表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/67

10、名前だけで判断しない方がいいらしい

 【天候操作系の魔法】

 私が異世界<エルタニア>で農家として過ごしていたころ、作物の成長面などでよくお世話になった。普通に使ってもそこまで危険性はないような気がする。


「天候操作系の魔法は、太陽で土地から水分を消滅させたり、大雨や洪水で都市を水没させる……等々、間違った使い方をすれば普通に災害を起こせますよ」


 笑顔でさらりと怖い事を説明する受付嬢に、私の顔は引きつってしまう。でも言われてみれば、雨とか風とか暑すぎるとか寒すぎるとか……天気って人々の生活に大きな影響をもたらしてるような気がする。こうして聞くと、天候操作って結構強力な魔法に聞こえるのだ。


 天候魔法の説明後、沈黙が周囲を支配していた。その沈黙に耐えきれず、琴音ちゃんが質問を投げかけたのだ。


「<禁忌魔法>とやらに、代用の物はあるのじゃろ?」


 <禁忌魔法>は、強力すぎる魔法達の総称なのだが、その同名の「能力」を琴音ちゃんは持っている。こう発言をした異世界出身の彼女は、そういう系のチート能力があると使いたくなるらしい。


「はい! それらは<秘術能力>と呼ばれており、<禁忌魔法>を物凄く弱体化させたものとなっていますよ」

「ふっ……それって、普通の『能力』とは何が違うの?」


 厨二くさい名前に私は苦笑してしまう。


「使用者によって、その力が変わるということですね。 具体的には……使用者の魔力量が多いほど効果が強力になるのですよ」

「つまり、魔力が最大値までカンストしている琴音ちゃんの場合だと……?」

「<禁忌魔法>とほとんど変わらない威力のものが使えますね」


 つまり、琴音ちゃんが使えば<禁忌魔法>と変わらない……。すなわち、使ってしまうと、色々な問題が発生するのでアウトとなるのだ。絶対に……いや、万が一の時以外は使うなと、念を押したのである。


「琴音ちゃん?<禁忌魔法>達は緊急時以外で絶対に使っちゃダメだよ。いい?」


 私は先生のような口調で、琴音ちゃんに念を押す。何か起こる前に釘を刺した。起こってからでは、何もかもが遅すぎるのだ。


「……分かったのじゃ」


 少し不服そうではあるが、琴音ちゃんはうつむきながら納得したのである。だが、本当に分かっているのか、不安が私の中にあった。なぜなら、『魔王の血が騒ぐのじゃ〜』とか言い、突然<禁忌魔法>を使ってしまいそうだからである。私はそれが心配だった。

 =====


「ふと思ったのじゃが、ヒナのステータスってどうなってるのじゃ?」


 

 



 




  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ