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7、冒険者名(コードネーム)を決める

 ここ、<クトゥリア>の冒険者ギルドは、入って正面に受付カウンター、左右に依頼(クエスト)の紙が数枚ほど貼られた掲示板がある。内容は……スライム(レベル1)討伐とかキノコ拾いだったりの、簡単なものしか無い。多分ここ周辺の人達のレベルはそんなに高くは無いのだろう。


 あまりの依頼(クエスト)の少なさに、ここ周辺はほんとにスローライフに向いてそうな地域なんだなぁと思うばかりだった。


「冒険者ギルド<クトゥリア>支部へようこそ! 本日はどのようなご要件でしょうか?」


 私達に気付いた黒髪ぱっつんの受付嬢さんが笑顔で聞いてきた。時間は朝の四時前にも関わらず、眠そうな素振りを全く見せていなかった。


 というかピンク髪セーラー服という結構派手な私の外見を見ても何もツッコまないの、凄いな……


「冒険者登録をしたいのですけど、お願いできますか?」

「はい! 大丈夫ですよ~」


 私の頼み事に対し、明るい声で受付嬢が答えてくれる。その声を聞く限り、残業している様には見えなかった。シフト制?思ったよりもホワイトな仕事なのかな?


「……それでは最初に、冒険者名(コードネーム)を決めてください」


 その言葉に私は戸惑いを隠せなかった。冒険者名とはいったい? まるでゲームの世界にいるような感覚に襲われる。まさか、ここでは自分の名前を冒険者名とでも言うのだほうか。しかし、<エルタニア>にはそんなものなかったはずだ。

 

 私は無言で、魔王ちゃんの方を向いてみるも……ロリ魔王は首を横に振り知らないようであった。


冒険者名(コードネーム)?ってなんですか?」

「【全日本冒険者ギルド連盟協会】という、全国の冒険者様たちの情報を管理している政府公認の組織にステータスなどのデータ送る際に用いるニックネームのようなものですね。」

「あの、それって本名以外でも大丈夫ですか?」

「はい! 皆さん思い思いの名前をつけて、冒険者間でやり取りをする時に本名バレしないように名乗ったりして使ってますね。ですが一度名前を決めると、特定の条件を満たさない限り変更することが出来ませんので注意してくださいね。」


 一度アバター名を決めると、課金しなければ変更できない系のネットゲームかな?

 

 そんな脳内ツッコミはさておき……私は本名である「御坂陽菜」の「陽菜」をカタカナにした「ヒナ」が良いと思った。理由は特にない。強いていえば、それ以外思いつかなかったから……かな。


 私の方はこれでいいのだが……隣の、ロリ魔王ニーナは一体どうするのだろう

 流石に(ロリ)魔王の名前そのままっていう訳にはいかない。すると、ロリ魔王が自分の冒険者(コードネーム)名を口にしたのである。


「妾、名前を「柊琴音」にするのじゃが……まぁ、そんなに使うことはないがの」


 え、なんでそんな日本人みたいな名前なの??もしかして何かあった時に偽名でやり通す感じ??


「それ、誰の名前?」


「我が一度だけあったことがある、【勇者】の名前なのじゃ」

「え……【勇者】? あっちの世界にいたの?」

「名乗るだけ名乗って我に瞬殺されたから、そいつの顔は覚えてないのじゃがな」


 けろっとそんなことを言うロリ魔王。やっぱり、この子ヤバいと私は思ったのだ。だが、『琴音』という名前に少し可愛さを覚えてしまった。


「あ、私は「ヒナ」でお願いします」


 私も、もうちょっと考えればよかったと、少し後悔していた。この名前の可愛さに差がある事に、なんとも言えない感情が湧き上がっていたのだ。


「それでは、「ヒナ」様と、「柊琴音」様 で冒険者名(コードネーム)を登録させて頂きますね」

「分かりました~」

「よろしくなのじゃ~」


 二者二様の返事をする私「ヒナ」と、ロリ魔王改め「柊琴音」。これから二人で仲良くやっていきたいと、決意をしたのであった。


「次の工程は……あなたたちの職業適性を測るためにステータスを確認させていただきまずは」

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