黒井咲絺の猫好きのきっかけ
こんにちこんばんは。
需要があるか分からないけど要望があったので投稿することにした仁科紫です。
初めに言っておきます。...チェシャの過去に興味なんて全くねぇって方は読まなくても全然問題ないです。
あと、半分は第三者視点、半分はチェシャのリアルこと咲絺と作者のトークとなっております。苦手な方は読まなくて(ry
それでは、チェシャこと黒井咲絺さんに質問をしたいと思います!ドンドンパフパフ〜!
咲絺「...え。唐突にどうしたの?作者。しかも、なんでチェシャじゃなくて咲絺なのかしら?」
もちろんのこと、チェシャのリアルの方の話の番外編が欲しいと言われたからですね。ついでに言うと、猫好きの理由を書いてと言われましたので。
咲絺「そうなのね。...って、それなら日常生活で回想している所を書けばいいじゃない!どうしてこんなよく分からないところに呼び出されたのかしら!?」
...直接聞いてしまえば早いかなぁと。
咲絺「手順を省略するんじゃないわよ!」
ちっ。
咲絺「舌打ちしたわね!?」
はい?なんのことでしょう?それはさておき、答えて貰えますか?
咲絺「...はぁ。そうねぇ。私、別に猫好きというわけではないけれど、猫になりたいと思ったきっかけならあるわね。あれは...って、結局回想に入るんじゃない!」
あ。バレた。はい。次から回想となっております。
それでは、良き暇つぶしを。
咲絺「バカ作者ぁああああっ!」
〜回想〜
あれは咲絺が小学生の頃。咲絺が真面目で子どもならではの潔癖さから、理不尽なことや気に食わないこと、理解できないことを全て許せないような幼さを持ち合わせていた頃の話である。
咲絺はある頃から親友だと思っていた子やよく遊ぶ子から『猫』と呼ばれるようになった。
理由はハッキリとはしていない。驚いたときにきゃっというところを『にゃっ!?』と言ってしまったことや取っ組み合いの喧嘩になったときによく爪を立ててしまう癖があったこと。他にもいろいろとあったかもしれないが、パッと思いつく範囲の理由としてはその辺だろうか。
例え小さなことであったとしても子どもというのは相手にからかう隙があればすぐさまに反応し、からかってくる生き物である。理由などというのはそこまで重要ではなかったのだろう。ただ、咲絺をからかう為だけに、『猫』と一言言う友達が増えたという事実だけは確かであった。
その為なのか、そう呼ばれる度に咲絺はとても嫌がった。何せ、それは猫のように可愛いからではなく、咲絺をからかう為だけに使われる呼び名だったからだ。
「やーい!ねこー!」
「わたし、ねこじゃないもんっ!まちなさーいっ!」
「だれがまつかよ!」
猫と呼ばれる度にイラついた咲絺はその怒りの矛先をどこへ向ければいいのか分からず、ひたすらに猫と呼んだ人を追いかけ回すことで発散しようとしていた。
...まあ、こういったからかいというのは、相手の反応を見て楽しんでいることが多いのだから、この反応が逆効果であったということは言うまでもない。しかし、それを咲絺が察したのはもう少し成長した後のことであった。後悔先に立たずとは正にこの事である。
そんなただ遊ぶという日々も過ぎ去り、中学受験によりそれなりにいい中学校に入れてしまった咲絺は...少し、後悔をしていた。なんてことはない。ただ、知り合いが一人もいないという環境にしり込みしているというだけの事である。つまり、咲絺は人見知りをしていたのだ。
しかし、中学生という不安定なその年頃での人見知りは咲絺にとっては致命的であった。同じ中学校の同級生たちとは自分から壁を作ったせいで友達ができず、心のどこかで縋っていた小学生の頃の親友とは徐々に溝が深まっていったのだから。
小学生の頃の親友となくせないほどの溝が出来てしまったのは中学一年生の春。友達が出来ずともクラスメイトと少し話せる程度にはなり、新しい学校生活に少し慣れてきた頃だった。久しぶりに親友から遊ばないかという連絡が来た咲絺は大喜びで出かけた。...その先に待ち受けるものを知らず。
待ち合わせ場所の公園で見たのは親友と...親友と仲良く遊ぶ見知らぬ少女たちだった。それは当時の咲絺からすると酷い裏切りであった。咲絺は知らない人と遊ぶ親友に疎外感を感じたのだ。
まるで、もう咲絺と遊ばなくとも他に遊べる人は居るのだと言葉にせずとも言われたようで。...自身は、慣れない環境に未だに打ち解けられていないというのに。
その日から、咲絺は親友を親友と呼ばなくなった。『小学生の頃に仲が良かった友達』と、そう呼ぶようになったのだ。
無邪気だったとしか言えないその頃を大人になった咲絺は黒歴史と呼んで思い出そうともしない。しかし、そうして小学生の頃の友人に縋ることも出来なくなった咲絺は次第にこう思うようになった。『友人などというものはまやかしでしかなく、いつか切れる縁でしかないのだ』と。また、こうも思った。『私には魅力なんてないんだ』と。
その結果、中学、高校時代で友人と呼べる間柄の人を友人と呼ばず、ただ話せる程度の知り合いと心の中で割り切って呼ぶようになったのは思い切りが良すぎると言うべきか、純粋だったと言うべきか...とはいえ、これらは若気の至りとしか言いようのない思い込みでしかなく、単純にその親友とはその程度の仲でしかなかった。それだけの事だったのだが。
その事に思い至ったのは大学生になっていろいろと視野の広くなってからであった。その頃にはもうそれらのことはどうでも良く、ひたすらにお金稼ぎをしていたためそう言えばあの頃は若かったなぁと思うだけだった。
閑話休題
親友が親友でなくなり、誰かとは仲良くしなければ大人から心配される。その状況に嫌気がさしていた咲絺は気づけば、あれ程嫌がっていた呼び名の元となった猫のような生き方を羨ましく思っていた。人とのしがらみなど気にすることなく自由気ままに生きる猫。なんて羨ましいんだろう、と。
また、ある意味では縋っていたとも言えるだろう。猫を見ることで猫と呼ばれていた、人を簡単に友達だと呼べた頃を思い出し、『猫らしく生きさえすればその生き方は肯定される。何せ、私は猫なのだから。』という言い訳にもならない思いを抱けたのだから。
どちらにせよ、その頃からだろう。猫のイラストが描かれたものを好んで使うようになり、猫を街で見かければ、近づくことさえなかったが目で追うようになった。
つまり、咲絺が猫をアバターに選ぶ程に無意識に猫好きになった理由は、間接的には小学生の頃につけられたあだ名のせいであると言えるだろう。
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以上、回想でした!
咲絺「...これ、私の回想じゃなくて第三者目線の私のかk」
いやぁ。理由が小学生の頃が原因とは...咲絺は思いの外、引きずるタイプなんですねぇ?
咲絺「うっさいわよ。作者。」
恐らく、文章だと分かりにくかったと思うので分かりやすく説明すると、こんな感じです。
小学生の頃 からかって猫というあだ名をつけられる。
↓
中学生の春 友達という言葉を信用出来なくなる。
↓
中高 周囲から浮いた咲絺は馴染めない自分は猫であれば許されただろうにと猫と自身を同一視しはじめる。
↓
以降 潜在的な猫好きとなる。
咲絺「ちょっと。潜在的な猫好きって何かしら?」
いや、猫のイラストが描かれたものを持っていて、猫を見かけたら目で追いかけるとか猫好きでしかないでしょう。
咲絺「そんな事を言ったら、大抵の人が猫好きになるわよ!?」
あ。バレましたか。残念。
咲絺「残念じゃないわっ!バカ作者!」
それよりも、なんですけど。
咲絺「...何かしら?改まって。」
ちょっと説明不足なことを聞いてもいいですかね?
咲絺「別に良いけど...変な事を聞かないわよね?」
わぁ!ありがとうございます!大丈夫ですって。変なことはききませんよ。
では早速なんですけど、悲鳴がなんで『にゃ』になるんですか?
咲絺「いきなりそこ?」
いや、だって意識してるとしか思いようがないじゃないですか。
咲絺「ぐぬぬ...。まあ、当時、私の滑舌は少し悪かったのよ。兄弟の中ではマシな方だったからからかわれる事はなかったけれどね。その結果、うっかりにゃっと言ってしまったわけ。」
からかわれる...あぁ。なるほど。いわゆる、た行が言えないとか、さ行が言えないとかそういうやつですね。
咲絺「そうそう。そういうの。そんな事、些細なことでしかないのにねぇ?」
子どもなんですから仕方がありませんよ。...まあ、どうせ加害者側は覚えていないもんですしねぇ。
咲絺「そうね。それで?まだあるのかしら?」
脱線しちゃいましたね。ではでは、続きまして問二!...喧嘩で爪を立てるって何やってんです?
咲絺「うっ...それを言われると心苦しいのだけど。
ほら、私はか弱い女子だったものだから、力ではかなわなかったんだもの。もうそうなったら、何かしら武器になるもので立ち向かうしかないじゃない?」
わぁ。咲絺は思いの外、やんちゃな子だったんですねぇ。
咲絺「やんちゃと言えばやんちゃだったけれど...どちらかと言えば、周りにやんちゃ坊主ばかり居たせいね。親友だった子は男勝りな子で女の子と遊ぶタイプではなかったもの。」
またまたぁ。親友のせいにしているだけでは?
咲絺「絡みがウザイわよ。」
それはスミマセン。
咲絺「まあ、そう思われても仕方がないけれど...本当にそれを抜きにさえしたら大人しい子どもだったと思うわ。
小学4、5年生あたりになると、休み時間は基本的に絵を描いて遊んでいる子が描く絵を隣で覗き込んで暇つぶしをしていたもの。」
あ。そうなんですね。暇つぶし...。
咲絺「だって、見ているだけで楽しかったんだもの。」
寂しい子だったんですね。
咲絺「自覚があるからそう言うのはやめてもらえないかしら!?」
あ。そうそう。もう一つ聞きたいことがあったんでした。
咲絺「はぁ...。もうここまで来たらとくに何もないと思うけれど...良いわよ。好きに言いなさいな。」
...その後、親友とはどうなったんですか?
咲絺「あぁ。そんな事。急によそよそしくなった私に対して親友は特に何も言うことはなかったわね。でも、それ以来会う回数は減っていったわ。」
ふむふむ。それで?
咲絺「一年もしないうちに音沙汰さえなくなったわよ。それを少し寂しいとは思わなくはなかったけれど...。」
けれど?
咲絺「...それで、良かったと今は思っているわ。そもそも、根本的に合わなかったのよねぇ。彼女と私って。近所に住む同い年の女の子がその子しかいなかったから仲良くなったけれど、他に遊ぶ子がいればまた違ったんじゃないかしら。」
なるほどー。だから、その程度の縁だったと今は整理がついているわけですね。
咲絺「そういうことよ。納得は出来たかしら?」
まあ、ある程度は。
というわけで、咲絺が猫好きになった理由でした。
咲絺「脱線した気もしなくはないけれど...まあ、こんな所よ。また、何か質問があれば答えるわ。」
今回の話で気になったことがある方は感想で質問してください。返事を書きますので。
次の番外編は咲絺の高校時代のお話となっております。...とくに面白いことはないと思いますが、書いてみますので興味がありましたら覗いて見てください。...いつ投稿出来るか分からないですけどね!
それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。