20、@魔王城
という訳でめっちゃ重要なパートその①です
「えっと……ここで会ってる?」
村を出発する際に村長から貰った手元の地図を見る限りだと……ここが目的地で正解のようだ
「それにしても、流石異世界。お城のデザインがもうファンタジー作品に出てくる奴なんですけど……」
私が今いるのは、異世界<エルタニア>の魔王城の入口付近の広場。 いつものように土を耕していたら土の中からひょこっと出てきた<エリオルの指輪>っていう全てのステータスがカンストするアイテムを入手し、ちょっとやそっとのことなら死なないだろうと思い、観光がてら魔王城に来てみたのだ
「おっ、そこのお前見ない服装だな、どこから来たんだ?」
きょろきょろと辺りを見ていると、漆黒の鎧を着た門番さんに声を掛けられた。 あれ? 攻撃されないぞ?
村では魔王軍は恐ろしいっていうことをみんなが言ってたために……イメージと違うんですが
「<アスカ>って言う村から魔王城の観光に来たんですけど……」
それを聞いた門番さんは私の服を眺め……て一言。
「ふむ……お前<黒の巫女>の友人のヒナか?」
「あ、はい。 ヒメちゃんの友人のヒナです。 彼女にアポ的なのはとってると聞いたのですが……どうしてわかったんです?」
「この世界に君みたいな特徴的な服装の人なんかほとんどいないからね。」
と言いながら門番さんは、ガラガラガラと門を開けてくれる。
「ほら、ゆっくり観光していきな。」
「あ、はい。ありがとうございます~」
そんな会話をしながら……私はこの世界の魔王の住む城へと足を踏み入れたのだった
十分ほどで最上階にたどり着いた。 ここまで一ダメージも受けていない。
というか城の中の人や魔物?はみんな、私に普通に有効的に道を教えてくれるし……異世界のラスボスがいる魔王城なのに全く戦闘が発生しない。
ということは……魔王も物凄い友好的な人なのだろうか……?
「失礼しまぁぁぁぁす ヒナでぇ~す」
「入るのじゃ」
……のじゃ?
若干重たい扉の向こうには……メイド服を着た二人の女の子―片方はロリ、片方は高身長の巨乳―の間の煌びやかな玉座に座っている、金髪ツインテールに小悪魔みたいな角が生えた幼女がいた。
「長旅お疲れ様なのじゃ。 妾は魔王ニーナ・イシュタルじゃ。 ヒメから話は聞いておるのじゃよ」
「これはご丁寧に……私はヒナ、一応農家やってます」
私のイメージとは真逆で、魔王は幼女なんですが。 最近はこういうのが流行りなのかなぁ……?
「横の二人は吸血鬼メイドじゃ……お主から見て左にいるのが姉のティエラ・スカーレット。右にいるのが妹のティアラ・スカーレットじゃ」
「姉妹メイドかぁ……羨ましいなぁ」
異世界物にメイドはお約束……だけど私は会ったことが無かった
「お主にもメイド位つけであげでも良いのz」
ニーナが何か言い終わる前に……
カンカンカンカン!
「敵襲! 敵襲です!」
唐突に敵襲イベントが発生した。 本当に急すぎる
ニーナはいつの間にか手元にマップ? を開いており、映し出された内容を見て「チッ」と軽く舌打ちした
「ヒナ、お主今から戦えるか?」
「うん、支援くらいなら……」
「分かったのじゃ。 ティエラ、ティアラ、お前らはヒナの護衛をするのじゃ!」
「「かしこまりましたニーナ様!」」
吸血鬼メイド姉妹は声をそろえる。 流石魔王、判断が早い。
「お主ら、後ろは任せたのじゃ!」
「「「はい!!!」」」
という訳で……戦闘、始まります




