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最後には僕に微笑みを

作者: 穏世青藍
掲載日:2026/06/26

 知っているかい?

 僕がどれだけ傷ついているかということを。

 

 気づいているかい?

 僕がどれだけ苦しんでいるかということを。

 

 分かっているかい?

 僕がどれだけ悩んでいるかということを。


 泣いているよ。

 泣いているよ。

 嗚呼、心の底で、泣いているよ。


 惨めだよ。

 惨めだよ。

 嗚呼、僕はとても、惨めだよ。


 忘れたのかい?

 君がよそ見をしたことを。

 

 分かっているよ。

 あいつが君を見つけたことを。


 でも、譲れないよ。

 僕の心の底は、君をあいつに譲れないよ。


 僕の心の底は、君への愛で満ちている。


 だから。

 だから。

 だから。

 

 君の願いを叶えよう。

 僕が悪者になれば良い。

 君を誰も責めないように。

 

 これくらい、かっこつけさせてよ。

 いつも微笑んでくれて、ありがとう。


 何でかな。

 どうして君は、微笑むの?


 何でだろう。

 どうして君は、僕が戻ることを待ってるの?


 君のお相手は・・・、あいつじゃないか。

 あいつを心の底が、離れられないんだろう?

 

 いいんだよ。

 いいんだよ。

 それが、君の気持ちだから。


 悔しいよ。

 悔しいよ。

 これが、僕の気持ちだ。


 分かっている。

 分かっている。

 分かっているから。

 あいつが僕より君を、大切にすると言うことを。


 僕にはとても真似出来ない。

 あいつはとても君に似ているよ。

 とても心が穏やかだ。

 君の微笑みのように穏やかだ。

 大好きだよ。

 君のその微笑み。

 僕は心が安らぐよ。

 

 君はとても強いね。

 振り返ったとき、いつも微笑みを僕に見せてくれる。

 だから、僕は、頑張れるんだ。

 君への思いを遂げるため。

 大切な君への思いを別の形に遂げるため。

 僕は、僕は、頑張れる。

 僕を尊い男にする。

 誰にも知られずに。

 誰から見ても、最低な男だろう。

 僕が女の子達をとっかえひっかえしているから。

 嗚呼、楽しいよ。

 女の子達は、僕に夢中。

 その中から選んで、君に見せつけるんだ。

 君は、呼吸が止まったかのような苦しい表情をするね。

 君は、何か言葉が溢れてきそうな切ない表情をするね。

 君は、心の底を押さえ込んだ様な悩んだ表情をするね。


 知っているよ。

 知っているよ。

 知っているさ。

 陰で泣いていることを。

 

 でも、かつて、君も、一度は、僕にしたんだよ。

 少しは、僕の気持ちを分かってよ。

 夢を見ていた。

 君と一生ともに支え合うことを。

 笑うかな。

 君が、壊したんだよ。

 君が、僕の心を壊したんだよ。

 何でだよ。

 何でだよ。

 僕がずっと側にいたじゃないか。

 よそ見するなよ。

 僕の側にいてよ。

 その微笑みを永遠に愛させてよ。

 僕のものになって。


 でも、僕は、浮気をするよ。

 ずっと、ずっと、浮気をするよ。

 だって、君がそうさせるんだ。

 僕の心を君がボロボロにした。

 嗚呼、確かに一人きりだよ。

 一人だけだったよ。

 君が、他の男になびいたのは、一人きりだったよ。

 でも、許せないんだ。

 その、たった一人が、許せないんだ。

 僕のものだ。

 僕のものだ。

 君は僕のものだったのに。

 

 許したい。

 許したい。

 本当は許したい。

 でも無理なんだ。

 君を手放すことなんて出来ないよ。

 君の微笑みを僕に向けてよ。

 他の誰かに君の微笑みを向けないでよ。

 どうしたらいいのか分からないよ。

 

 君をボロボロにしたい。

 そして僕にすがって欲しい。

 僕に許しを求めて欲しい。

 でも僕は許せないだろう。

 きっと、きっと、僕は許せないだろう。

 

 沢山の女の子達を抱いても、心の底の傷が、どんどんどんどん開くんだ。

 何でだか分からないよ。

 僕が僕でなくなるよ。

 僕はこんな男じゃない。

 ただ、一途で、不器用な男なんだ。

 本当は、プレイボーイじゃない。

 僕はとっても悲しいんだ。

 でも、君が、微笑むから、僕は、まだ、頑張れる。

 

 誰もが、たった一度のよそ見くらいは、許すだろう。

 でも、僕は出来ないんだ。

 だって、君を、愛していたから。

 

 許せない。

 許せない。

 でも、僕の側から離れないで。

 僕にその微笑みをずっと見せて。

 許せない僕のために、君を傷つける。

 君のために、君の場所へ戻る。

 その繰り返しだ。

 嗚呼、そうだよ。

 永遠にこの繰り返しだよ。

 離さない。

 僕のものだ。


 でも・・・。

 あいつならどうするかな。 

 君を夢中にさせた、あいつならどうするかな。

 あいつには、負けたくない。

 許すかな。

 許すかな。

 許すんだろうな。

 女々しいかな。

 僕は、許せない。

 僕の苦しみを分からせて、ボロボロになった君に優しくするしか、考えが浮かばない。

 嗚呼、僕は、悪いやつだ。

 僕は君にはふさわしくない。

 僕に微笑みを向けてくれる君に、僕は心の底からふさわしくない。

 

 分かっている。

 分かっている。

 分かっているよ。

 君にはあいつがお似合いだって事を。

 認めたくなかったんだ。

 だって、そうだろう?

 僕にだって、プライドがある。

 プライドは、別に悪いものじゃない。

 そのプライドを、君が傷つけたんだ。

 だから、君のプライドを僕は傷つける。

 僕の心の底が満ちるまで。

 君のプライドを僕は傷つける。

 そして、いつか、僕は許したい。

 許して、君を幸せにしたい。

 でも、きっと、それは、無理だろう。

 だって、僕の心の底は、いつも君を見つめているから。

 僕には許す事が出来ない。

 

 だから、離れよう。

 君から、離れよう。

 愛する君の為に、離れよう。

 本当は、すがって欲しい。

 でも、突き放すだろう。

 それが、彼女のためだから。

 僕は僕のために、何が出来るの?

 君を失った先に、僕にはどんな未来が待っているの?

 

 だって、遊ぶだけの女の子達。

 皆、割り切っている。

 そして、君から僕を奪ったことに、優越感を感じている。

 君を馬鹿にし、僕から愛を受けようとする。

 でも、その瞬間、僕は分かるんだ。

 どんなに君を愛しているのかを。

 心の奥底が、君を求めていることを。

 すると、その女の子達が、嫌になるんだ。

 だから、その度に、とっかえひっかえしてしまう。

 嗚呼、そうだよ。

 誰でも良いんだ。

 僕の心の傷をなめようとしてくれる女の子なら、誰でも良いんだ。

 だから、一生懸命に探しているよ。

 だけれども、見つからないんだ。

 君の微笑みにかなう、傷の癒やしは、見つからないんだ。

 だから、むなしくなって、君の元へ、戻ってしまう。

 毎回思うよ。

 今度こそ、終にしよう。

 今度こそ、終にしよう。

 僕は、もう、ボロボロだよ。

 だから、毎回、女の子を選ぶよ。


 君は、そういう事は、好きじゃないだろう。

 君はまっすぐだから。

 そこがとても大好きだよ。

 でも、よそ見した。

 そんな君でも、よそ見した。

 一度くらいなら許したい。

 誰にだってあるだろう。

 いっそ君を責められれば、きっと、きっと、楽になる。

 でも出来ない。

 出来ない。

 出来ないよ。

 君の無邪気さ。

 君の誠実さ。

 君の真面目さ。

 そして、何よりも、君の微笑み。

 守りたい。

 僕はそのために強くなる。

 やっぱり僕は、男になりたい。

 君を陰から支えたい。


 仕方ないんだ。

 仕方ないんだ。

 だって、仕方ないんだ。

 僕は僕のやり方で、君を愛す。

 君の微笑みを、僕は守りたい。

 切ない顔を見る度に、何処か虚しくなる。

 浮気をしては傷つける僕に向ける、あの微笑み。

 なんて、出来た子なんだろう。

 君は、大人だね。

 僕には、到底、真似出来ない。

 嗚呼、そうさ。

 僕には、到底、真似出来ない。

 たった一度の浮気心を許せないんだからね。

 小さな男だ。

 自分で自分が情けない。

 浮気をして、傷つけて、分からせてやらなければ気が済まないなんて、僕は、どうにかなってしまったんだ。

 僕はまだ、子供だよ。

 悔しいけど、僕は、まだ子供だよ。

 君の心の底の域には、全然、達していないよ。

 君は素敵だね。

 そうだよ。

 君は、素敵だよ。

 どんな女の子達にも引けを取らないくらい、とても素敵だよ。

 自信を持って。

 さぁ、僕から離れるんだ。

 さぁ、僕を見捨てるんだ。

 君は心の底が優しいから、そんなことは出来ないのかもしれない。

 嗚呼、そうだよ。

 分かってるよ。

 僕は、分かっているんだ。

 僕は分かっていて、浮気をし続けるんだ。

 いつか君がボロボロになって、それでも僕にすがりつくことを望んでいるんだ。

 最低だ。

 でも、それは、人間の性じゃないのか?

 

 僕は僕の心の赴くままにしか生きられない。

 でも・・・。

 でも、君を苦しめるのは、もう、やめよう。

 君を素直に愛していた頃の僕に戻ろう。

 そして、君に愛を捧げよう。

 出来るだろうか?

 君にはあいつがいる。

 君はいつも嬉しそうだ。

 あいつもいつも嬉しそうだ。

 僕はいつも、悲しそうだ。

 嗚呼、嗚呼、目に浮かぶ。

 君を自由にしてあげよう。

 だから、僕は浮気し続ける。

 沢山の女の子達と遊ぶのは、楽しいよ。

 何故か、心の底は、満たされないけれどね。

 だから、君に愛を注いで、僕の心の底に、愛を注ぐ。

 心の赴くままに、素直に、愛を注ぐ。

 そういう、愛もあるんだな。

 僕は君を愛したかったんだ。

 だから、僕は、心の底の穴を埋められなかったんだ。


 君を愛してる。

 君を愛してる。

 君を愛してる。


 もう、元には戻れないよね。

 こんなにも傷つけた僕を許せないよね。

 嗚呼、終わりが近づいてるよ。

 君は僕から自由になる。

 好きなだけ、あいつと仲良くするんだよ。

 ちゃんと、愛してもらうんだよ。

 君なら出来る。

 僕が認めた唯一の女だから。

 君の為なら僕は我慢できる。

 君の為なら僕は君を譲れる。

 君の為なら僕は君の目から消えられる。

 でも、お願いだ。

 最後の最後まで、僕に君の微笑みを向けて。

 これで良かったのだと思わせて。

 微笑めなくなる前に、僕から離れるんだ。

 もう、僕は、浮気をやめられないんだ。

 情けない話だよな。

 僕の心の底を救って欲しい。

 君を、もう、傷つけたくないんだ。

 だから、僕から、離れて欲しい。

 振り返ったときに、自己嫌悪に陥らないために。

 最後には、僕を、一番愛して欲しい。

 そして、そして、微笑んで欲しい。

 そしたら、僕は、君の前からいなくなるよ。

 君が離れられないのなら、僕が君から離れてあげる。

 これが、僕の、愛し方。

 これが、僕が、今できる、最大級の愛し方。

 傷つけるだろうけれども、これしかないんだ。

 僕は浮気をして君を傷つけることしか考えられない。

 だから、逃げて。

 お願い、逃げて。

 僕をこれ以上、惨めにさせないで。

 君を悪者に決してしない。

 誰も君を非難しない。

 誰も君を笑わない。


 それでいい。

 それでいい。

 それでいい。


 僕は男だ。

 全てを包み込もう。


 最後は僕に微笑みを。

 最後は僕に微笑みを。

 最後まで僕に微笑みを。

 いつか振り返ったときに、僕が微笑めるように。

 陰で、君に、微笑めるように。


 嗚呼、愛しているよ。

 嗚呼、愛しているよ。

 嗚呼、愛しているよ。


 君は、僕の全てだ。

 だから、幸せになって。

 そしたら、僕は幸せだ。

 これが、僕の結論だ。


 これで僕はいいんだ。


 少しは格好いい大人になれたかな。


 最後には僕に微笑みを。


 さようなら。


 さようなら。


 僕の初恋。

 

        

          終




 最後までお読みいただき、有難うございました。

 この男の子を、格好いい大人にしてあげたかったので、こういう結末になりました。

 


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