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もふもふしたいのは私なのに

作者: 若松ユウ

 現役女子高校生の主張。私は、モフモフが好きだ!


 突然、何を言い出すのかとお困りの皆さんのために、私がどれくらいモフモフを愛してやまないか説明しよう。

 まず、ペンケースやポーチなど、常に持ち歩く物は、もちろんフェイクだが、ファー付きの物を選んでいる。

 また、スマホにはモフモフ画像専用のフォルダがあり、独断と偏見で厳選したベスト・オブ・モフモフが収められている。 

 そして、さすがに夏場は無理だが、季節が許す限り、モフモフ素材のマフラーやパジャマを愛用している。

 もちろん、本物に会うため、放課後に理不尽な店長に耐えて軍資金を稼ぎ、週末には三駅先にある猫カフェに通っている。

 本当は、家でペットを飼えれば最高なのだが、私の住んでるアパートはペット同居不可物件なので、涙を呑んで諦めている。

 

 さて。

 そろそろドン引きされてる頃かもしれないが、この辺で本題に入ろう。

 カサカサに乾いた日々をモフモフによって潤している私に神様が憐憫の情を起こしたのか、ある夜、奇跡が起きた。

 その夜もまた、おやすみ前の習慣として、ベッドの上でスマホをスクロールしながら、目の保養に勤しんでいた。

 すると、突如としてスマホが熱を持ち、画面から眩い光が溢れ出した。

 慌ててスマホを手放して部屋の隅へ寄ると、カーテンに人型のホログラムのようなものが映り、こう話しかけてきた。


 吾輩は、生きとし生けるものを統べる神である。望みを一つ叶えてやるから、何でも言ってみるが良い。


 正直、現実離れした胡散臭さを感じていたが、言わないとスマホが使えないと思った私は、駄目元で願望を言ってみた。

 もっと考えて言うべきだったと後悔することになるとは、この時点では思わなかった。


 モフモフに囲まれた生活がしたいとな。よかろう。


 すると、カーテンに映っていた人型が私に近付き、逃げる間もなく、そのまま真っ白な光に包まれ、しばし意識を失った。

 そして、次に目が覚めた瞬間、神様が私の願いを誤解していたことに気付かされた。

 全身を覆うフサフサの体毛、マズルの顔と鋭い歯牙、四つ指の手足にはプニプニの肉球。

 私の身体は、ファンタジー世界でおなじみの、まごうことなき獣人のそれへと変化していた。


 私は私のままモフモフに囲まれたかったのであって、私自身がモフモフになってどうするんだ!

 ニャオーン!

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― 新着の感想 ―
[一言] ∀・)なんだろう。作品から滲みでる女子力のようなものを感じました。だけどちょっと文学的な感じ。試行的な作品だとお思うんですが、ちょっと不思議でした。
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