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渋谷の九龍城砦 4

神ノ木君が九龍城砦で飲んでいて、粟飯原さん達が被疑者を撃たれた翌日です。

今回は、神ノ木君視点です。

「全くなんてこった・・・被疑者を射殺されるなんて・・・」

珍しく郡課長が声を荒げている。どうやら傷害事件の被疑者を連行する際に射殺されたらしい。

怒られているのは課長代理と依藤さん。


「で、何でまた依藤君も一緒にいたんだ?」

「あ・・・あたしは、粟飯原君のお手伝い」

え?お手伝い?ただの傷害事件じゃなかったのかな・・・何か臭う。


「まさか九龍城砦の売春地帯が絡んでるんじゃないだろうな?」

え?九龍城砦?確かに手こずってると聞いた事はあるけど・・・そこで課長代理が諭す。


「九龍城砦だなんて・・・それ刑事課の仕事じゃありませんから」

まぁ、そりゃそうだ。


「とにかく、あそこは今敏感だからうかつに手を出さないでくれよ」

「了解」

「了解」


とりあえずはお説教はおわり。課長は下の階におりて行った。


それを聞いていたら羽根田係長代理が僕に耳打ちしてきた。

「おぃおぃ、昨日九龍城砦にいったんだって?」

あらま・・・もう情報が入ってきてる。参ったなぁ・・・

「えぇ、行っちゃいました」

「あそこなぁ、今売春地帯があって、警察をチェックしている為に摘発が出来ないでいるの。だからうかつに生安も近づけないみたい。ま、神ノ木は顔割れてないからよかった」


なるほど、それで近づくななんて言われていたんだ。

感心していると、課長代理が僕と羽根田係長代理を呼びつけた。


「今の話、聞いていたな?」

「えぇ、何でも被疑者が撃たれてしまったとか」

「それがだな、例の九龍城砦が絡んでいるらしいんだ」


え?え?さっき刑事課の仕事じゃないって言っていたのにどういうことなんだろう。

課長代理は続けた。

「昨日美果が追っていた女子大生、九龍城砦に関係しているらしいんだ。通名を使っていたから名前を聞いただけではわからんがな。」

何か羽根田さんが感づいたようだ。

「なるほど。表向きとしては、刑事課にとっては金井の傷害事件の捜査、生活安全課にとってはただの少女売春ってわけで、突き詰めるとそこにたどり着く」


「そういうことだ。そこでだ、お前らには九龍城砦の内偵を頼みたい。生活安全課の刑事や地域課の制服警官は皆顔が割れている。その反面お前たちはあそこに立ち入ったことがない。今こそ好機なんだ」


確かになぁ・・・昨日ちょこっとだけ行ったけどテルさんは僕らが刑事だってこと黙っててくれたし。好都合っちゃ好都合だ。


「羽根田は明日非番だったな。では、明後日から夜の間内偵してくれ。そこからは直帰しろ」

「了解。神ノ木君、大丈夫だよ、警察だってバレなきゃこないだみたいに意味もなく襲ってこないだろう」


まぁ、それもそうか。でもちょっと不安だな・・・あれ?ひかるさんどこいっちゃったんだ?


粟飯原刑事と依藤刑事が追っていた事件が意外な所で結びついたようです。



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