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My Story  作者: 委員長
第一章
6/8

盗賊団

最近暑いですね

暑くて夜寝れなくなってきました

これを書いているときは涼しい部屋で書いているんですけどね

ということでよければ一読してってください

どのくらい時が経っただろうか。

手と足は縛られている。

「ガキの割にはきれいな顔をしていやがる。」

隻眼の男はそう言って私の顔をつかむ。

「どのくらいで売れやすかね?お頭。」

小太りの子分と思わしき男が隻眼の男に話しかける。

「顔はいいが体は貧相だからな。そこまでの値はつかんだろ。愛想もなさそうだしな。」

そんな会話が聞こえてくる。

周りを見るとかなりの人数の大人が見える。

いずれも腰に剣を下げ、筋肉のついたたくましい体つきをしている。

盗賊団に捕まったのか。

察した。

たぶんまた、以前のような生活に戻るのだろう。

わかっている。

この1か月は夢のような生活だった。

私を買ったご主人様は同じ年くらいの少年だった。

彼は私のことを叩かない。

無理強いをしない。

奇跡とも言ってもよいだろう。

そんな貴族がいるとは考えてもいなかった。

「この先に村があるそうですぞ。」

そんな声が聞こえてくる。

「そうか、規模はどのくらいだ?」

「小さな集落っぽいですな。兵士は駐屯していなさそうです。」

「よし、次の目的はそこだ。行くぞ野郎ども。」

あぁ、かわいそうに。

みんな奴隷にされるんだ。






盗賊どもが戻ってきた。

「ぎゃははは。余裕余裕。」

「さすがっす。お頭。」

そんなことを話しながら戻ってきた。

後ろには何人か女の人がつながれている。

「ふん、こんなガキよりも肉付きのいい女の方がいいからな。」

そんなことを言っている。

私のことは開放してもらえるのではないかなどと淡い期待をしていたが、

「決めた。金ならこの女を何人か売れば工面できるだろう。このガキは俺専用のサンドバッグになってもらおう。」

最悪だ。これならさっさと売ってしまわれた方がマシだったかもしれない。

「おらっ!!!」

そう言って私の腹に蹴りを入れる。

「ガハッ。」

つい声が出る。

「とうとうしゃべったな。」

にやにやとしながら隻眼の男が言う。

「野郎ども、好きなようにしていいぞ。」

そう言って私の体を好きなように殴る、蹴る。

痛い。

苦しい。

でも、

これが、

普通なんだ。






奴隷の少女がいなくなってから、2週間が過ぎていた。

いまだに少女は見つからない。

「くそっ、俺が近くにいたのに。どうして気づかなかったんだ。」

簡単だ。

攫った相手が手練れだった。

でもなぜ俺ではなく、少女の方を攫ったんだ。

どう考えても金になるのは俺だろ。

クソクソクソ。

「落ち着きなされ。アルタ様。慌てたところであの子は帰ってきませんぞ。」

セバスが諭す。

ふーーー。

落ち着こう。

なぜ少女を攫ったのか。

明らかに金になるのは俺だ。

領主の息子を攫うのはリスクが大きいから?

ならその従者を狙うのもおかしい。

俺のことを知らない?

この領地に入るのが初めてであり、兄さんの顔を知っていても俺の顔は知らなかったのか?

それならば辻褄が合う…気がする。

「セバス、シアンに連絡を取れ。俺の騎士団を動かす。」

「御意。」

俺に喧嘩を売ったことを後悔させてやるよ。






ケホッ、ガハッ、グハッ。

体が動かない。

周りにいる女性が私の介抱をする。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

泣きながら私に謝る女性。

あなたのせいじゃない。

悪いのは…。

…誰も悪くない。

この世界ではこれがまかり通っている。

強いて言えば悪いのはこの世界だ。

痛い。

鏡を見ていないからわからないがたぶん顔中血だらけになっている。

視界も半分見えなくなっている。

「おい、生きてるな。」

隻眼の男が私に問いかける。

「ここで死なれたら厄介だからな。ちゃんと治療しとけ。」

周りの女性たちに言いつける。

死なれたら厄介?

領主様が動いた?

そんな淡い期待が頭をよぎるがすぐに首を振る。

たかだか奴隷を助けるために領主もといその息子が動くわけがない。

ほどなくして移動が始まった。

今まで気づかなかったが大きな盗賊団なようだ。

「おら、ちゃっちゃと歩け。」

後ろの方で剣先を向けながら女性の中の1人に言っている。

私はその女性の中の1人に背負われている。

「ごめんね、助けてあげられなくて…。」

また、謝られた。

あなたには関係ないのに。

そんなことを思いながら、少し目を閉じる。






1週間後、別の洞穴に入った。

新たな隠れ家といったところだろう。

「ちっ、集落を襲ったのは失敗だったかもしれないな。騎士団が動き出したようだ。」

隻眼の男が話しているのが聞こえる。

「今、騎士団は集落の方に向かっているとのことです。率いているのは騎士団長のマイティだそうです。」

長髪の男が答えている。

「まだそんなところにいるのか。これは逃げ切れるな。」

そんなことを言いながら隻眼の男が笑う。

やはり期待してはいけなかったか。

騎士団の動きが遅い。

貴族なんてそんなものだ。

世間体を気にして、騎士団を動かしているだけ。

本当に解決する気はないのだろう。

「おい、ガキ。」

急に隻眼の男に呼ばれる。

「もうお前、そんななりだし売っても大して金にならなそうなんだよ。だからよ、ここで死ね。」

え?

「ここに遺体の1つでも置いておけば騎士団の足も鈍るだろ。」

ここまでか。

隻眼の男が私を殴り始める。

痛い。

今までと違い、容赦なく殺す気で殴ってくる。

「あぐっ。」

剣を抜き、足を刺す。

「あが、はっはっ。」

痛い。

でも

これで

やっと

楽になれる。

楽しかった。

あの少年に買われた1か月。

あの少年は、あの貴族はいろんな話をしてくれた。

私のことを気にかけてくれた。

あれ

なんで

こんなに

くるしいんだろう

どうして

「おいおい、ここにきてようやく恐怖の浮かんだ顔をしたな。」

男が喜ぶ。

怖い?

5歳で奴隷にされて、今まで死ぬような目に遭ってきたのに?

4年間の苦しみがたった1か月で癒えるわけがない。

ありえない。

そんなことは。

「あっ…。」

涙があふれてくる。

どうして私がこんな理不尽な目に合わなければならないのだろう。

「泣き始めたぞ。」

男が笑う。

いやだ、死にたくない。

嫌だ、イヤだ、いやだ。

だれか

だれか

たすけて

タスケテ

誰か、助けて。

「助けて…。」

「今更命乞いかよ。そのままいい声で鳴いていろ。」

男の拳が振り上げられる。

ぎゅっと目をつぶる。

覚悟は決まらない。

死にたくない。

その時聞こえた

「やっと見つけた。勝手にいなくなってんじゃねー。」

私を救う、勇者の声が。

人物紹介④

セバス

ナナンメ領領主の側近

ナーバとアルタのことを気にかけてくれている初老の紳士

最近生え際が後退してきたのがひそかな悩み

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