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黒井咲絺の高校時代その2

新年あけましておめでとうございます。

ラヴァに新年を祝ってもらうつもりがまったく間に合わず、明日くらいにしか投稿できなさそうなので投稿しづらかったこちらを先に投稿することにした仁科紫です。

今年もちょこちょこ狂い猫の投稿をすることもあるかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


それでは、良き暇つぶしを。

 入学式から少し経ち、今日は放課後に委員会があるという事で私は少しそわそわしていた。

 たかが委員会だろって?いやいや、だってね?考えてみてほしいんだけど、うっかり見間違えて指定とは違う集合場所になんて行った日には遅刻確定だよ?その時はパニックになって半泣きになること間違いなし!なんだからね!?(謎の自信)

 更には...まあ、これは自業自得なんだけど、当番は出来るだけ昼休みにして貰わないと。部活があるからねぇ。こればっかりは仕方がない。


「どうしたの?」

「ん?なんでもない。ちょっとボーッとしてた。」


 何それっと言って笑う熊田ちゃんは相変わらず何故か私みたいな子と組んでくれるいい子なのです。

 はい。現在、体育の授業中でございます。個人的には一番好きな授業ではあるんだけど、ペア組んでとかは本っ当に苦手。ボッチにどーしろと?いや、まあね?皆優しいから私なんかとも組んでくれるけど、それがなかったら私なんて本当に1人ボッチだよ。全く。


「はい。じゃあ、今度はオーバーでラリーしてー!」


 因みに、今は体力測定後のバレーボール練習中だったりするよ。なんでペアを作る必要が?と思わなくもないんだけど、残念なことに練習はまず基本から始まるのです。諦めて周りを見ていたら優しい熊田ちゃんが組んでくれたんだ。ホント、いい子だねぇ。

 それにしても、アンダーはいいとしてオーバーとかどうしろと?私、不器用だから全然できないんですが!?...あー。でも、隣のバレー部の子、凄いなぁ。どんな所にボールが飛んできても魔法みたいにポンポンっと上にあげてる...。コツを掴めばすぐなのかなぁ?

 そう考えながらも、目線はボールを追っていて手で弾くのに丁度よさげなタイミングで腕を突き出し、ボールを弾く。ポンっという音がならず、代わりにベチっという鈍い音がなった。低く飛んだボールは熊田ちゃんに触れられることもなく体育館の隅っこに向かって転がって行...やーらーかーしーたーっ!


「ご、ごめんっ!」

「いいよいいよー。取ってくるね!」


 そう快く返事をしてボールを取りに行ってくれる。...本当に、申し訳ないです。というか、この時間が苦手なんだよね。いたたまれないと言うか...私は何もしていないのに相手が何かをしていたらどうしてこんなにも気まずいのかなぁ...。やっぱり、私が取りに行きたいデス...。今度から全力で取りに行こ...。


 その後、ボールが何処かへ飛んでいく度に全力疾走する咲絺の姿があったとか。


「待ぁってぇええええっ!!」


 ・

 ・

 ・


 体育も終わり、昼休みも過ぎ去ってついに来ました。放課後!


「これから図書委員会の話し合いを始めます。」


 そうして始まったのは図書委員会の説明と当番の決定だった。周りを見ると図書館を利用するときに見た事のある生徒が多数を占めていた。相変わらずリピーター率の高い委員会だね。そう思いながら、顔見知りの人をぼんやりと見てみる。

 実は、私は中学2年生のときに一度図書委員になったことがある。そんなにシステムは変わっていないようだったため、当番を決める時間になるまでボーっとすることにした。


「委員長と副委員長、書記が決まりました。半年間よろしくお願いします。」


 ぼんやりとし過ぎたのか、いつの間にか委員長などの役員が決まっていた。やはり、図書委員会のリピーターばかりの面子を見て、あそこに入れるのはきっともっと図書館に入り浸っている人ばかりなんだろうなぁ...なんて考えてしまった。ちょっぴりいいな、と思わなくもない。自分の居場所があるって良いよね。まあ、私には部活があるのだけど。でも、あそこはそういう雰囲気じゃないしなぁ。


 んー?何?部活を辞めて委員会に専念すればって?私もそう思う。向いてないしね。

 でも、なんかね。辞めたくないんだよね。私の今の繋がりって全部部活のおかげであるようなものなんだ。熊田ちゃんも元はバドミントン部なんだよ?今は辞めちゃったけど...なんか、そういう辞めていく人を見ていたら寂しくなっちゃってね。やだな、辞めたくないなって。

 まあ、つまりは自分の自業自得なのさ。だから、後悔なんてしてはいないのだけど。


 おっと、そろそろ当番を決めるみたい。ぼんやりタイムは終了だね。


「では、当番を決めたいと思います。

 昼休みを希望する方は手を挙げてください。その中で話し合ってもらって曜日を決めて貰います。」


 そう言われて、サッと手を上げる。私の他にも上がる手を数えつつ想定内の人数だったらしい委員長はそう言った。

 安堵しながら曜日を決め、その場で解散となった私はそのまま部活が行われている体育館へと向かった。


 ・

 ・

 ・


「ファイトー!」

「ファイト!」


 ファイトーという声が響く体育館の中へと入り、荷物の置かれている端へと裸足で走っていく。

 私はこの瞬間がちょっと嫌いだったりする。いや、ほら。なんか遅れて入ったら気まずいでしょ?今はもう皆走り終えた後だったらしく、ラリーに入っていた。


 端の方で練習をしている子達にお疲れ様と声をかけつつ私は部室の鍵を取り、部室へと走った。


「...急がなきゃ。」


 他にも委員会に入ることになった子達が続々と部室へとやってくる。中学の子とも一緒にやっているから、後輩の子が時折すれ違う。


「あ。先輩、お疲れ様です!」

「お疲れー。」


 私はこういった人との付き合いが苦手だったりする。じゃあ、なんで私が運動部に入ることになったのか。簡単なことだよ?

 んー。でも、ちょっと言いづらい。...笑わないでね?本当に笑わないでね?...お母さんに言われたから。太るよって!うぅ。いや、まあ、なんとなーく察してはいるんだよ?母親の遺伝が強ければ確実に太るってことくらい!

 だから、仕方がなく、仕方がなーく少しは興味のある部活に入ったんだけど...まさか、こんなにキツいとは思わなくてねぇ。辞めないって決めちゃったから続けているけど、辞められるものなら辞めたいなぁ。そして、美術部にでも入りたい。本当に。


 ささっと着替えて準備体操をして、体育館の上を走る。...いつもはだいたい10分なんだけど...甘えたい。5分にしたい...うぅ。いや、10分にしよう。うん。もう遅れてるんだし、一緒だよね。


「あ。先輩。」


 そう自分を説得し、走り出そうとした時。声をかけられた。その子は二つ下の子で、足の速い子だった。

 ...う。この子と、走るのはキツいんだけど...。いや、だってね?私にだって先輩としてのプライドがある訳なんだよ。つまり、負けるのは仕方がないとして、ある程度は本気で走らないといけない。...辛いぃぃぃぃっ!(尚、サボるつもりだったなとかは言ってはいけない。自分の体力を考えて走るつもりだっただけなんだよ。私は!)


「何かな?」

「えっと、アップはどうしますか?」


 うん。だよね。それ、私が指示しないといけないよね。...嫌だなぁと思いつつも、だいたいいつも通りのアップのメニューを伝えて走り出す。これで正しいのかなんて考えずに頭の中でBGMとして好きな曲をフルで流す。こういうのは無心で走った方が良いんだよねぇ。辛くなっちゃうから。それに、大体の時間の目安になるし。一曲は3~4分だから、三曲くらい流していれば終わりってわけ。まあ...後ろから迫ってくる足音に恐怖しながらだけどね。いや、ホラゲーじゃないよ?うん。足の速い後輩ちゃんがタッタと私を追い抜きに来ているだけだから。...はぁ。やーだーなー!これだから嫌なんだよね!同じところグルグル走るのって!

 後ろから近づいてきた足音はそのまま私をサッと避けて私の前へと出た。...うん。嫌です。凄く。すーっごく嫌です。

 私にも先輩のプライドってものが...まあ、あるんだけど、仕方がないよね。でも、ちょっとムカついたのでスピードを少し上げます。後でしんどい?いえいえ。後のことは後で考えるのです。


 これで抜かれるの3回目か...と、内心でため息をつきながら後輩ちゃんの後ろ姿を眺める。うん。速いね。そして、フォームも綺麗だ。

 私もあんなふうに走れたらなぁと思わなくもないけど、こればっかりはなかなか叶わないお話。元々の素質もあるけど、やっぱりそれだけ練習の身の入れ方も違う。私は...彼女みたいには頑張れないから。

 それに、後輩ちゃんはいい子だからね。慕ってくれてるのが分かってるから無下にできないし。...そろそろ息がしんどいな。やっぱり無理するもんじゃないや。

 そして、そろそろ10分が経とうとしていた。もうちょっとで終わり...だけど、キツぃー足止めたいー。

 終わりたい気持ちを堪えながらキリのいいところまで走り、そこからゆっくりと歩く。急に止まるともっとしんどいから、これはいつものルーティンだった。


 そして、呼吸が整ったところでアップに戻る。この頃には何グループかに別れて練習をしているから、私は空いている場所を見つけてそこで軽くフットワークをする。本当はもう少しダッシュとかした方がいいんだけど、今回は時短だ。

 納得のいくところまでして、丁度同じタイミングに終わった後輩ちゃんとラリー、要は決まった打ち方の練習をする。近くで打ち合ったり、遠くに飛ばしあったり。そんな事なんだけど...問題は、それが終わったらアドバイスをあげないといけないこと、なんだよねぇ...。

 この後輩ちゃん、本当に学ぶことに貪欲だからアドバイスを欲しがるんだけど、ぶっちゃけ私からするとそろそろ技術面で私が言えることってほとんどなくなりそうなんだよね。私は自分の体の使い方が上手くないって知ってるし。どこをどうしたら良いかなんてちっとも分からない。

 だから、せいぜいがフォームの修正とか、狙う場所とか...まあ、それぐらいしかないわけで。

 ごめんね。これくらいしか言えなくてなんて言いながら教えてあげることしかできないんだ。それなのに、この後輩ちゃんだけでなく、他の後輩たちも律儀にアドバイスを聞きに来てくれるんだから、皆マメだよね。多分、他の人にも聞くようにしているからその習慣で聞きに来てくれているだけなんだとは思うんだけど。

 ...強くなりたい、かぁ。どうやったらそんなふうに思えるんだろうね?分からないや。


 その後も淡々といつもの部活が続いて行った。強いて言えば、高校生になったから練習時間が一時間伸びたことがいつもとは違っただろうか。

 帰る時間もそれに比例して伸びたしね。


 ...はぁ。やっぱり、人付き合いって面倒だなぁ。猫にでもなってしまいたいや。

次回...(好評でしたらまた書きます。)

出来れば何かお題を頂けると書きやすいので、知りたい!気になる!等があれば一言ください。

お願いしますm(_ _)m


それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。

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