毎週金曜日の客
毎週金曜日、午後6時過ぎにいつもくる客がいる。
ここはジューススタンド。
出しているのはフルーツジュースやミックスジュース、それに野菜ジュースの類だ。
そして、彼が買うのは、いつも同じもの。
今日も彼はやってきた。
ポイントカードを私に見せて、ハンコを押させる。
「今日はどうしますか」
定型句、それを意にも介さずに、いつもの注文を。
「30品目の野菜ジュース、スモールサイズ」
値段は490円。
彼は日によって500円、1000円、5000円、10000円と支払う金額が変わる。
私はひそかに占いと称して、10000円から順番にランク付けをしていた。
今日は1万円。
最高ランクだ。
「お待たせしました」
ジュースは紙コップだ。
だいたい350mL入る。
「ありがとう」
彼はそう返してくれて、イートインスペースへと向かった。