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目覚め
「……ん。」
目が覚めた。鳴り響く時計のアラームを止めようとするが、寒い部屋の中、布団から出るのが余りにも億劫に感じる。手だけ出して、止められないものか。
「クソッ。」
結局、時計の居場所は分からない。掛け布団ごと引きずって前進する。
「……あえ?」
素っ頓狂な声が出る。お目当ての物が床には無かった。
「……そうだった。」
昨日の夜の、自分の行動を思い出す。見上げると、勉強机に散らばった教科書が作り上げている玉座の一番上に、時計は鎮座していた。止めるためには仕方ない。起き上がり、時計のスイッチを押す。
「こうすれば絶対起きれる、か。」
時計を見ると、朝の6時だ。
「作戦成功……よし。」
これからは、こうしよう。