ゴブリンコロニー
前話を読み返すと誰が主人公だかわかりませんね…。
アルタが主人公なのですがどうもうまく描写ができていない気がします。
書きながら精進していけたらと思います。
兄さんに呼び出されて急にゴブリン大量発生の討伐に従軍することになってしまった。
これでようやく自分の実力を測ることができるから願ったりかなったりだ。
大量発生の場所は全部で3か所。
1つ目は領地の東にある。こちらが最も大きい大量発生だそうだ。兄さんが率いる部隊が対処する。
2つ目は北東にある大量発生。こちらは騎士団長のマイティが率いる部隊が対処する。開けた場所らしいから騎馬隊が活躍しそうだ。
3つ目は東南にある大量発生。ここの討伐部隊に俺は配属された。隊長は騎士団副団長のシアン。1番小規模らしく俺の初陣にはもってこいとのこと。
本当は兄さんのいく東大量発生行きたがったがさすがに無理だった。仕方ない、今回は我慢しよう。
魔物は体内に核として魔石がある。その魔石を破壊すると魔物は体を維持できなくなり、砂となって消えていく。強い魔物ほど体内の魔石の数は少なくなり、弱いと増える。ゴブリンだと6個ぐらいかな。全身弱点みたいになるな。
魔石の位置は魔力の流れなどから容易に把握できる。とはいってもだいたいは人間でいうところの脳や首、心臓といった部分にあることが多いのだが。
「いいですか?僕のそばから離れないでくださいよ?」
「そんなに大きくないんだろ?大げさな。」
「アルタ様がけがをしたら僕が怒られるんですよ!」
「父さんは俺の事とか気にしないだろ。」
「領主様じゃありません。ナーバ様にです。あの人怒ると怖いんですからね!」
「あーー、はいはい。自重しますよ~。」
「絶対思ってないじゃないですか!」
シアンの悲鳴を背中に聞きながら行軍中の部隊の先頭に行く。
小規模コロニーなら50匹くらい、多くても100前後といったところだろう。そんなに心配する必要はないと思う。
早く着かないかなー。
マジか。
いやいや待て待て。小規模って言ってたよな。普通50とか100とかだと思うじゃん。
どこからどう見ても500はいるぞ。
これで小規模とか言ってたのかよ。騎士団すげーな、おい。
「シアン。こんなにいて小規模なのかよ。」
「いや報告では100前後と聞いていました。明らかに増えています。」
やっぱり小規模報告を受けていた量より増えていたのか。
東南大量発生討伐部隊は約300人。対してゴブリンは500匹。
中には上位種のホブゴブリンも数匹見える。
「どうする?いったん退くか?」
シアンに聞いてみる。
「はい。退きましょう。数も負けている以上ほかの部隊と連携して対処にあたった方がよろしい。残念ですが一度退却します。」
それが正しいだろう。ここからならば兄さんのいる東大量発生が近い。そこと合流するべきだ。
「兄さんのいる東大量発生討伐軍と合流しよう。俺らの部隊と兄さんの部隊で協力して先に東を片づける。それからここを―」
そう言いかけた時、突然ゴブリンが吠えた。
「ぐぎゃぎゃぎゃ!」
「え?」
シアンの思考が一瞬止まる。
「まさか気づかれたのか!?」
大量のゴブリンたちが一気にこちらに押し寄せる。
ゴブリンってこんなに勘が鋭いのか?
「慌ててずに態勢を整えなさい!まだ距離はあります!落ち着いて迎撃します。」
シアンが叫ぶ。さすが騎士団。その一言で冷静さを取り戻したようだ。
落ち着いて、されど急ぎながら陣形を組んでいく。
「アルタ様。僕のそばを離れないでください。」
シアンはそういうがそんなことを気にしている場合ではない。
「あっ…。ちょっと!!!」
シアンの制止を振り切り、陣形の先頭に走る。
「ゴブリンどもーーーー。かかってこーーーい。俺と戦おうじゃねーか!!!」
北東大量発生ではすでに戦いが始まっていた。報告では500匹ほどと聞いていたがこの様子では若干多そうだと思いつつ、騎士団長のマイティは大剣を振るっていた。
「常に味方と守り合える位置につけ。単独行動はするな。簡単に死ぬぞ!」
味方にそう言いながら目の前のホブゴブリンを屠る。
この感じではほかのところも報告よりも数が増えているだろう。東南大量発生は大丈夫だろうかなどと考えながらまた1匹ホブゴブリンを屠る。
「なかなか厄介そうなのもいるじゃないか。」
「オマエ、ツヨイナ。」
「人の言葉が話せるのか?なかなか賢いじゃないか。」
「オデ、オマエ、コロス。」
「そんな定番のセリフを吐くんじゃないよ。」
ゴブリンの最上位種ゴブリンキングと騎士団最強騎士団長マイティの戦いは一瞬で決着した。
マイティの大剣がゴブリンキングの持つ斧ごと体と3つあった魔石のうちの1つを切断する。
「ぐぎゃ。」
短く叫ぶと体が砂となって消えていく。
「意外と弱かったな。さっさと片付けるぞ!」
「おおーーーーーー」
頼もしく大きな反応が返ってくる。
シアンは目を疑っていた。兄ナーバは魔王すら追い詰めたことのある勇者である。そのナーバが認めているとはいえ、たかが10歳の子どもを戦場に出すことは常軌を逸していると思っていた。
しかし、どうだ?目の前の惨状は。
その子どもの周りには無数の屍転がり、そのすべてが砂となり消えていっている。
すでにアルタ1人で150匹はゴブリンを殺している。
その中にはホブゴブリンやゴブリンウィッチなどの上位種まで含まれている。
負け戦だと思っていた。他の部隊が来るまで持ちこたえる持久戦だと思っていた。
終わってみれば一方的。ゴブリンどもは屍をさらし、対してこちらはほとんど損害無し。
ここにきてシアンはナーバの言葉を思い出した。
『跡継ぎはアルタだよ。』
これは本当にその通りだ。
呆れるしかないと思い、残ったゴブリンを片づけるように指示を出した。
はぁはぁ。どのくらい殺した。途中から数えてもいないな。
ひたすらに目の前のゴブリンを殺す。殺す。
紫色の血が目の前に降る。
気が付けばゴブリンの数はかなり減っていた。
「アルタ様。お疲れさまでした。」
シアンが声をかけてくる。
「すさまじい活躍、お見それしました。」
「そうだろ?そうだろ?俺は強いんだよ。」
こんな軽口をたたきながら、残ったゴブリンを掃討し領地に帰った。
東大量発生
報告よりも数が多いな。
そう思いながらもナーバは冷静であった。
如何に数が多かろうとも、所詮はゴブリン。
魔王と相対したナーバからしたら小物も小物。
焦るような出来事ではない。
どちらかと言えば北東や東南の方が不安になる。
騎士団長がいる分、北東は大丈夫だろうがゴブリンの上位種が複数いれば対応も難しくなるだろう。
安全だと思っていた東南も報告よりも数が増えていれば、アルタに危険が及ぶ。
やはり自分の部隊に配属するべきだったか?
そんなことを考えながらゴブリンキング2体を同時に処理する。
「全軍突撃!!!ゴブリンどもを掃討せよ!!!」
号令をかけると同時にゴブリンどもが宙を舞う。
1000匹弱いたゴブリンどもは1時間後には全滅していた。
最大規模だった東大量発生は最も早くその掃討を終わらせていた。
人物紹介②
ナーバ・オーナス
金髪高身長の偉丈夫。
アルタの兄にして勇者の力を保有している。
優しく、厳しく誰からも慕われる人格者。
16歳の時に魔王と戦い、追いつめている。
母は魔王との戦闘の時に失った。




