黒猫は知らないフリをします
こんにちこんばんは。
ちょっと小説を読んでいたら小説を書くのを忘れて、今日は一文字も進んでないダメ作者、仁科紫です。
この回で魔法学園都市編終了となります。
チェシャ「ようやくね。」
ようやくです。長かった…。
さて、今回は爆発音からの開始ですね。
それでは、良き暇つぶしを。
ドッカーンッ!
「な、何事だっ!?」
「中庭の方から音がしましたね。」
「にゃぁ。」
「えっ!?ちぇ、チェシャ、罪人到着ってどういう事ですの!?」
えー?どういうことかって言われても、そのままの意味なのだけど。
どうせ、またリリー師匠が突撃したのでしょうね。今度はお庭に不時着かしら。
うーん。クレーターが出来ていなければいいのだけど。あそこのお庭、すごく綺麗なのよね。台無しになっちゃったら、庭師さんが可哀想だもの。本当のほんとーに!師匠、お願いします。被害は少なめでっ!
そもそも、誰が弁償するんだって話になってしまうのよ。あと、人の苦労を一回の墜落で台無しにするのはいけないわ。下手したら心が折れそうになるもの!!
一度、レポートの500字書いたデータが消えたときなんか、泣きそうになったもの。500字でも泣きそうになるのよ。500字って30分くらいの成果でしかないのによ?
それなのに、花なんて、何ヶ月って掛かるのよ?維持にも手間がかかるのに…。きっと、泣くどころか気絶…下手したら首を吊って命を絶とうとするかもしれないわ!
今すぐ確認に行かなきゃっ!
「にゃにゃっ!」
「ま、待ってくださいな。チェシャ!」
待たないわっ!いえ、正しくは待っていられないのよ。
だって、早く行って状況確認をしないと!止まってなんていられないわっ!
という訳で、ごめんなさいっ!
〜チェシャが去った後の執務室にて〜
「わ、我々も早く行きましょう。」
「そ、そうだな!」
「いえ、陛下はここで。危険な可能性がありますので。」
「そんなぁ!」
「では、お父様はここで待っていてください。私は次期国王でもないので、行って参ります。」
「ずぅるぅいぃいいいいいい!」
「陛下、ステイ。」
「私は、犬じゃなぁあああああいっ!」
・
・
・
あら。何か今、悲鳴?雄叫び?みたいな声が聞こえたような、聞こえなかったような…?…まあ、いいわ。
さて、この角を曲がれば中庭だったはずよ!
「…から!…ですって!!」
「…だろっ!!」
…あー。やな予感。
中庭に到着した途端、目に入ったのは…木に括り付けられた縄を間に挟み、言い争う男女の姿だったわ。
oh...。やっぱり、間に合わなかったのね。
まあ、タイミング的に間に合うわけはなかったのだけど。
周囲にはめくれあがった芝生と花の散った無惨な姿の花畑。綺麗に整えられていたはずの木々は所々枝が折れ、ボッサボサの髪の毛のようになっているのを見れば、衝撃がどれくらい大きかったのかはよく分かることでしょう。
…植物が可愛そう。
さて。あの二人組に話しかけましょうか。
「にゃぉ!」
「あっ!チェシャ!チェシャからも言ってください!
そう簡単に捕まえることは出来ないんだって!」
「にゃ?」
「いやいや!こうやって縄を仕掛けておけば、捕まえれるんだって!」
「にゃ?」
え?ええ?こ、この人たちは何を言っているのかしら?というか、この男性は誰?
それより、ゴーマンはどこに行ったのかしら?
「にゃ。ny…」
「そんなことではないですよ!考えてみて下さいっ!
そうそうネズミは捕まえられないんです!そもそもこんな所を通ったりしませんっ!」
「にゃ?」
「いや、通るかもしれないじゃないかっ!」
な、何故にネズミ?
意味が分からないし、どういった会話があればこんな事に!?
罪人よりもネズミの方が大事とか意味わからないわよっ!
「通らない!」
「通る!」
ふ、ふふふ。
「にゃぁああああああんっ!!!」
「「は、はいぃいいいいい!」」
はぁ。はぁ。私の話を聞きなさいっ!
「にゃにゃにゃんにゃ、にゃにゃっ!」
「はっ。そ、そういえば、その為に来たんでしたっ!」
「なんだい?お前さん、仕事中なのにほっぽり出してきたのかい?」
「え、えへへへぇ。じ、実は…。
籠をどこかに落としてきちゃったみたいで…なんて…。えへっ?」
うん?ちょぉっと私の耳が悪いみたい。
籠をどこかに落としたって聞こえたのだけど?気のせいよね?
「にゃ?にゃにゃにゃ。」
「え?だから、籠を。」
「にゃにゃにゃ?」
「どこかに。」
「にゃにゃにゃにゃ?」
「落としちゃった、みたいな…?」
「にゃにゃにゃ…にゃにゃにゃにゃっにゃ!」
目を逸らしながら言っても無駄よっ!
何よ。落としちゃったって!!
「あ。でも、大丈夫ですよ!たぶん、落としてからそんなに時間経ってませんからっ!」
「にゃぁ…。」
そういう問題じゃないのよ…。そもそも、どうしてしっかり固定したはずの籠が落ちるような事態に…。
…あれ?そういえば、リリー師匠の箒って、ときどき消えたり伸びたりしていたような…ま、まさか、ね?ないない。うん。ないと…ないと!信じたいっ!
「にゃ、にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ?」
「あ、あはは…。ハイ。その通りです…。
途中で、箒が消えてしまって…わ、私は無事だったんですよっ!?直ぐに新しく箒を作り直しましたからね!
ただ、前の箒に括り付けられていた籠はそのまま落下してしまって…今はその箒が消えた辺りに落ちていると思います。」
…落ちた拍子に扉が開いてたりはしないわよね?
き、きっと大丈夫よね!ところで、落としたところは何処なのかしら?
「そこの城壁の上あたりです…。珍しく着地は上手くいったんですけど…。
それから、ここの庭師さんだという方に出会いまして。何やら縄を括りつけているので、気になって尋ねてみたんです。そしたら、ネズミを捕まえると言ったので…。」
「にゃぉん…。」
城壁の上あたりということは、初めの爆発音。あれは、籠が落ちた音…。なるほどね。
…で?この惨状を作り出したであろう、リリー師匠はこれを、上手くいったと表現するのね。
しかも、罪人を落としたことよりも、ネズミ捕りを優先するのね。そっか。そっかー…。
うぅ。これが師匠って…はぁ。頭が痛くなりそう。
「はぁはぁ。追いつきましたわっ!チェシャ!」
「それで、罪人はどちらに?」
…あー。きちゃった。うぅ。どう説明しましょう。
もう、諦めてはいけないかしら?…え?ダメ?や、ヤダなぁ。
ゴロゴロ。
ゴロゴロしてたら許してくれないかしら?…あー。でも、前は誤魔化されてくれなかったのよね。
ゴロゴロ。
「あ、あら?チェシャ?罪人は?」
「ゴロにゃぁ。」
知ーらない。私は知らないのよ?ええ。知らないわ。
もう、そこにいるリリー師匠にでも聞いてくれればいいじゃない。私はもう、考えたくないのだけど?
「こ、ここここんにちは!」
リリー師匠…。いくら、滅多に見ない偉そうな人だからって、そんなに緊張しなくてもいいと思うのよ。私。
「貴女は?」
「わ、わわわ私は、チェシャのお師匠、です!」
「チェシャに師匠が居たのですね。それで、そのような方がどうしてこちらに?」
…なんか、もう見てられないし、猫語(笑)だけど、私が話した方が早い気がしてきたわ。
だって、ねぇ?元々、師匠は運搬要員でしかなかったのよ。説明してもらうつもりはなかったし。
そこまで詳しい事情を把握しているとは思えないもの。
「にゃぁ。にゃにゃにゃ。」
「あら。そうでしたの。」
「コホン。それで、罪人はすぐそばに居るんですよね?」
…あ。宰相さん。存在をうっかり忘れていたわ。ごめんなさいね?それで…本題をいきなり聞くのはどうかと思うの。
ね?せっかく、駄々っ子のごとくゴロゴロしていたというのに。宰相さんなんだし、優秀なのでしょう?だから、私の態度でわかるはずよね?ね?聞かないでいてくれるのも優しさだと思うの。
…まあ、話が進まないから、言うけれど。決して、怖い目で睨んでくる人がいるからとかじゃないんだからね!?
「にゃ…。にゃにゃにゃにゃ。」
「そうですか。罪人は落としたんですね。…は?落とした?え?」
あー。うん。まあ、そうなるわよね。
…はぁ。どうしてこうなったのかしら。私は今、すっごく後悔しているわ。どうして…
どうして師匠に運搬を任せたのかって!
うん?ここは自分がついて行かなかったことの方を悔やむのではないかって?…それはね。私も考えたの。
でもね?ぜぇーったいに!嫌なの!
二度と師匠の箒には乗らないって決めたの!それぐらい酷いのよっ!
それを体験してもらうために師匠に任せたのにっ!これなら、他の飛べる人に頼んだ方が良かったわね。
「…それで、どの辺に落としたかの見当はついていますか?」
「にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ。」
「城壁の方ですのね。
なら、騎士が捕まえているかもしれませんわ。確認させましょう。」
「そうですね。はぁ。良かったです。
これで森の中に落としたなんてことになれば、元も子もありませんでしたから。」
この後、無事に籠を拾った騎士が宰相さんに報告したことで問題は解決。
中にいたゴーマンはとんでもない目にでもあったのか、発見された当初、『箒はヤダ。箒はヤダ。』と、繰り返し、ブツブツと言っていたそうだ。
その後、裁判で監獄行きを命ぜられたそうよ。因みに、監獄というのはこの世界の中でも独立した場所らしく、曰く、何処とも繋がっていて、何処とも繋がっていない場所なんだとか。プレイヤーが罪を冒しても、そこに飛ばされる事になるらしいわよ。
ふふふ。ざまーみろっ!
ふぅ。今日はなんだか疲れたわ。一日を領主のお仕置きをするために費やしたのに、終わりがこれだなんて…。
まあ、師匠に出会えたし、ユリーフィアさんには出会ったし。
多くの出会いがあったから、まだ気分的にはプラマイゼロ…?かしらね。
リリー師匠というとんでもない爆弾を師匠にしてしまった事と、ユリーフィアさんという将来とてもいい領主になりそうな子に出会えた事、ゴーマンをお仕置きできた事がそれぞれ打消しあった感じでね。
「…あれ?私、放置ですか…?」
…マイナス、ではないわよね?
次回、ラビはチェシャのことをどう思っているのか!?
それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。




