第二十五話:誇るべきもの
今回は長いですよー
でも一番ほど長くはないですね。
三番目ぐらいかな?
自分では結構書いたと思います〜
では二十五話どうぞ!
俺は転送場に来た
ここに来るのは初めてだ。
「まだ誰も来てないのか。まぁ一時間も早く来たんだからな。」
辺りを見回しても人のいる気配はない。
立っておくのもしんどいので、座って待ってることにした。
数分後管理人さんが入ってきた。
俺は会釈をするとまたしばらく待っていることになった。
これが最後の安らぎになるのかもな、なんか悲しいな・・。
はぁっとため息をつくのと同時にくっペーが入ってきた。
「イエーイ俺一番・・じゃないな。」
くっペーのほうを向くとニカっと笑い手を振ってこっちに来る。
「潤、居たのか〜」
おう!っと片手を上げ合図をする。
「しかしくっペーお前がこんなに早く来るなんて珍しいな。」
当たり前だろ!と言ってくっペーはその場で足踏みをしだした。
「しかし興奮するな〜まさか俺にこんな日が来るとは。あ〜緊張する」
どうやら緊張を紛らわしているようだ。
なんというか、そうでもしないと自分も緊張して体が固まってしまうようだ。
「しかし何でおれの番号が一番なんだ?」
襟のところにローマ数字で一と書かれている。
「ん〜やっぱり一番指揮する力があるからじゃないか?俺なんて指揮したら大変なことになるのは知ってるだろ?」
そうだこれは結構前の話、俺達がまだ天界の存在を知らないころよく俺はくっペーの家に遊びに行った、そのときの自分の軍隊を指揮して敵を倒すというゲームがあって二人でやりまくった、だがくっペーは真っすぐの道をなぜか急に横にずれわざわざ通りにくいところを通って進軍してくるのだ。俺は普通に真っすぐくっペーの陣地を攻撃して終了というくっぺーの指揮のなさがあらわになったことがあったな。
「ところでこの剣ってペンダントに戻らないの?」
そう一回ペンダントを開放し実体化させた剣、なぜか一回実体化させたらもう戻らなくなってしまった。
「それは一回使ったらそれっきりだからだ」
俺達の後ろから声が聞こえた。
「わっ!!?」
そんな驚くことないだろと河陰は頭をかきながら答える。
「えーっとじゃあもう戻らないの?」
そうなる、と頷いた。
俺は刀が一つなので特に不便と思ったことはなかったけど、なにせくっペーは二本ある刀が常にカチャカチャと音が鳴りうるさい。
なのでくっぺーは腰の両方に一本ずつつけるというアレンジをした。
これをすることにしてカチャカチャという音は無くなり、しかも両方につけることにより重さのバランスが取れ機動性も上がってる。(本人いわくだが)
「どうした二人とも?なんかやる気が感じられないぞ。」
「だって何というか、気が進まないんだよな・・・もっとほかの方法があるんじゃないかって考えるんだけど・・。」
そういうと河陰はまた頭を掻きこんどはため息をつく。そして拳を握り
俺達を殴った。
「お前らなぁここまで来て迷ってんのか?何のためにここまで来た、やめたかったらやめれたんだぞ、しかしお前らはそこで自らやめなかったそれは自分の意思だ。その意思に背くっていうのか?どこまで子どもなんだよ。次そんなことを言ってみろコンマ一秒で処刑だ。」
一瞬で血の気が引いた。
俺達は、はいすいません。と謝ることしかできなかった。
なんだろうすごく気が引き締まった。
「遅れましたー」
そう言って元気良く入ってきたのは、穹だった。
「まぁ時間には早いがな。」
よかった〜っと息を切らしながら俺達の方向に歩いてくる。
それと同時ぐらいに紅亜が入ってきた。
羽織を肩にかけてその赤い髪をなびかせ歩いてくる
そういえば
「何で河陰お前がいるんだ?」
「ん?私も行くからだろ?」
「まじですか!?」
ビビるくっぺー。
なんだ不満か?
「滅相もございません」
くっペーが若干涙目でこっちを見てくる
「とりあえず支度は整ったか?」
整ったよ。とへんじをする。
「じゃあここに集まれ。」
そういって、しるした場所はここの場所の中心
「後これを持って行け」
渡されたのは通信機だ。前みたいに腕時計式ではなく耳につけてこれ通信機だと分かる感じの通信機となっている。
俺達は耳にそれをつけて使えるかどうかを確かめる。
「これはお前たち同士でも通信ができるし、私とで通信ができるようになっている。」
一通り確かめたら、紅亜にOKサインを出す。
「よし準備はいいようだな、最後だが極力拠点を叩けるよう努力をしてみる。」
わかったと河陰と話して、河陰も指定された場所に移動する。
すると
刀を鞘に収めたまま地面に突き刺す。
「・・・解放せよ・・・わが力修羅・・・」
そういうと俺達の地面に赤紫の光を発する魔法陣が発生した。
「時空転移」
その言葉を言うなり光が俺らを包み込んだ。
一瞬にして俺らは敵の本拠地のすぐそこまで来た。
「でけぇ〜」
潤とくっペーが声をそろえて言うのもそのはずだ。
その大きさは危機管理省なんて比にならないくらいの大きさだ。
高さもなかなか城というレベルでは表せないぐらいの高さを誇っている。
こんなのが襲ってきたら、もう元も子もないだろう。
「ふぅ〜。さてみんな聞いてくれ。」
さて行くかとなっている俺達を河陰が呼び止めた。
「これは私からのプレゼントだ。」
そういって俺達にハンドウォーマーみたいなものを渡した。
「なにこれ?」
俺は急なプレゼントに少し驚きを隠せなかった、くっぺーと穹は何に使うのかなと考えていた。
「それ?それは普通に通販で売ってたお守りをやつを編み込んだだけど?」
へ〜こいつ編み物できるんだ・・・。
「さて動くか。」
そういうと俺達はお守りをつけてとことこと歩きだす。
一方聖騎士団本部では自軍の配置に悩まされていた。
「第一位どうしたもんかねこの状況、数は負けてるはその上第二位と第三位が居ないとなると、結構きついんじゃありません?」
一応天使のみんな(戦えない天使達。一般の人など)には避難の措置をしている。
この天使の国には巨大かつ強力な結界が貼ってある。これは先代の聖騎士団第一〜十位が全力で作ったといわれている。
天使軍の防衛壁を前に止まっている、全魔族堕天使軍と妖魔族。
「この長年悩まされた結界を破る日が来るとはな。」
隊長総員術式体系に並び終えました。
よし!といって隊長は他の隊の隊長が集まっているところへ向かった。
「第三部隊整列完了です。」
了解したと言って一番奥に座る隊長さんが他に部隊の様子を確認する。
「にしてもヤス様は何を考えて御らっしゃるのだろうか?」
そういくら軍隊が勝っているからといってほぼ全軍を戦いに出すだろうか。
今魔族と堕天使の本拠地には二ケタも人がいないだろう。
「まぁ本拠地に残っている奴らは我ら隊長格が束になってやっと一人倒せるか倒せないかという高レベルな実力者たちだらけし。まぁ大丈夫だろ。今はこの結界を破壊するんだ。」
全部隊配置につきました!
ある隊員がそういうと、隊長さん達は腰を上げ外に出る。
「よし、念唱を開始しろ。」
どんどん伝達していき、各ブロックごとに念唱が始まる。
「報告します。敵は何やら念唱を開始しました。」
物見の人の報告に対し
「ついに結界を破壊しにかかったか。」
炉華が椅子にだらしなく座っていると
「誰一人として中に入れさせん、全力を尽くして守る。」
いつものようにまじめな顔している紅亜。
「しかしあれほどの力どうするつもりですか?俺だってあれと並ぶのはちょっとキツイぞ。」
ちょっとまじめに困っている炉華。
悩んでいる時間もない、早々に決断を下さないと奴らはもうすぐ念唱が終わり結界を破壊しにかかる。
「念唱が終わったようだな、全軍一世砲火用意!」
魔族・堕天使・妖魔の人々は一斉に構えた。
「撃てー!」
その言葉とほぼ同時に全軍から一斉放射された弾幕が結界に降り注ぐ。
「国民の安全を守るそれが私の天使道だ。」
そこに現れたのは、聖騎士団第一位紅亜である。
一斉に降り注ぐ弾幕を自らがタテとなり受け止める。
「いくら第一位といってもあれの弾幕には無理があるだろ。」
結界全体に放射攻撃それをたった一人がすべての攻撃を受け止めるには無理がある・・・。
全隊員の放射攻撃が終わると辺りは煙に包まれた。
「よし総軍進め!」
隊長の指示に従い魔族たちは歩き始める。その瞬間だった。
まだ消えていない煙の中から一筋の光が走った。
その光は軍隊を半分に分けるかのように広がり軍隊を貫いた。
「デルだと!?」
一瞬にして真ん中で半分に分けられた魔族達。
そこを埋めるように左右からどんどん軍隊が詰める。
「あまいんだよ・・・舐めてもらっちゃ困るな、聖騎士団を。」
そこにいたのはさっき大量の弾幕を受けたと思われる紅亜の姿があった。
さっきの弾幕を受けたとは思えないぐらいの元気良さだ。
「なぁに誰も受け止める必要なんてないんだ。」
急な登場により焦りだす隊員。誰もが打ち取ったと思った。あんだけの弾幕、弾量・・・。
しかしさっきの言葉からすると奴は受け止めなかったと考える。
「トリックなんて簡単だ、お前らのさっきの弾幕と同じ力を放射すればいいだけだ。」
なっ!?
「私達の総員の力とほぼ同じぐらいの力を持っているのか!?ありえない・・。」
動揺を生み出す隊長格。
「今度はこっちの番だ。総員撃てー!」
手と同時に機関銃や何やらが一斉に魔族達を襲う。
逃げ惑う堕天使や妖魔
「こんな簡単に時間が作れるとは思わんよ。」
そういいながら紅亜がチラッと横を見るとそこには
肩に参と書かれた羽織を着る黒尽くめのものと、同じく黒尽くめで肩に弐と書かれたものを着るものが現れた。
「あんたがここのトップか?」
「数字的には私が第一位だが他の奴らと戦ったことがないために、実力で私が一番かと聞かれるとそれには答えられない。」
そっかと言いながらその服を脱ぎ腰に差してある刀を抜く。
「俺の名は刹那。この二番というのはヤス様からもらった数字だ。」
「一番はどこにいる?」
二番という数字に別に驚きもせず、質問をする紅亜。
「一番はもちろん本拠地にいる。」
「へ〜いいことを教えてもらった替わりに、私からも一ついいことを教えてやろう。」
「なんだ?」
「さっき貴様らの本拠地に向けて私たちからの軍隊を送った。数は四人だがな」
「やってくれるじゃねーか。まぁ本拠地にはヤス様と一位がいるから安心だがな。」
二人して大声で笑い合った。
「さてと、そろそろいいだろう。」
刀を再び握り直す
「そうだな、しかし後一人ぐらい用意してくれないか?こっちも人が余っていてな、四位ぐらいがほいいのだが手配できるか弐位さん?」
「お安い御用だが、お前が一人で相手するのか?」
その問いに指を左右に振り、拒否の意味を表す。
「私が叩くのは貴様だ、そしてもう一人が貴様の横にいる参位の相手をする。残りの奴がその四位の相手をする。」
その言葉と同時に今度は参位の反対側に肩に四をつけた奴が現れた。
「なんですか?急に呼び出したりして、こっちはこっちで忙しいんですよ。分かります?」
「まぁまぁそう怒るなや、こいつこんな感じなんですよ。気にせんといてください。」
いえいえとお互い頭を下げる。
「ところでそっちの人は?」
逆に聞かれたので
「ホントは第二位と第三位を用意してあげたかったんだが、なにせ第二位はあんたらのとこの総大将さんだし、それをぶっ殺すために第三位たちが出かけてるんでね、こっちで用意できるのは。」
そういって下を向く。
「何か来る!?」
巨大な氷の柱が上がってきた。
「もしかしてもう殺っちゃった?」
そう言ってやってきたのは、炉華だ。遅れて天宮もやってくる。
「んなわけないだろが。ったく・・。」
氷の柱のほうを見ると、大きな亀裂が入り氷がはじけ飛んだ。
「ふぅ〜びっくりした〜。さっきのは効いたね。」
「すいませんねどうも。これが私が用意した二人だ、こっちが四位でこっちが五位。」
「お互い似たものをもって困りますね。」
「まったくだ。」
またもや二人が笑いだした。
「なぁ天宮俺あの参って書いてある奴もらっていい?」
「ふざけんな、あれは俺の獲物だ、お前は手を出すな。」
んだとコラァ!? ヤンのかあぁ?なんなら今ここでお前消してもいいんだぞ
いきなり喧嘩腰な二人を沈めるように、刹那が割って入る。
「あの〜お二人さん?この四位もね。結構強くて魔族の殺し屋って呼ばれてるほどだよ。」
しばし沈黙が続き。
「じゃあ俺が引けばいいんだろ?俺が殺し屋と戦うよ。」
炉華が珍しく自ら身を引いた。
「え?何?俺ら戦うの?」
四位は今やっと状況が理解できたところだろうか。
「そうだよ。そして君の相手はあの金髪の人が相手をする。本気で行けよ。」
弐位の説明が終わるやいきなり剣を抜き炉華に襲いかかった。
「ウオッ!」
一瞬で炉華も剣を抜いたが耐えきれず、そのまま炉華は吹っ飛び森の中に突っ込んだ。
「本気で行けって言ったでしょ?」
そういうと自らが炉華を追撃するかのように、この場を後にした。
そして天宮というと
「場所変えましょうか。」
参位はコクリと頷き二人してここを後にした。
「さてとこれで本気でやりあえますね。」
「そうですね」
ね という言葉が消えるより先に二人は姿を消した。
「見張りがいない?」
穹の言葉通り、門の前には誰もいない。
「ちょっと河陰待て!」
どうどうと正面から入ろうとしている河陰。
「だって見張りないんだろ?これは入ってくださいって言ってるようなもんだろ。」
それは違くないか?
何とかいいながら結局俺らは正面から入ることにした。
門の前に立つと、門は重い音を立てながらゆっくりと開いた。
「開いた開いた〜さて入るか。」
なんか潜入とちょっと違うけど、今はこれがいいのかな?
中に入ると、庭園があり中央に小さな川が流れていてその向こう側に扉がある。
橋の上を歩いていると、横から巨大な人食い魚が出てきたが
河陰が肩手を挙げデルでも撃つのかなと思ったら。
「せい!」
殴った。
口を大きくあけていた人食い魚は真横に一瞬で移動した河陰に気づかず、何が起きたか分からないまま血を噴射しながら扉に突っ込んだ。
「これで扉を開く手間が省けたな。」
ニコっと笑った河陰は、ゆっくりと歩いていく。
ブチ壊れた扉の先にはさっき河陰が殴り飛ばした魚の姿がある。
「あれ?剣なんて刺さってたっけ?」
その体には五・六本ほ剣が刺さっていた。
そう気にせずに奥の間に足を進める。
「何で気にしないんだよ・・・。」
小さい廊下を抜け大広間に出た。
そこは大きな扉が四つあった。
二つは階段を上ったところにあり、残りの二つは一回に右と左にある。
まさに一人ずつどうぞ、といったところがろうか。
「何処入る?」
「くじで決めようぜ。」
特に案もなかったので、くじに決まった。
近くの布を剥がし番号を決め、一人ずつ順番に何処に行くか決める。
その結果。穹は一階の右に、河陰は一階の左、くっペーが二階の左、俺が二階の右となった。
「ここからは別々行動だ、何をしてもいいぞ〜その代わり生きてまたみんなで会おう。」
おー
といってみんなそれぞれの扉にむかっていた。
扉を開くとさっきの部屋と似たような形の部屋が現れた。
「ん?」
一瞬だった。
気づいた時には一本の剣が私の腹部を貫いていた。
この刃、あの魚を貫いていたのと同じか。
それに気づいたらさらに三本、体を貫く。
一本は腕をもう一本は肺を、最後の一本は足をそれぞれ綺麗に貫いた。
そのまま足は崩れ落ちるように膝をつく。
そのまま地面に倒れ込む。
地面に倒れた私の体を、これでもかというほどの剣が雨のように降り注ぐ。
針の山の中心には、無残にも穴だらけになった私の体がある。
「これでいくら不老不死をいえども死んだでしょ。」
そこに現れたのは両手から針を無数に出す一人の男の姿。
これからどう動くか・・・
作者も考えています。