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第1章 召喚された勇者

「ここは……どこだ?」


目を開けた瞬間、大崎おっきーはまばゆい光に包まれた大広間に立っていた。足元には煌びやかな赤い絨毯が敷かれ、両脇には鎧を身にまとった騎士たちが静かに並んでいる。彼らの背後には、豪華な装飾が施された大きな柱が天井へとそびえ立ち、その先には王座があり、威厳に満ちた王とその側近たちが彼をじっと見つめていた。


「そなたが……勇者、大崎であろうか?」


玉座から響くその声に、おっきーは思わず後ずさった。現実感がなく、自分の頬をつねってみたが、痛みが返ってくるだけだった。


「えっと……これは夢ですか?」


王がゆっくりと首を横に振り、側近が一歩前に出て、厳粛な口調で告げた。


「大崎殿、そなたは魔王討伐のため、この異世界に召喚されたのです。我らの国を脅かす魔王を討つために、そなたの力が必要です」


「ま、魔王……?」


信じがたい話だったが、その場の雰囲気と真剣な眼差しにおっきーは圧倒され、思わず息を飲んだ。彼はただの高校生で、特別な力もない。現実世界では少しプログラミングが得意なくらいだ。しかし、まわりの真剣な視線を前に、自然と「やるしかない」という気持ちが湧き上がってきた。


その時、王が厳かに告げた。


「そなたには『魔法のブロック』を使い、魔王を討伐してもらう」


「魔法の……ブロック?」


聞き慣れない言葉に、おっきーは首をかしげる。王はうなずき、隣の側近が手元の本を広げて説明を始めた。


「この世界では、色と形が異なるブロックを組み合わせることで『魔法』を発動できます。それがそなたに与えられた特殊な力……『ビジュアル・コード』です。この『ビジュアル・コード』を操り、敵を打ち倒し、困難な状況を切り抜けるのが、そなたの役目です」


おっきーは一瞬理解が追いつかず、ぼんやりとしていた。しかし、ふと何かが心の中で繋がる。


「まさか……ビジュアルでプログラムを組むってこと?」


側近がうなずくと、おっきーの脳内で急にスイッチが入る。大好きなビジュアルプログラミングを思い出し、この異世界でそれが「魔法」として扱われるなら、自分にもできることがあるかもしれない——そんな感覚が湧き上がってきた。


「では、まず最初の任務として、Do! Kids Labというギルドに参加してもらいます。そこには、そなたと同じく『ビジュアル・コード』を使いこなす仲間たちが集っています」


「Do! Kids Lab……?」


「はい。そなたがこれから挑むミッションには、仲間の助けが必要不可欠です。まずはそこで学び、力をつけるのです」


おっきーの胸が少しずつ高鳴っていく。異世界、魔王討伐、そして魔法のようなプログラム。まるで夢のような話だが、やるしかない——そんな決意が固まりつつあった。


「わかりました!俺、大崎は、ここで……勇者として、頑張ります!」


王と側近たちの顔に笑みが浮かび、騎士たちは一斉に武器を掲げた。大広間に響き渡る歓声の中、おっきーの新たな冒険が、ここから始まったのだった。

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