17、二人だけの結界を作る
「それで……お主は朝から何をやっていたのじゃ?」
朝食を済ませた私が、リビングのソファーで新聞を読みながらくつろいでいると、いつの間にかロリ魔王が隣に座っていた
多分、お勉強っぽいことをやっていたのが気になっているのだろう。元?魔王の彼女は座学とは無縁の存在のような気がする。
「とりあえず、この家の周囲に結界を貼りたいのよね。高原全体を囲むような感じの」
「結界じゃと?お主どこでそんな単語を覚えたのじゃ?」
さらっと失礼なことを聞いてくるなこのロリ魔王……
「ライトノベルとかだけど……私達のスローライフのためにあった方が心強いかなぁって」
「了解したのじゃ。 どういったものをご所望するのじゃ?」
ロリ魔王は結界を作ることに肯定的のようだ。
「とりあえず……結界内の純モンスターの出現と結界外からの純モンスターの侵入を防ぐ効果、結界内でどれだけ暴れても外部に音や光とかが漏れない効果、後は……私以外の人間を、私達の許可なく結界内に入れなくする効果くらいかなぁ」
さらっと構築難度が高そうな効果を要求していく私。 魔王ならこのくらい余裕でしょ。
ロリ魔王はまだ発展途上な胸の前で両腕を組み、「う~む」と少し考え込むそぶりを見せた。 あれ?これはもしかしたら「無理じゃっ!」なんて言い出す前兆……?
「純モンスターとは一体何なのじゃ?」
あれそこ分からなかったの!?と期待していたのと若干違ったと思った所で、私はロリ魔王に「純モンスター」という単語の意味を説明していなかったことに気付いた
「見た目が人じゃないモンスターさん達のことを指すの。 この世界って見た目が女の子だったりするモンスターもいるでしょ? 例えばロ……琴音ちゃんみたいな」
「ふむふむ」
「見た目が人だったら女○転生みたいに相手と対話できるかなぁと思って……」
「○神転生?」
「解説するの面倒くさいのでそこツッコまないで……」
昔……交通事故で異世界転生する前に住んでた家の父親の影響でちょこっとプレイしたそれの中に相手と対話できるシステムがあったことなんて、色々な意味で言えないんですが
「なるほど、昔……交通事故で異世界転生する前に住んでた家の父親の影響でちょこっとプレイしたそれの中に相手と対話できるシステムがあったのじゃな」
「あ~そうだったこのロリ他人の心を無許可でのぞき込めるんだったー(棒)」
ロリ魔王の言動に頭の処理が追いつかなくなった私は、もう考えるのをやめた
―30分後―
「出来たのじゃっ!」
ロリ魔王が屈託のない笑顔で見せて来たのは、<ナノ国> という色々ツッコみ所がありそうな固有名で……【防衛】:結界外からの純モンスターと人間の侵入及び結界内の純モンスターの出現を封印する
【遮断】:結界内の音と光を外部に漏れなくするよん といったような効果を持つ結界が……発動したという内容の紙だった
過去形である。私のお勉強内容は一体どこへ行ったのか。




