第十九話:三人の試練
今回は結構長めにしてみました。
たぶん誤字があると思います。すいません<(_ _)>
なんでこんなに長かったかのかと言いますと。
それは本編を見てのお楽しみ!
門をくぐると、中央の建物に向かって一本の橋が伸びていた。
周りが高い塀で囲まれていたので分からなかったが、ここ中央の建物の周りの土地がない。
いわば孤立しているのだ。
そこに伸びる橋。
「これ、落ちたら死ぬよな確実に。」
くっぺーが底を見ながら一言言った。
そりゃそうだ、なにせ下が見えないのだ、あまりの深さに光がとどいてないぐらいの深さである。
「深いねぇ〜」
穹までもが一緒にいう。
「見とれているのもいいが、この特訓で死なないように注意しとけよ。」
炉華の声が聞こえた。
かなりキツイ特訓らしいな・・・ここ。
橋を渡り終え幽室と言われる建物の前についた。
幽室というのは、奥深く静かな部屋・牢獄という意味がある。
確かにまわりは無音である。時々聞こえるのは風の音だけ。
周りの様子を見ていると炉華が話しかけてきた。
「ここの本当の名前は白き牢獄という。主に特訓に使われることがあるが、あまりにも練習量が桁違いであるため、ここで亡くなった奴らも少なくないという。」
それだけ激しいので最近は使われていないらしい。
それだけ説明すると白き牢獄の扉を開けた。
中は普通な感じだ、ただ部屋数がちょっと少ない気がした。
「穹お前の部屋だ、その階段を降りたところの部屋が、栗林お前の部屋だそしてその階段を上ったのが潤お前の部屋だ。」
とりあえず俺達は部屋に上がった。
部屋の中に予定表があるらしい。
ドアを開けるとそこは、ベットと机あとトイレしかなかった。
「狭!」
なにせベットと机とトイレしかないので、そんなにスペースがいらないのだ、だから部屋の面積自体そんなにいらない。
部屋の広さは四畳半だろうか。壁に何かついている。
「ん〜これが予定表か・・・ってなにも書いてない!?」
そのとおり、予定表と書かれた表には何一つ書かれていないのだ。
裏にはこの白き牢獄の地図が書いてある。
とりあえず俺は食堂に向かった、ここではみんなと時間を共に過ごすことは困難なようだ。
「単独行動って奴か、こういうのは慣れてるからな。」
昔から親たちがいなかった俺には、単独行動なんて平気である。
「ここが食堂か・・。」
そこはまさに食堂って感じだ。
とりあえず勝手に食べていいらしいので、俺は適当にあるものをとって行った。
食堂には人がいないのかな、足音一つ聞こえない。
食べていると放送がかかった。
「あと15分後に中央の決闘場に集まれ。あとペンダントも忘れるな。」
声の主はもちろん炉華である。
俺は飯もそこそこに、ここを切り上げた。
言われたとおりに中央決闘場についた。そこには椅子に座って待っている炉華の姿があった。
「来たか。まぁみんなが来るまで待ってろ。」
はい、と返事をした。
俺が到着してから2分ぐらいして、くっぺーと穹がきた。
「みんなそろったな、よし今から特訓を始める」
そういうと決闘場の扉が開いた。
中は待合室になっており、三つの扉がある。
「今日はこのペンダントの使い方と、自分の特性についてと知ってもらう。各自扉に入ってくれ。」
どこの扉でもいいらしい、そう言われると、なんか選びにくいな・・・。
「俺ここに決めた!」
くっペーは一番右の扉を選んだ。理由はなんか真ん中ってキツイ感じだかららしい。
「じゃあ私は左かな?」
穹はひだりの扉へ、女が真ん中ってのもなんか変だしね。
「とすると俺が真ん中か」
それぞれ扉の前に立った、そうすると炉華が一言いってきた。
「残念ながら俺はその先には進めん。その先にはそれぞれの師匠的な人がいる、その人たちに教わるといい。よし!行って来い」
俺達は各扉を押しあけた。
俺の目に飛び込んだのは、いろんなところに柱が並んでおりなんか邪魔くさい場所である。
「どこ?ここ」
辺りを見渡すと、中央に人が立っていた。
俺はその人に向かって走っていく。
「ま・・まさか、お前が・・師匠?」
目の前にいたのは、河陰涼。
「あぁ私が師匠だ。他の奴らにも師匠がついている。」
くっぺーには夏織、穹には聖騎士団第六位の恭介と言う人がついてるらしい。
恭介という男は聖騎士団の砦と呼ばれるぐらい、守りが堅いことで有名である。
ちなみに聖騎士団には、一人一人称号みたいなのがついているらしい。
「お前は何て呼ばれてるんだ?」
「教えな〜い」
何で教えてくれないのだろうか、まぁそんなことは別にどうでもいいけど。
「とりあえず特訓にはいるぞ。」
俺は気合を入れなおしてペンダントを握る。
先の戦いで俺は自分の力を知った。
その名も
絶対防御・絶対分解
簡単にいえば自分が変換機になる能力。それが絶対制御。その力は、すべての力のベクトルを操れる、例えば物を投げるとするもし普通に投げて50kmの速さが出るとする、それに絶対制御の力を加えれば100kmにすることも可能だし、0kmにすることも可能なのである。
そして絶対分解これは簡単にいえば防御のときに使う力である。
この力を使えば何でも受け止めることができる。
すべての力を分解する力それが絶対分解。
ホントはもう一つあるんだけど・・・それは置いておこう。
「んで特訓ってなにするんだ?」
その言葉待ってました!と言わんばかりに河陰はこう言った
「なぁに簡単なことだ、ほんの1万人の自分を切ってもらうだけだ。」
「なにいってるか分からん」
あたりまえだいきなり1万人の自分を切ってください。なんて言われても「はい分かりました!では、切りましょう」なんて言えるわけない。
「まず1万人もの俺がいないだろ?」
「それがいるんだな〜」
その言葉と同時に空から人が振って来た。
俺である。
「な・・・俺?」
「そうお前だ、こいつを本気で1万人切らないと(殺さないと)お前・・死ぬぞ」
そういうと河陰はここを後にした。
残っているのは俺ともう一人の俺だけ。
「おっとと言い忘れてたことがあった。」
急に現れて一言付け足す。
「もう一人のこいつはヴァルキュリアじゃないから安心して殺していいんだよ〜それともう一つお前の絶対制御・分解は使えないから、実力で殺してね〜」
そう言い残し消えた。なんかまたキャラが変わったな・・・。
「ようはコイツらをみんな殺したらいいわけだ・・・。」
あの戦いのときと同じようにペンダントを取り出す。
そして光だし白刀となる。
するともう一人の俺も同じように白刀を出す。
ここから俺の地獄の特訓が始まる。
そのころくっペーはと言うと・・・・。
「いや〜特訓ってなにするんだろうか・・・」
くっぺーの目の前に広がる景色は一面砂漠・・・
そしてこの気温・・・じっとしてるだけで汗が大量に出てくる。
そのなかを夏織は、無表情で汗一つかかず立っている。
「はやくこーい、こっちだぞー」
手を振ってくれるのは、ありがたいとこだが。なにせ地面が地面でしかも粒子が細かいらしい。すぐに足が埋まってしまい、なかなか前に進まない。
「はぁはぁ、これは結構シンドイな。」
なんとか夏織のところに到着した。
「なんでそんなに汗だくなんだ?」
「逆に聞こう!なんぜ汗をかかないんだ?」
「毛穴が無いからだ」
うはぁ!まじか確かに毛穴が無ければ汗をかかない、ん〜理論上は合っている。
さすが天使と言ったところかな。
「んでこのくそ暑い中での特訓って何ですか?」
簡単だと人差し指を立てて言う。
「今回の試練では2つの事をおこなってもらう。1つはペンダントの使い方。2つ目は、自分の能力の自覚。」
涼しい顔で話し終わった。
この話の途中にも、暑さでやられそうだった。
「なんでこんな暑いところに連れて来たんですか?」
そういうと
「え?だってのんびりやってる時間ないし、どんどん体力削られてコレやばいな感を、だした方がいいでしょ?」
命削る必要なくね?
「とりあえず速くやろうぜ!あまりの暑さに、めまいしてきたし。」
ペンダントを取り出して夏織をせかす
「まずは己の武器を願ってみろ」
むむむむ!
くっぺーの念じから生まれたのは、二本の刀だったしかも双剣にしては長く、太刀にしては短い剣
「うわ、微妙な長さの剣が出てきたし。」
もうちょっと短いのをイメージしてたんだけどな。
「その刀が自分に合っているらしいな。」
ちょっとビックリした感じでいう。
「いやいやいや、もうちょっと短い奴が欲しいんですが。」
「しかたないだろ!お前の体がこれがちょうどいいって言ってんだから。そのペンダントは、自分の体に一番合った武器を構築させる。」
二刀流のこの長さが俺には一番ってことか。しかし二刀流でどこまで戦えるのだろうか。てか暑いのどうにかならないのだろうか。もうシャツがびっしょりだ。
「次にお前の能力を把握しないといけない。それにはお前を極限状態にまで引き上げるしかない。」
もっとかんたんな方法があるんじゃないんですか?
これ以上ここにいるのは・・・キツイっていうか暑い。
「こいつらを殺せば、お前の能力も分かるとおもう。」
そういって指を鳴らすと、地面から人が出てきた。
「俺?」
目の前には姿形が全く同じ俺がいる。
「そうだ、今回の試練と言うのは、こいつら1万人を切って切って切りまくることだ。」
この暑さの中1万人の俺を切るのか・・・・
「あと命の保証はないし、しかもこいつらには恐ろしい能力が備わっている。その名も自動学習機能と言う能力。その力を簡単に説明すると。こいつら1万人の脳はリンクされており、みんながみんなの情報を共有し合っていて一人が倒されると、倒された原因は何か・今度同じ状況になった場合の対処法は何か・この操作が瞬時に脳内で行われる。そして完成した対処法は残りのみんなの脳に送信される。要はどんどん強くなっていくってことだ。そして1万人目が一番最強ってことだ。」
「いい感じに鬼畜ですねそりゃ。」
返事も早々に俺は双剣を構える。
「今は時間が惜しい、では早速始めるぞ。ちなみに私は助けないからな。さっきも言ったように」
「自分の命は自分で守れってことですね。」
「そうだ。」
そういうと夏織は消えた。
「さてと潤や穹の足を引っ張らないように頑張るか。」
その言葉と同時に俺は、もう一人の俺と剣を交えていた。
一方穹は。
「え〜っと何処?」
ちょっと困り気味に発言したのは理由がある。
なぜなら穹の視界には濃い霧がおおっていたからである。
「なにも見えない」
その霧は消えずにどんどん濃くなっていく。
一瞬霧が晴れるそこには男の人が立っていた。
「こっちだ!」
右手を振ってこっちにアピールしている。
「今行きます」
私は走っていった。
その人の前だけ霧が無いのだ。
その人は初めてみる人で、なんかちょっと怖い人。でもなんか安心できる感じ。
「初めまして僕の名前は恭介と言います。ちなみに僕の順位は聖騎士団第六位です。」
恭介と名乗る男はスーツでキリッとしていて、なんか紳士的な人である。
「あっ初めまして、私は川上穹です。よろしくお願いします」
「いやいやそんな畏まらなくても、でも試練の覚悟はしといてね。」
「はい!」
私は元気よく挨拶した。
「さっそく試練の内容を説明するけど、今回の目的っていうのは、自分のペンダントの力の認識および、自分の堕天使能力の認識だ。」
だ・堕天使能力?
そんな言葉聞いたことないよ・・・。
「あの〜言いにくいんですけど、堕天使能力っていうのは何でしょうか?」
私が言いにくそうに聞くと
「ん?あぁ聞いてなかったのかな?君たち堕天使たちは堕天使特有の能力っていうのが備わっていて。その能力は一人一人違うらしく、その力を開花させるためには自分を極限まで引き上げ、生と死の狭間を生きるぐらいのレベルぐらいまでしないと分からないらしい。そして生と死に狭間で、死のほうに行く奴も多くないと聞く。」
「そっそれは・・・危ないですね。」
し・・死ぬってそんなホントだったの!?
紅亜さんから聞いてたけど、殺し合いってあんま得意じゃないんだよね。
潤君たちと前にゲームでそういうのやったことあるけど、速攻で死んじゃったし・・・。
そんなアタフタしている穹を見て
「まぁ堕天使になった以上殺し合いは、しないといけないんだよね。残念だけど。」
「うぅ・・・仕方ないよね。」
落ち込んでても始まらない、私は新しく生まれかわるんだ!
「まずは念じてみよう、ペンダントを取り出して。君の武器が出てくるから。」
言われるがまま、私はペンダントを取り出した。
念じろって言われてもなぁ、どんな武器が出てくるんだろう?
とりあえず念じてみると。
ペンダントが光った、するとそこから出てきたのは、杖的ななにか。
「えっとこれは?」
「これは珍しい魔法族の杖だね、君は魔法を使うのが得意なのか、それとも他の何か。とりあえず今は時間が足りないから試練いくよ。」
そういうと試練の内容を説明してきた。
「今回この白き牢獄(幽室)での試練と言うのは、自分1万人切りっていうんだ。」
1万人切りって、結構しんどそうな試練だなぁ。
「正直この試練はあまりのしんどさに禁止されてるんだけど、今回のように短時間で自分の力を極限に引き上げるために、使われるらしいんだけど。この試練をクリアーした人はあまりいなく、そのほとんどはもう一人の自分に殺されてるって聞くよ。とりあえず簡単に説明すると、偽の自分1万人を切るっていうのが試練なんだ。」
「やっぱり命の保証はないですよね?」
ちょっとためしに聞いてみるが、答えはもちろん。
「残念だけど僕は手を出してはいないから。穹君の言う通り命の保証は出来ない。準備はいい?始めていいかな?」
「分かりました。始めてください。」
その言葉と同時に恭介さんは、私の目の前から消えて霧に包まれた。
そして霧の中から私が出てきた。同じ武器同じ服装。
「よし、潤君達も頑張ってるんだ。私も頑張ろう!」
そう言って右手に杖を、左手には不思議な魔法陣を発生させて構える。
「なんか魔法陣出てきたし。」
ここから私の戦いが始まる。
「こちら河陰、潤は戦闘に入った。」
「こちら夏織、栗林も戦闘に入りました。」
「僕のほうの穹ちゃんも、戦闘に入りました。」
3人の報告を受けてうなずく紅亜。
「了解した。引き継いであいつらの様子を見ていてくれ。」
「はっ!」
3人そろった返事。
そして机の上に肘をつき、ある本を黙読に入る紅亜。
さてさて結構書きました!
もうこの長さが作者限界かな?
この長さを超える長さの話はないと思います。w
まぁ次回話もお楽しみに。