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【番外編】イースターエッグハント(5)

「……そんな想像、メリディアナは好きなのでは?」


 そう言ってエリダヌスはクスリと笑うが、まさにその通り! エリダヌスとマルシクが見た蝶。あれはあの日助けた青虫の成長した姿だったのでは?


 まさにエリダヌスのいう通りで私に恩を返し、助けてくれたのだと思えた。


 私が青虫の恩返しに感動していると、エリダヌスはこんなことを言い出す。


「メリディアナ、お腹がいっぱいで、このままでは太ってしまいそうです」

「!?」


 そんなに食べたかしら、エリダヌスは?


 そう思ったものの。

 エリダヌスは庭園を散歩したいと言い出した。

 そこで月夜に照らされた庭園を、推しのエスコートで散歩することになった。


 しばらく歩くと、エリダヌスは思いがけないことを口にする。


「イースターエッグハントの勝敗ですが」

「!」


 これは私が落とし穴に落ちたので、勝負無効かと思いきや。そうはいかないのね。シビアだけど仕方ない。勝負は勝負だ。でも……私はお宝だと思ったイースターエッグを手に入れていない。落とし穴に一緒に落ちたと思うけれど、拾っていなかった。というか貸し切りイベントのために用意されたもの。私が拾ってもそれは無効だっただろう。


 ではエリダヌスが何か手に入れていたのかと言うと……。


 迷路庭園の運営者から受け取ったのは、演奏会の招待券だけだと思うのだ。


 だがしかし。


「わたしはちゃんと至高の宝を見つけましたよ」


「えっ、あっ、そうだったのですね。ではエリダヌスの勝利ですね」


 エリダヌスが嘘をつくはずがない。

 つまり私が気づかない間に、見つけたイースターエッグからお宝を取り出したか、引換券をお宝に交換してもらっていたのだろう。


 私は瞬時に納得したが、エリダヌスが逆に尋ねた。


「何を見つけたのか、気にならないのですか?」と。


 それは……当然気になる。

 いつの間に見つけたの!とも思っているぐらい。


「どんなお宝を見つけたのですか?」


 尋ねた瞬間、フワリと抱きしめられた。

 その上で「君ですよ」と言われ、「?」となる。


「宝物はイースターエッグの中ではなく、落とし穴の中に隠されていました。碧い蝶の導きもあり、見つけることが出来て良かったです」


 まさか私がエリダヌスの至高の宝なの!?


 照れ臭いが、とんでもなく嬉しい。


「勝者は敗者に一つ、願い事を叶えてもらえるのですよね?」


 エリダヌスが私を抱きしめたまま尋ねる。


「はい。その通りです」


 負けたものの、エリダヌスの至高の宝=私が嬉しくて、ご機嫌で応じた。

 すると私の推しは、とんでもないことを言い出す。


「ですがわたしは既にメリディアナに、沢山の願いを叶えてもらっています。雲海に浮かぶ城を見せてもらい、スパも楽しみました。ニューイヤーも共に迎えることも出来て、わたしは満足しています」


「そんな……そんな些細なことで」


「些細なこと?」


 心外だとばかりに私からゆっくり体を離すと、エリダヌスは真剣そのものの表情で私に伝える。


「メリディアナと過ごす一分一秒が、わたしにとって、大切な時間です」


「エリダヌス……」


 推しの心のこもった言葉。

 胸が温かい気持ちで満たされる。


「今回、勝者であるわたしの願い。それはメリディアナの願いを叶えることです」


「……! それは願いではないのでは!?」


 するとエリダヌスが右手で私の頬を優しく包み、慈しみを込めた笑みを浮かべる。


「願いが叶えば、メリディアナは笑顔になるでしょう。その笑顔が見たいんですよ」


 「笑顔なんていくらでも見せます! スマイル0円です!」ではないのだろう。

 今はエリダヌスの、推しの心意気を有難く受け入れるべき!


「そんな風に言っていただけて、幸せです。落とし穴に落ちたのは、私の欲が原因だったのに。勝負なんてせず、最初から甘えればよかったですね」


 するとエリダヌスはフッと口元で笑い「それこそ甘いですね」と応じる。


「メリディアナはそういう性格ではないでしょう。甘えるのが恐ろしい程、不得意です」


「そ、それは……!」


 エリダヌスは私の推し!

 冷静に考えれば、言われるまでもない。

 甘えるのが恐ろしい程、不得意……正解だった。

 それに。

 そもそも推しに甘えるなんて……む、無理ゲーです!


「失敗してもへこたれず、行き詰っても諦めない。懸命に頑張る。自分の力で何とかしようともがくところ……本当に見ていられません」


 そこでエリダヌスが顔を近づけるので、ドキーンと飛び上がりそうになる。


「わたしの目を釘付けにして。わたしの心をいつもかき乱す。本当に君はいけない子ですね」


 エリダヌスの鼻が私の鼻に触れ、もう心臓が盛大にドキドキしている。


「それで。どんな願いをお望みですか?」


「それは……」


 すぐに答えることができず、あわあわをしている私に「そういう表情は反則です」と甘くささやき……。


 月光を浴びながら、エリダヌスの唇が、静かに私の唇に重なった。

お読みいただき、ありがとうございます!

イースターエッグハントの後日談も書こうかな~と思っています!

少しお時間くださいませ☆彡

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待ってまぁす。
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