアンタワー殺人事件 5

さぁ、容疑者が絞られてきました。


今回は捜査本部で情報を集めているひかるさん視点です。

捜査本部に入ったのは初めてだったけどいろんな電話がかかってきて休む暇もない。

大きな事件となると中も大変ね…っていっているうちに新しい情報が入ってきた。


クラックスマネジメントは今年の6月に4名をリストラしている。それも管理職相当を。

よっぽどの不祥事があったというのならまだしも、そうではないみたい。


本部の正面では楠管理官と神ノ木君がなにやら分厚い書類に目を通している。


この4名の情報をつかんだのは係長、それを元にテルさん達はその4名を探して外にいる。


しばらくして、神ノ木君がコーヒーを取りにやって来たので、聞いてみた。

「どう、進展あった?」

「いやぁ、全然です。不祥事が見当たらないんです。今B/SとP/Lに目を通していたんですけどね、3年以内に意図不明なお金の動きが全くないんです」


「お金の動きに不自然なところはない、か…」

通常何かの裏取引とかが起きたとしたら経理上に矛盾点が出てくる。それが全く見当たらないってことは不祥事は起こしてないってことね・・・。係長から報告があったようにただのリストラだったのかしら。

「何もないってことはリストラされたら逆恨みされて当然ね。」

「そんなもんですかねぇ・・・」

「だってさ、なにか不祥事があってリストラってことになるとそりゃあ少しは後ろめたいところもあるわけじゃない。管理職なんだから。」

神ノ木君も気づいたみたい。

「そうですよねぇ、会社に誠心誠意尽くしてきたのにって感じになりますもんね・・・」


その時、捜査本部に電話がかかってきた。

「はい、捜査本部」あたしが出ると、

「捜査一課の千堂だ。現在リストラされた4名を当たっているが、うち3名はアリバイ確認。管理官に報告してくれ。」

本庁の刑事からの報告だった。すぐさまあたしは正面に座っている管理官のところにいった。


「管理官。千堂刑事より4名のうち3名はアリバイが確認とれたそうです」

「そうか、後の一人はまだ報告が来ないか?」

「今のところ報告はありません」

もしかしたらその後一人で犯人決まり?でもまだ犯人と決まったわけじゃないのよね…

神ノ木くんが横でぼそっと、

「ローラー掛けますか?」

ってローラーって何?なんか巻きとるの?管理官も、

「一番容疑が濃いからな…ローラー掛けるか、捜査員の増員を課長にかけ合う」

と言って携帯電話を取り出し、廊下へ出て行った。


あたしにはちんぷんかんぷんだったので、神ノ木君に聞いてみた。

「あのさぁ、ローラーって何?」

「犯人の目星がつかないときに関係者全員虱潰しに当たることです。任意同行で引っ張るんです、その中に犯人がいるかも知れない。捜査員は相当数になりますが、確実なんです」

「なんで始めからやらないのよ!」

「それはですね、今捜査一課が受け持っている捜査本部が4つらしいんです。ローラーを掛けるっていうことは後の3つの事件の捜査を保留にしないといけない。そうなるとそっちの犯人が逃げてしまう。なのでなかなか踏み切れないんですよ」


そんな話をしていたら、テルさんが本部に戻ってきた。

「ローラーなんてする必要ねぇよ。探してた最後の一人任意で連れてきた。」


それに驚いたのは本庁の刑事。

「所轄がどうやって見つけたんだ!?」

「それがよ、うちの係長から電話があってな、北参道に現れる可能性があるから行ってみて欲しいってな。で俺が行ったらその場所にいたわけよ。それでおとなしく任意で付いてきたんだな。逃げるかと思ったから、どうしようと思ったけどな」

そっかぁ、さっき電話があった刑事は係長と一緒にいた人だ。他の3人を当たってたのね。


「粟飯原さんか…全くあの人には頭が上がらんな。」

という刑事さんに対し、あたしは聞いてみた。

「あのぉ…ウチの係長ご存知なんですか?」

「当たり前だ。粟飯原さんは前の管理官だ。俺は本庁の刑事としてのいろはを粟飯原さんから教わった。他の刑事たちと違って捜査にあたるときに証拠が出るまでは犯人扱いしない。今年に入って新しく来た刑事はそこを分かっていないから困りもんだ」

「へぇ…そうだったんですねぇ、」

て。え?係長が管理官?捜査一課にいた事は知っていたけどまさか管理官だなんて・・・

「ひかるさん、さっきその『新しく来た刑事』ってのに会ったんですよ。もうすぐ犯人扱いするんだもん驚きましたよ」

「なぁによそれ・・・プライドばっかり高いのが集まったら問題ねぇ」


なんて雑談してる場合じゃない。すぐさまあたしたちは12階の刑事課に向かった。

果たしてテルさんが連れてきた人は犯人なのでしょうか?

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