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第三十一話:アヤカシと炉華

今回は前書き書かずに出してみたいと思います。

ではどうぞ!

炉華はとっさにアヤカシを投げ自分も必死に避ける。


「あわわわー」


アヤカシは綺麗な弧をえがきながら俺と反対方向に飛んでいく。

俺はそのまま烈火と戦い激しい剣の激戦が始まる。

一瞬のすきを突き烈火を蹴り飛ばす。


「うっ。」


烈火は直線状に飛んでいき地面を抉るようにして着地する。

さっき妖天人のことどうでもいいといったが何か引っかかるな・・・。なんだっけ何か大切というかなんというか。

そもそもこいつは本当に妖天人なのか?


妖天人っていうのは確か、天使と妖魔を融合さしてできた新種だ。

しかしその融合実験の結果は99.998%の確率で失敗という結果になった。

要するにその実験は失敗したのだ。

しかもその実験には大量の天使と妖魔たちが使われた。

そのころから天使族と妖魔族は仲が悪く、日々小さな争いが起こるといった感じだった。

妖魔を捕まえることは大変難しい、敵兵を無傷で捕まえるのは至難の技だ。ほとんどが捕まった場合自害といった手段にでる。

そのこともあってか融合実験は三年というとても短い期間で打ち切りという結果になった。

がその実験には天使二万人、妖魔一万人という命が無条件で奪われたという。

しかし噂ではその0.002%の可能性で生まれた命があると聞いたことがある。

まぁその情報源は、裏で入手したものだからな信頼性は薄いが・・。

しかしその生まれた命というものも未完成と言われている。

死体(失敗作)の山からたった一つだけ、奇跡的に誕生したらしい。しかしその誕生に政府は未完成なのでという理由で捨てたらしい。

もしその0.002%の命の話が本当で、自称妖天人のこいつが本物だったら。

まぁ妖天人が能力を使えるのかとかむしろ妖天人は何が目的で作られたのかまではさすがの聖騎士団でも突き止められなかったが・・・。


まあ戦いの邪魔になるのは変わらないか。

アヤカシを投げた方向に瞬間移動で移動する。


「いたいた。」


草がクッションになっていたのだろうアヤカシはわりと普通にしていた。そして炉華を見つけるなり飛びついてくる。


「おいおい、さっき投げ飛ばされた奴に抱きつくってお前どんな神経してるの?」


「ろかのほうが好き。」


「こんなところで告白されてもムードがでねーよ。」


そういいつつもアヤカシは背中に抱きついたままだ。

さてさてどうしたものか。

本気で戦うと魔力吸い取られてしまうし。しかもこいつを守りながらって・・・めんど。


「ろか後ろ。」


「?」


アヤカシが言った方向をむくと、烈火が超スピードでこっちに向かって来ていた。


「うお!?」


ガガガガと地面を削りながら下っていく炉華。

あいつの声が無かったら多分気づくのが遅れて大変なことになってただろうな。

さてさて敵さんはもう完全に本気で戦ってきているし、しょうがないな俺もあれ使うか。


背中にいるアヤカシを空いている左手で抱える。


「目をつむってろ、いいって言うまで目を開けるな。」


アヤカシは返事の変わりに大きくうなずく。


「その幼女が出てきてから急に弱くなったな。どうしたよ?」


笑いながら俺達の周りをぐるぐる回っている。

こいつは何者なんだ。

普通殺し屋ってのは冷静に物事を判断しいつも大人しいのではないだろうか。

暗殺者とも言えるしね。

まぁ敵の素性を知ったことではないけどな。


「あ〜つまんね。なんかお前も強くないし、この戦いは終わりだ。」


烈火は空に飛びあがり上空からデルの雨を降らす。

俺はアヤカシにデルが当たらないように避ける。


「おらおらおら!」


我武者羅に力の限りで巨大なデル、高速なデルといろいろ出していく。


「何やってんのお前。」


「な!?」


さっきまで下にいた奴が急に後ろにいる。


「隠密歩術 霊歩」


「隠密?」


「体の周りを霊粒子に包み一切の光・音・魔力・波動を外部に出さない究極の歩術。」


そのためには霊粒子を操り自分の周りを覆い尽くさないといけない。

「全く気付かなかった。」


「だろうな」


「しかたないかもう強制的にお前の魔力を引きずり出す!」


「は?」


手の指先どうしを合わせる。


「絶対吸収領域」


その言葉と同時に奴が地中に打ち込んだ七つの巨大な鉄柱はそれぞれ七色に光りだす。

すると俺の体から大量の魔力が抜け出していった。


「くそ魔力の生成が間に合わん。」


「ろか大丈夫?」


「あぁ?目閉じてろっていったろ。」


「目閉じてるけど、ろかピンチ?」


「あぁ誰かさんのせいでな。」


「ごめん・・・。」


「あぁ気にすんな、絶対に守ってやるよ。だから目は絶対に開けるな」


しかし俺の魔力完全になくなったらどうやって魔力復活させるんだろうな。

まぁいいか。

残りの魔力を全力で使えば・・・行けるか。


「来い炉華!俺とお前どっちが強いか勝負だ!」



「いいだろう烈火!ぶっ殺してやるぜ!」


あああぁぁぁぁぁああぁぁ

二人の掛け声とともに残りの巨大な魔力どうしがぶつかり合う。

二つの魔力はぶつかり合うと一気に膨張し大爆発をした。

そこに立ってたのは二人ともだった。


「な・・本当になくなるとは・・やられちまった。」


「馬鹿だろ炉華。あそこで全魔力で俺にぶつかるとは全部吸収されたらどうしようとか思わなかったのか?」


あらら。本当に俺の中にある魔力は底を尽きてしまった。これじゃあどっかの一般の天使と変わらない状態だな。

こんなのでどう戦うって?もう空すらも飛べずデルすらも撃てない俺が。

まぁ無理だな普通。

てか無理。魔力っていうのはダメージ軽減や攻撃力上昇などに使われる。

その魔力が無くなった今、俺は攻撃力も防御力もただの生身の一般人達と同じだ。


「強制的に貴様の魔力の魔力を奪った。」


「初めっからこうしてたらよかったんじゃねーの?」


「この状況になってもまだそんな口がきけるのか。」


「結構ヤバいかもな。」


「死ぬ準備はできてるようだな。」


「知ったこっちゃないな、ただ命尽きるまで全力で戦うだけだ。」


そういうと俺は抱えていたアヤカシを地面に下ろした。


「目を開けろ。」


「ほい!」


「いいか、あっち側に思いっきり走れ。」


そう言って指を差したのは俺達と反対の方向だ。


「うん」


アヤカシはピースをして、スタタタタと走っていった。

それが何を意味してるのかアヤカシには分かるのだろうか、俺はある程度走っていったアヤカシを見ると烈火と目を合わせた。


「いいのか?妖天人を手放して、俺が今瞬間移動で奴の前に言ってぶっ殺すこともできるんだぞ。」


「お前はそんな奴じゃねーよ。目の前の奴をぶっ潰してから進む奴だろ。」


さて何回切り直したところだろうか、一般人が魔族に勝てるわけがない。

それは実験で完全に証明されている。

そもそも魔力を失った俺は聖騎士団団員としていていいのだろうか。

まぁいいか俺がそんなに気にすることないし。


「さてさて一気に終わらすか、圧倒的な力の差があるんだが手は抜かねーよ。」


烈火は地面をけり俺に向かって走ってくる、いやむしろ飛んでくる。

俺は反射的に剣で守ったがもちろん生身にはきつすぎるな、簡単に吹っ飛ぶ。

ごろごろと地面を転がる俺。

全身アザだらけで擦り傷は当たり前だ。


「いててて・・・これは半端ないな。」


その後も何回も吹っ飛ばされ全身ボロボロな状態だ。


「しぶとい奴だな。とっとと死ね。」


「はぁはぁ・・へっへっへ貴様弱いな。」


「なぜだ?この状況を見れば誰でも貴様が押されてると思うだろ。」


「確かにだが生身の天使相手にこんなに時間費やしてるんじゃ弱いって言ってるんだよ。」


「ほう・・・本当に殺されたいようだな、ならば死ね。」


一瞬にして俺の前に現れ心臓を一突き。


「ぐはぁ。」


そのまま引き抜く。栓をされていな水の入った瓶と同じように血が溢れ出ていく。


「さっさと殺すのはツマラナイと思ったんだが、どうやら本当だったようだな。」


あーあつまんないのはこっちの台詞だぜ。

そういえば天宮は大丈夫だろうか?あいつの事だまたどこかに隠れてると思うが。

あとアヤカシは逃げ切れただろうか。

他人の心配をする前に自分の心配をしろって?大丈夫大丈夫。


「・・・・なぜだ。」


自分の目を疑っている烈火。


「なぜ死なない。心臓を突き刺した、だったら死ぬんじゃないのか・・・。」


「やっぱりすげーな貴様は本当に俺の思った通りに動く。」


いつの間にか出血は止まっていた


「どういうことだ!?」


「契約の名のもとにこの力を開放する。その名も【|限界突破《げん

かいとっぱ》】」


体中からゆっくりだが何かが出てきた、その勢いは止まることを知らずどんどん増幅を続ける。

地面を揺るがす鼓動とおもに天にまで到達しても、なお増幅し続ける炉華の魔力。

その魔力は炉華のけがをも治癒させる。


「これがお・・お前の能力だって言うのか!?」


烈火を完全に超える超魔力量。


「まだだ!こんな魔力吸い尽くせば・・・・」


「無駄だ、お前が打ち込んだ七つの鉄柱を見てみろ。」


烈火が打ち込んだ七つの鉄柱にはひびが入り大きな亀裂と共に砕け散った。


「ま・・まさか・・お前のだす魔力に耐えきれなかっただと・・・。」


完全に焦りが表情に表れている烈火


「いや違う・・・お前の発しているのは魔力なんかじゃない・・・」


「正解。俺の発しているのは霊魔力(れいまりょく)霊子と魔力の混合した力。」


霊子は自由に操ることができる。ということは霊子に爆発かなんかの能力を持たせて、魔力ごと吸いこませ一気に爆発させたというのか。


「貴様の能力は・・・なんだ!?」


「正確には能力じゃねー。契約上の力が働いただけだ。」


「契約って・・まさか貴様・・・いやありえん」


「今貴様の思っているのが正解だ、俺こそは魔天使(まてんし)、悪魔と契約し天使。」

烈火は思い当たることがあるらしく


「聞いたことがある、遠い昔の話だがある村に一人の青年がいた。その少年はとある戦争で最愛の家族そして愛人を失った、その青年は自分の大事なものを奪った戦争を憎んだ。

正確には戦っている両軍を憎み恨んだ。ちょうどそこに全世界に五体しかいない悪魔が通りかかったという、悪魔はその青年から憎しみ・恨み・嫉み・怒り・悲しみを奪うかわりにある契約をした。

その契約というのが自分の決めたところを一突きされるとある状態なるというものらしい。

その状態とは爆発的な力の上昇、誰も超えることのできない霊魔力。その契約した奴がお前だとは。」


絶対に超えられない霊魔力か・・・俺が超えてやるぜ。


「貴様から奪った魔力と俺の魔力を合わせた・・・」


「何を言おうとしたのか知らないがお前の力じゃ無理なんだよ、最初に言っただろ?俺はお前

を超えてるから、貴様を超す必要はないって。」


魔天使という存在・・・烈火は見上げていたその巨大すぎる霊魔力に。


「こいよ。貴様の最後の散り際俺が見とどけてやる。」


「霊魔力なんて知ったことかー!!!俺が・・・この俺様が負けるわけねーんだよ」


声の限りをあげ自分の魔力を放出する烈火。


「いくぜ烈火!」


「ああ炉華!」


二人の力がぶつかり合う。

お互いがお互いを反発しあい、どんどん上に伸びていく。

天を裂くような二人の魔力。次第に炉華の魔力のほうが烈火の魔力を飲み込むように膨張していく。そして完全に包み込み縮小を始める。


「楽しかったぜ烈火。」


力に負け塵となった烈火に挨拶をするように一言。


「ろか!大丈夫?」


向こうから傷だらけのアヤカシが走ってきた。おそらく先の魔力どうしの爆風かなんかに巻き込まれたんだろう。


「お前のほうが大丈夫かよ。」


その言葉が途切れるより先に炉華は地面に倒れた。


「ろか!?」


慌てふためいているアヤカシ。


「う・・うう・気にすんなアヤカシ、これはちょっとしたタネがあってな・・・」


「種?」


「なんか違うけどまぁいいか。俺の使う未来永劫限界突破は確かに悪魔との契約により手に入れた力だ。しかしそれは俺の感情を売るだけではなくもう一つ大事なことを契約した。それは限界突破の使用時間分は、俺の残りの寿命から引かれるということだ。」


「よく分かんない・・・」


必死に考えてるのだろう、まぁこんな奴に理解させる方が難しいけどな。


「要は使えば早く死ぬってことだ。」


「ろか死んじゃうの?」


「まだ死なないが魔力を失った俺はこの技を頻繁に使わなければならないだろうな。」


「そことこなら任せて!」


胸に手を当てて偉そうに威張る。


「何かいい案でもあんのか?」


どうやら策はあるようだ


「妖天人の力を使えば簡単だよ!私の力は霊力・魔力を復活させる能力なんだ。」


へ〜いい能力持ってんだなこいつ、感心だ。


「今助けてあげるからね。待ってて。」


「あぁ分かったから、耳元で叫ぶな。」


分かったとあれに合図し、目を閉じ精神統一を始める。

ぶつぶつと何かを念じながら目を開く。

手を俺の胸に当てる、そのままゆっくり呪文を唱える。

手は光だし俺の体の中に入っていく。

そして手を引き抜く。


「終わったよ!どう?」


「あぁ、なんか使えるようだな。」


片手でデルを撃ってみると小さいながらも撃てた。

こいつやるな。たまには役に立ってくれるじゃねーか。


「うう〜精神を使う作業だから疲れたよー。」


そのまま俺の上に乗りあがるように倒れ込むアヤカシ。


「はいはいご苦労さん。寝てろ。さてと俺達は天宮のところでも行くかな・・・。」




天宮さんはどうなるんだろうね・・・・

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