【番外編】婚約式~中編(2)~
「メリディアナ・リズ・アンブローズ。あなたはエリダヌス・ロイド・ウェリントンの婚約者となり、永遠の愛をここに誓いますか?」
「はい、誓います」
婚約式における宣誓を行い、エリダヌスと私は主の前で永遠の愛を誓った。
既に法的な婚約の手続きは終わっている。
だが大勢の参列者が証人となり、改めて婚約したことを公にしたわけだ。
「それでは婚約の誓いとして、始まりの儀式を行います。共に食事を」
つまり用意したチョコレートを食べさせ合うのだけど……。
今回用意したチョコレートは一味違う。
味もそうだけど、色も違う。
なんと碧いチョコレートを特注で作ってもらったのだ!
この碧いチョコレートを開発させるために、わざわざショコラティエを雇った。そしてホワイトチョコレートを作るところからスタート。そこから碧いチョコレートを完成させたわけだけど……。そこに至るまでは、本当に大変だった。
でも無事完成すると、その製法を前世の特許庁のような国の機関に登録することを、エリダヌスは提案してくれたのだ。
碧いチョコレートなんて、この世界に存在していないし、その出来上がりは素晴らしいもの。
「メリディアナ、これはわたし達の婚約式で楽しんで終わりでは、勿体ないと思います。この碧いチョコレートを販売するための商会も、立ち上げるべきでしょう」
そう言うと推しの信頼できる人脈を使い、商会を立ち上げるための人材を確保してくれた。私は名ばかり商会長に就任することになったのだ。
「名ばかりなどと謙遜する必要はありません。碧いチョコレートを用意しようと考え、実行しただけでも十分です。それに商会経営は、付け焼き刃の知識では無理なこと。専門家に任せるのが正解です」
ということで婚約式と同時で、街では新たに碧いチョコレートを販売するお店が、オープンしている。しかも騎士団長であるエリダヌスと私の婚約式で振る舞われたチョコレートとして、大々的に発売がスタートするのだ。
ここはエリダヌスの知名度にあやかるが、そもそもこの日はチョコレートの日。皆の関心はチョコレートに集まっている。間違いなく売れると思うのだ。
という件はさておき。
この碧いチョコレートが婚約式の場に運ばれてくると、みんな驚く。初めて見る碧いチョコレート。皆、興味津々だ。その興味を満たすべく、碧いチョコレートは参列者全員に配られる。
ゆえに皆、碧いチョコレートに関心を持ちつつ、それを自分達も食べられることに、大喜びしていた。
「それでは二人の始まりの儀式として、この神聖なる碧いチョコレートを、お互いに食べさせあってください」
儀式の一環とはいえ、エリダヌスに食べさせるのも、食べさてもらうのも、恥ずかしい!
「メリディアナ、ほら、照れずにちゃんと食べてください」
恥ずかしいが、嬉しくもあり、なんだかくすぐったい気持ちになってしまう。
不自然にくねくねしてしまうが、エリダヌスが差し出す碧いチョコレートをパクリと頬張る。
甘い味と香りが口の中で広がり、軽やかに溶けて……。
なんて美味しいの!
エリダヌスにも食べさせると、「最高の味わいです」と甘々な笑顔になる。
推しの絶品の笑顔。
絶妙な味わいの碧いチョコレート。
婚約式も碧いチョコレートも、大成功だと思った。
特に碧いチョコレートの成功を確信するのは、参列者の反応だ。
そもそも参列者は、ホワイトチョコレートを食べたことがない。そのホワイトチョコレートから作られた碧いチョコレート。
色だけではない。初めて食べる味わいなのだ。それは通常のチョコレートより軽やかな甘みがあり、食べた瞬間に「!」という表情になる。驚きは、その美味しさから自然と笑顔に変わる。とても満足気な顔つきを生み出すのだ。
この様子を見た私は、思わず手でガッツポーズ。
エリダヌスはそれに気が付き、クスッと笑っていた。その目は「良かったですね、メリディアナ」と言ってくれている。
苦労して碧いチョコレートを用意した甲斐があった。やはり頑張ったことが報われると……嬉しい!
こうして婚約式は無事終わり、続いてのパーティーとなる。ちなみにその頃……。
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【お知らせ】新作スタート
『陛下は悪役令嬢をご所望です』
https://ncode.syosetu.com/n0021jx/
「……君との婚約は破棄させてもらう! ここにいる男爵令嬢を君は深く傷つけた!」
婚約破棄された悪役令嬢に、取引を持ち掛けたのは、血塗られた玉座に君臨する王だった――。
前世知識と機転で、困難を乗り越える私だけど、恋心には鈍感です!?
ページ下部にリンクバナー設置済。
初日は増量更新です。
ぜひお楽しみください☆彡














