俺と神様
思いつきで書いてみました。
「ねぇねぇ人間さん、何しているの?」
「これですか? これはメールというものです。
遠くにいても自分の言葉を伝えられるんですよ」
俺は友達にメールを送っていた。
「へぇ〜凄いですね〜。でも私達はそんな事
しなくても瞬時に相手に伝えられますからね〜」
そう言われ俺は呆れながら
「それは貴方が神様だからでしょうが……」
「えっへん、私は神様です!!
さぁ崇め、褒め称えなさい!! 人間さん!!」
「……一体何がどうなってこうなったんだ?」
何故か俺の部屋に神様が住んでいる。
……しかも女性の姿をした神様だ。
とある日、家に帰ったらいきなりいた。
色々あって今に至る。
何を司っている神様なのか、それすら分からないが
ただこの人? は神様なんだろう。
「なぁ神様」
「何ですか人間さん?」
「貴方は今何歳ぐらいなんっすか?」
「女性に歳を聞くなんてマナーが
なってませんよ?
……まぁヒミコ? という巫女の
女性には会いましたが、それぐらいですよ」
「十分長生きしてますね」
多分この神様が言っている女性は
あの卑弥呼だろう。
単純に考えて2000年ぐらい
生きているのだろう。
「あっ、今“こいつ見かけに
よらずババアだな”って
思いましたね!! 分かりますよ〜
だって私は神様ですからね〜」
と人の考えを完全に読み
勝ち誇った様な表情をする神様。
「思ってませんよ……というか
さっき神様が言っていた、考えている事を
他人に伝えるってどんな感じですか?」
「流石人間さん、よく気づいてくれましたね。
この能力は相手に言いたい事をですね……」
「ーー考えて、言いたい相手の事を
考えるですか?」
「おぉ〜正解です。まさか人間さんは
私と同じ能力をお持ちで……」
「いや勘です」
なんとなく自分が考えた考えを試しに
言ってみただけだ。
「おぉ……これは死後私の部下に
なるかもしれないです……」
「嫌です、まだ死にたくないですし
神様の部下にはなりたくないです」
「そこまで否定しますか人間さん!?
私も少しは悲しみますよ!?」
「……だって神様の部下って
絶対大変そうですし」
なんとなくだがこの神様は色々な
ミスをして部下がフォローをする事に
なりそうだ。
「と、ところで人間さん!!
私はあれがみたいです。
あの茶色くてモフモフしていて
大きな尻尾を持っている見ている人を
堕落させるような悪魔の動物を……
上司の神様から見てこいと業務めい」
「リスですね。あと上司からの命令って
嘘ですよね? 神様が見たいだけ
ですよね?」
「いや私は人間さん達の事を考えて
あのリスという悪魔を祓おうと……」
「ほら行きますよ神様」
「あぁ〜待ってくださいよ人間さん〜」
そんな感じで俺達は動物園に来た。
「おぉ〜ここがあの悪魔がいる場所ですか……
武者震いが止まりませんね……」
と目をキラキラさせて言っている事と
態度があっていない神様だった。
……なお不思議な事にこの神様の姿は
俺以外にも見えているらしい。
「ふふん、人間さん達の世界を見る為には
普通の人間さんの姿をしていた方が
観察しやすいですかね〜」
と神様が自分で言っていた。
そして神様がリスのゾーンに走っていくのを
俺は走ってついて行った。
「おぉ……これが人間さん達を堕落させる
悪魔の動物リスですか……確かに悪魔」
ガラスに顔を近づけて食い入る様に見る神様。
「神様……楽しんでませんか?」
「何を言いますか人間さん!!
私は人間さん達の為を思って
どうやったらこの悪魔を祓えるか
考えているんですよ!!
ーーあっ、こっちみましたよ!!
可愛い〜!!」
と目をキラキラさせてリスを見ている神様。
「……もう俺は何も言いませんよ」
俺は呆れながらもはしゃぐ神様を見ていて
笑っていた。
「いやあの悪魔は凶悪ですね〜
次は武器として木の実を持って
いくとします」
動物園からの帰り道、神様は終始笑顔だった。
「……あげたらダメですからね?」
「あ、あげませんよ!!
あの悪魔を倒す為に最強の武器を
用意しようとしただけですよ!!」
……絶対あげようとしたな、この神様。
しかもこの神様だから、色々と使える能力が
多いから尚更厄介だ。
「ところで神様」
「はい、なんですか人間さん?」
「神様って何の神様なんですか?
例えば何を司っているとか……?
何が専門かぐらいは教えてもらえませんか?」
「あっ、そういえば私の正体
言ってませんでしたね〜
ーー私は天照大神と言いますよ」
「へぇ……天照大神ですか……
……はい?」
「だから私は天照大神と言います〜
専門は太陽と高天原の統治ですよ〜」
「はぁーーー!? あんたってそんな
偉い神様だったんですか!?」
俺はついいつもの口調が出てしまった。
「えっへん!! 凄いですよね〜!!
さぁもっと褒め称えてくれて
いいんですよ〜!!」
とこんな感じに俺と自称天照大神を名乗る
神様の奇妙な同棲生活が始まるのであった。