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黒猫は猫党の本拠地を見つけたようです

こんにちこんばんは。

安定しない日々に面倒くさくなってきた仁科紫です。


それでは、良き暇つぶしを。

 さて、ステータスの確認も終えたことだし、この街をフラフラーっと観光しようかしら。


 でも、こうして見るとこの辺りはお店ばかりね。

 レストランとかもあるけれど、武器屋、防具屋とかのファンタジー世界によくあるお店がやっぱり目につくわね。

 それから、前に跳ぶ時の台にさせてもらった果物屋さんとか、お肉屋さんもあるわね。…今は夜だから、そういったお店は閉まっているところが多いけれど。


 でも、そういった材料が売ってあるのなら、料理を自分でしようと思えば出来るんでしょうね。

 …私は猫だからしないけど。

 あら?そういえば、この世界ではやろうと思えば大抵のことは出来るはずなのよね。何せスクショが撮れるんだし、料理道具くらいは持てるわよね。


 …それなら、剣も持てる?いえ、私には爪があるもの。要らないわね。むしろ走るのに邪魔なくらいね。バランスも悪くなりそうだし。

 咥えるくらいなら出来そうだけど、それをするなら爪でスパッといった方が早いもの。

 それに、咥えてる顎も疲れそうだし。…誰かはやってそうだけれどね。だがしかし!私はやらん!というか、そんな器用なことは出来ないわ!



 さて、街中を観光しようとは言ったものの。何をしようかしら?

 街を歩き回るのは猫っぽいのだけれど…。買い物をするのは猫らしくないのよね。

 あ、魚屋さんに関しては別よ?猫は魚が好きだってよく言うじゃない。そもそも、アクセサリーとか興味ないから要らないし…。


 そうこう考えていたら、街の端の方まで来たわね。端から端まで歩いて40分?ってところかしら。

 今まで歩いていたのは大通りなのよね。この街は北から南、西から東に向けて大通りが通っていて、細い路地とかもあるのよね。

 もしかしたら、路地にもお店があるかもしれないわね。怪しい雰囲気のお店とか、隠れた名店だとか…。見つからなくても楽しそうだし、行ってみましょうか!

 ・

 ・

 ・


 そして、探検気分で歩き回っていたら、端っこの本当に人が来なさそうなところに、1軒のお店を見つけた。


 あ、他にもいろいろとお店はあったのよ?

 南東の方の路地裏には、魔女みたいなおばあさんがお鍋をぐるぐるとかき混ぜていた、怪しい薬屋があったし。

 北東の方には偏屈そうなお爺さんが居眠りしながら店番をしていた、古書店とかがあったわ。

 でもね?考えても見て欲しいのよ。猫が入るようなお店かしら?って。それに、普通の人でも、凄く入りにくいと思うのよ。

 だって、ひっひっひって笑うのよ?流石に入れないわ。


 それで、今回、私が見つけたお店はこちら!


 ーーーーーーーーーー


 猫屋 キャパティ


 猫様の憩いの場やおやつを提供します。


 店長 猫まっしぐら


 ーーーーーーーーーー


 これは…。また、猫党の…。

 いや、だって、ね?キャパティの名前がね…。


 猫党

 ↓

 cat party

 ↓

 キャット パーティ

 ↓

 キャトパティ

 ↓

 キャパティ


 ね?ぽいでしょう?

 まあ、たまたまかもしれないけれど。

 それに、店長の名前が…。うん。これはつっこまないでおきましょう。薮蛇にしかならないわ。


 んー。入ろうかしら?でも、嫌な予感しかしないのも確かなのよ。

 だって、なかなかに猫に対しての愛情が重そうだし、それ以上に、あの猫党よ?猫への愛情からゲームのことにまで干渉しまくったっていう、あの、()()なのよ?

 なんだか愛が歪んでそうな気しかしないじゃない。


 だから、入りたくはないのだけど…。でも、気になるのも確かなのよね…。

 よし、ここは入ってしまいましょう!

 悩むくらいならやって後悔、よ!



 お邪魔しまーす!

 ドアに取り付けられた猫用の扉を押し開けて入ると…。

 中には私以外にも猫がいるようね。…プレイヤーかどうかは分からないけれど。

 それにしても、結構いるわね。

 …15匹くらいかしら?というか、数え方は匹でいいのかしら?

 一応、ワンダーワールドでは人と同じような扱いになるはずだけれど。…案外、そうでもないのかしら?

 んー。でも、リアルと数え方が変わるのも面倒ね。特に指定もなさそうだし、心の中で思う分には問題ないわね。


 それはさておき、店内には、キャットタワーや猫じゃらし、ブラシといった猫のためのものが可愛らしくも整然と並べられているわね。

 なんだか猫カフェのようだわ。…行ったことはないけれど。

 え?行ったことはないのに、なぜ、猫カフェのようだなんて言えるのかって?そりゃあ、もちろん、行ったことはないけれど、広告とかでは見たことがあるからよ。…そんな暇なんて、なかったし。


 あ、店の一角には8匹くらいの猫たちが集まっているわね。

 どうやら、お店の人からクッキーのようなものが貰っているみたいね。あの人が店長かしら?


 ブラウンのふわっとした髪が、肩くらいで揃えられているのがオシャレね。それに、綺麗な緑色の目をした女性だわ。あと、メガネもかけているわね。


 すっごく、どうでもいいことなのだけど。なんでメガネをかけたら、あんなに知的に見えるのかしらね?

 だって、見た目的には穏やかそうな人に見えるんだもの。中身は知らないけれど、初見でいい印象を与えられるメガネは案外、凄いアイテムなのかもしれないわ。


 ん?見逃していたようだけど、耳が尖ってるわ。ということは、あの人は人ではなくエルフね。遠目では見ていたけれど、近くで見るのは始めてだわ。

 さあて、どんな人なのかしら?


 そんなことを考えながら、店内の様子を眺めていたのだけど…。

 あ。今、猫に囲まれているお店の人がこちらを見たわね。って、べ、別に見なくていいのよ?

 ちょっと様子を見に入ってみただけだもの。

 ええ、ええ!だから、そんなキラキラとした目で見ないで下さいな!


「あらあら。新しい子かしら?

 その黒い毛並みも、スラッとした筋肉も、オッドアイのキラキラした瞳も、全て素敵ね!」


 そ、そこまで褒められると、なんだか悪い気がしないでもないわね。

 でも、撫でさせてやる気はないわよ。もうそれには懲りたもの。猫好きには安易に身を委ねるべからずってね。

 とりあえず、ここの説明をして欲しいのだけど…。首を傾げて見ようかしら?


「にゃあ?」

「何その仕草!かわゆすぎる!!はっ。ダメよ!私。あの猫はプレイヤーよ。自分の欲望のままに行くのは…ぶつぶつ」


 うん。常識はあるみたいだけど、これはダメだわ。戻って来なさそうね。

 よし、今回は諦めてもう出ましょうか。…もう来ない可能性もあるけど。また今度、暇になったら来ましょう。覚えていたら、だけれどね。


「あ、まって黒猫さん。せめてもう少しながm…」


 パッタン

 うん?最後何か呼ばれてた気もするけど、気のせいね。だって、黒猫は私以外にもいたもの。

 それに、私が去ると決めたのだから去るのよ。恨むのなら、自分の世界に入っていた自分を恨むことね。


 さあ、次はどこへ行こうかしら。


 ・

 ・

 ・


 そうしてほとんどの通りをあっちに行ったりこっちに行ったり、彷徨(うろつ)いていたのだけど…。見かける人数が減ったかしら?大通りの人影が明らかに減っているのよね。


 あ、そういえば、今って大体夜の11時ね。時計塔の短針が11時をさしているもの。

 でも、それだけだとおかしいわね…。人影は昼間の4分の1ってところだもの。11時なら寝る人達も居るだろうけど、それならもう少し人が居てもいいのではないかしら?


 んん?単純に、もう次の街に進んだ人が居るってだけの話なのではないかしら?

 …そりゃそうよね。サービス開始から10時間過ぎているんだもの。それに、大抵の人は我先にと進んで1番になりたがるものね。

 あ、でも、それだけじゃないかもしれないわ。

 明日は日曜日だし、今日ログイン出来なかった人も、明日から参加し始めるわよね。


 んー?こうして考えてると、街中を歩き回るのもいいけれど、次の街に向かった方がいいかもしれないわね。

 どの門から何処へ行けるかは知らないけれど、何処についても混雑は避けられるはず。


 よし、そういうことなら、こうしてはいられないわ!

 とりあえず、東に行こうかしら!



次回、チェシャ、大暴走。相手は逃げる!?


それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 猫は魚が好きなイメージがあるのは日本が島国で肉よりも魚の方が入手しやすく猫に与えやすいから 海外だとお肉が好きなイメージの方が多かったりする
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