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第3章 初めての「魔法のコード」

おっきーは「ビジュアル・コード入門」を手にし、Do! Kids Labの広間に置かれたタブレット型の端末へと向かった。その端末は、この世界で魔法を発動するための特別なデバイスで、画面には色とりどりのブロックが並んでいる。どれも形や色が異なり、何やら特別な力を秘めているように感じた。


彼は説明書を読みながら、端末に指を滑らせ、最初の簡単な「魔法のコード」に挑戦することにした。初心者向けとして紹介されていたのは、小さな「火の玉」を作り出す魔法だ。


火の玉のコード:


赤い「エネルギー」ブロックをドラッグして中央に置く

その下に「火の玉を発動」ブロックを接続する

おっきーは、色付きブロックを指で操作し、教本に書かれた通りに配置してみた。ブロックを繋げると、画面上のエリアが少しだけ明るく光り、どこかワクワクするような音が鳴った。


「これで……いいのか?」


彼は一瞬不安になったが、勇気を出して「実行」ボタンを押した。すると、目の前で小さな火の玉がふわりと現れ、空中で弾けるように消えた。その一瞬の煌めきとともに、暖かな感覚が手元に伝わってきた。


「す、すごい! 本当に火の玉が出た!」


初めての魔法の成功に、おっきーは興奮を隠しきれなかった。自分が組み立てたブロックが目の前で現実の魔法として発動する——プログラムが魔法となるこの世界では、これが「ビジュアル・コード」の力なのだ。


彼の様子を見ていたDo! Kids Labの仲間、アイリが近寄り、微笑んだ。「おめでとう、初めてのコード成功だね!どうだった?」


「うん!すごく面白かった!アイリ、ありがとう」


「最初は小さな魔法から始めて、少しずつブロックを覚えていくといいよ」と、アイリは手に持っていた本を差し出しながらアドバイスしてくれた。


おっきーは再び端末の画面に目を向け、次は「シールド」を作るコードに挑戦してみることにした。教本に書かれている通り、青い「防御」ブロックと、透明の「シールド発動」ブロックを組み合わせていく。


シールドのコード:


青い「防御」ブロックを中央にドラッグ

その下に「シールド発動」ブロックを接続

最後に「マナ消費」ブロックを追加

おっきーが慎重に組み立て、実行ボタンを押すと、今度は自分の周りに薄い光の幕が現れ、まるで見えない力が守ってくれているように感じた。


「おお……これがシールドか!」


魔法が身体を包み込む感覚に、おっきーは感動を覚えた。これなら魔王との戦いにも希望が見えてくるかもしれない。


「上手くいったね、おっきー。マナの残量には気をつけてね、たくさん魔法を使うとエネルギー切れになるから」とアイリはアドバイスをくれた。


「うん、気をつけるよ!」おっきーは力強く答えた。


こうしておっきーは、初めて「ビジュアル・コード」を使い魔法を発動させることができた。異世界での新しい力に触れ、彼の胸は期待と興奮でいっぱいだった。これから始まる厳しいミッションに備え、彼は少しずつこの世界でのプログラミングの力を身につけていくのだった。

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