19、すんなり
「なにごとなのじゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
という声と共に私の部屋の扉が開け放たれたかと思うと、「はあっ……はあっ」と荒い息を吐いているロリ魔王が入ってきた。
全力ダッシュの後なのか、その表情は驚き半分、疲れ半分の感じである。どんだけ全力で走ったの……?
多分、さっきの爆音で目が覚めてしまったのだろう。だが私は謝らない。ロリ魔王が目覚めたのは目の前で結界を貫通して窓を破壊した上で侵入してきたそこにいるロリメイド吸血鬼のせいだから。
「ニーナ様っ!! 無事だったのねっ!!」
ロリ吸血鬼メイドのティアラちゃんは、血相を変えてロリ魔王に抱きついた。突然のことにロリ魔王はショートフリーズするも、すぐに認識したのかティアラちゃんを抱きしめ返す。
「なんじゃ全く……さっきの音はティアラじゃったのか。 相変わらず前から変わっとらんのぉ」
馴れ馴れしく会話する幼女二人に、私は素直に疑問を抱いた
「えっ……? 二人とも知り合いなの?」
ティアラちゃんは頷いた
「ご主人様には説明してなかったわね。 わたし<エルタニア>でニーナ様の専属メイドをやっていたの」
「えっ……ロリがロリのメイドをやってたの? ということは私、魔王城でティアラちゃんと会ったりした?」
「最上階でニーナ様の隣にいたの、覚えてない?」
「……うーん、居たような居なかったような」
「あれ?ヒナはティアラと会ってなかったかの?」
私とロリ魔王の反応を見て、ティアラちゃんはため息交じりに呟く
「……やっぱり、ご主人様もニーナ様も記憶を書き換えられているわね」
「えっどゆこと? どこから記憶を書き換えられてるの?」
「多分、魔王城に入った辺りからだと思うわ。 教えなさい、今のご主人様の記憶を」
ティアラちゃんに言われた通り、私は今ある記憶……もしかしたら偽物かもしれないものをざっくりと話すことにした
「<創造者>というクワを持って、ニーナと一対一で対面。 戦闘に不慣れな私は序盤からピンチになるけど、擬人化したクワと1つになってニーナを討伐。 その後クワが暴走してこっちの世界へ。 その時に死んだはずのニーナも一緒に来た」
そこまで話し終わって……私はとある違和感に気付いた
「あれ? 蘇生魔法を使ってないのに何でロリ魔王が生きているの……?」
「言われてみれば……妾はあの時に1回死んだはずじゃろ……??」
ロリ魔王も私と同様に違和感に気付いたらしい
私達の反応を見て、ティアラちゃんは頷いた
「だって……ニーナ様は死んでいないわよ。」
そして、一呼吸置く
「これが……あの日の本当の真実よ。 【記憶解放】っっ!!」
私とロリ魔王はその場に崩れ落ちた
という訳で……
次回、めっちゃ重要な回になります
( `・∀・´)ノヨロシク




