52、ドラゴンが来た
お久しぶりです
それは……討伐会議が終わって数日が経ったある日の昼下がりの事だった。
『近辺に高エネルギー反応確認!!これは……デカいです!!』
ちょっと前の期間から行っていた【放置農業】―要は勝手に武器とかアイテムとかが手に入るようになったチートの一つ―によって手に入った《高性能人工知能搭載型防衛システム―エルメス―》の警告音が部屋中に鳴り響いた。なお声はボイスロイドの紲星あかりである。
警報音が鳴り終わって十秒ほど、私と幼女三名は家の前の広場に通常衣装で集合していた。通常衣装と言っても
・全身を黒いローブに包み、初見だと不審者にしか見えないような気がする私
・何故か魔性っぽい雰囲気が醸し出されている、黒を基調とした色のワンピース姿のロリ魔王
・アニメとかでよく見る奴をベースに、「萌え」を意識して全体にフリルが散りばめられたメイド服のティアラちゃん
・日本でも小学生とかが着ていたであろう、結構シンプルな紺色のスクール水着を装着したイヴちゃん
という、外見だけでもかなり混沌を極めているのだが、各々の能力面で見てもやばい集団の集まりで……
・なんかやばい存在である【特異点】+いざという時には月を動かせる権限を持つ私
・異世界を長い間支配しており、本気を出せば星の数個は秒で壊せると言われているロリ魔王
・太陽やにんにくや十字架などの弱点を完全克服して、すべての吸血鬼を従える存在である《超越者》である、ティアラちゃん
・外部からの力を媒介にして発動する《精霊術》と、体内の力を媒介に発動する《魔術》という相反する力を同時に使いこなすチート獣イヴちゃん
改めて整理するとパワーバランスバグってるよねほんと。なんかもう負ける気がしないんだけど……
「まぁ、何があるか分からないからの。お主ら、油断はするでないぞ」
「「「了解!」」」
等と言っていると突如
「吹き荒れろ!【ドラゴニック・ウィンド】!!」
「ぐるぉぉぉぉぉ!!」
怒号と共に、どこからか発生した暴風が私たちを襲った。明らかに不意打ちだった。
「ぐぅぅっ」
装備しているローブがバサバサッと音を立てて荒ぶる。視界左上のHPバーを見てみると特に減っている様子はない事を見ると、ダメージを受けているようではないが……何かに殴られているような痛みを感じていつつ、強すぎる威力に目が開けられずにいた。
十五秒ほどで風が止んだので、私はゆっくりと目を開け……
「おう、アンタが【特異点】っちゅーやつか。ワイは《竜王》のサラや。以後よろしゅーな、あ・る・じ・さ・ま♪」
等と言う関西弁の黒竜がそこにいた。




