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50、ウソでしょ……

 ロリ魔王が見せてきたタブレット端末の画面に映っていたのは……


『暴走竜、また都市を襲撃か。広範囲に大規模な被害』

『破壊活動の目的は【特異点】の捜索か』


 等と書かれた見出しに……都市を破壊している、夢の中で見ていたものと全く同じ外見の巨大なドラゴンと、それを操っていると思われる全身が黒いローブに覆われた私と同じ外見の人の姿が記録されていた動画だった。


「これは……?」


 見間違いか?と思ってもう一度動画を再生してみる


『貴様の闇の炎で【特異点】をあぶりだせ!【ドラゴニック・フレア】!!』『ぐるぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 ドラゴンの口から吐き出される黒い炎。なぜ黒いのかは分からないが。そして、ごぉぉぉぉぉっと燃え上がるビル群。超現代日本の建造物が木造建築並みの脆さで炎上(物理)させるほどの威力があるのだろう。耐久性はどうなってんだ耐久性は


 徐々に私の表情が険しくなっていく。このドラゴンを操っているのは本当に私なの……?やってることはスローライフと真逆のことなんですけど


「お主の今朝の夢と……一致しているのじゃろ?」


 ロリ魔王は私の表情から何かを察したのか、心配するような顔でこちらを見つめてくる。私の心の中……というか私の思考や記憶すらも見れる彼女だからこそ、こんな事を聞けるのだろう。


「うん……一致しているわね。でも私はこの時間、月にいたはずだからこっちの世界で破壊活動を行うことなんか出来ないよね。」


「まぁ、我はお主を疑っているわけじゃないのじゃがな。夢のことも単なる偶然じゃと思いたいのじゃがな……」


 ロリ魔王はリビングの机の上にタブレット端末を置くと、ちっさ……成長途中の胸の前で両腕を組みため息交じりに小声で何か呟いた。


「どーせやって来るドラゴンも擬人化してなまら可愛くて巨乳な女の子なんじゃろ……?」


「なに北海道弁交じりで未来予知っぽいような発言してんのこの子は……」


 というかその北海道弁どこで学んだのだろうか? 何かのアニメの影響を受けたのかはもうツッコまないようにしてるからいいんだけど、外見に反してめちゃくちゃ頭いいよねこの子。異世界で魔王やってたからその時に色々脳が成長したのか……あるいは俗にいう「合法ロリ」とやらなのだろうか?


 十歳前後だと思われる見た目はともかく、精神年齢は私よりも年上のような気がする。女性に実年齢を聞く事はあまり良くないことだといわれているので聞かないようにしておくけど……


「我の実年齢は……217歳じゃな」


「えっ言っちゃっていいの?なんかこういうのってもうちょっと答えを引き伸ばすものじゃないの?」


「お主は何を考えておるのじゃ? 同居人としてこういう情報を教えるのは普通のことじゃろ?」


 彼女は頭上のアホ毛をはてなマークに変えながら首をかしげる。そのアホ毛器用すぎるね……

 

 予想外に高かった年齢になんか驚きを隠せないんですが。まぁ健康に過ごして来たのならよし。あくまで私の予想なんだけど、ちゃんと不老――外見を幼いまま保っている状態――の術式を掛けられて尚且(なおか)つ二百年以上維持されているの凄いなほんと。


 このチート娘の強さは私の【鑑定】でも計り知れない。多分、今【鑑定】によって表示される彼女のステータスはインフレがそこまで進んでないこっちの世界基準の抑えられたものだろう。


「ニーナって色々ぶっ壊れてるよね……?」


「『本来は現れることのなかった存在』である【特異点】のお主も能力面でのぶっ壊れ具合では人のこと言えないじゃろ。だからいろんなものに狙われるのじゃろうが……」


「あ、あはは……」


 ロリ魔王の言う通り、私は色々と特別な存在ではある。あまりそういった自覚はないのだが

・吸血鬼の(おさ)

・堕天使になれるチートクワ

・《精霊力》と《魔力》という相反する力を同時に使いこなす魔獣


 といったようなメンバーが集まっているほか、私自身【月の使徒】という「月」における強大な権限を持っており、なんか一種のア○ンジャーズみたいになりつつある。


 一見負けることはなさそうに思えるが、この世界のことである。未知の勢力が襲ってきそうな以上、それ相応の対策が必要である。


 というわけで、この後やってくると思われるドラゴンへの対策会議をやることにした。

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