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第9話

あの後、ビンタされた俺だが、何やらノアに薬を飲ませた疑惑浮上。この世界はどうやら俺に無慈悲なようです。

しかもあの後、ノアが、


「責任取ってくださいね!」


とか嬉しそうな顔を浮かべていて、地味に殴りたくなってきた。

それとラフィーは昨日の食事から何も覚えてないらしい。良かったな、ラフィー。




____________________






「さて、王都に向かうわよ!」


ロザリーがそう言った矢先、ピロンッと音が鳴る。

見るとメッセージのようだ。


トウヤきゅん?王都はまだ君のレベルじゃまだ早いよ。このままでは君は死んでしまう。まあ、死んでも死ななくてもお婿入りは決定だから宜しくね!お義父さんとお義母さんに君が王都に行くんならご挨拶に行ってくるからね!


「ふぁ......!?いや、俺はあの女に踊らされてるだけだ。惑わされんな俺。」


トウヤはメッセージを見たのだが、王都へと向かうと言ったロザリーに従うようだ。

ロザリーは騎士の方やメイドなどに先に荷を積ませていたようですぐの出発できる。俺の服も準備してあった。

泥を投げられても汚れないマント、軽いけど硬い金属の鎧、そして光の属性が込められた長剣。動きやすい皮で出来た靴。これが......財力の力か。カネの力は虚しいものだ。

あと、汚れ耐性さん無駄でした。すいません。

そして俺は馬車にラフィーとロザリーと共に乗り込む。そして、のあも。......って?


「なんでだっ!?」


「元々、そういう予定だったのよ。ノアは」


俺が驚くとロザリーがノアについて話す。


「そうです。私はかつて王に託された秘宝を守るパラーザ家の護衛としてパラーザ家に仕える事になったのです。」


「そして、今回。王家が秘宝『精霊の杖』、魔力を使わずに魔法を放つことが出来る杖が必要となった為、王家から手紙が来たの。それで運んでるってわけ」


ロザリーに便乗してノアも詳細を話す。


「なるほど。ちなみに魔力って魔法打つ為に必要な奴だろ?」


「そりゃあ、そうよ。常識だものね」


俺の質問にロザリーが答える。常識か。魔法が普及する世界ではそりゃあ常識だよな。


「魔力の多さは10~100。コレは生まれつきで決まります。通常下級魔法の最低は消費魔力は1。最高は10。中級魔法は最低は5、最高が15。上級魔法が最低10、最高が20で古代魔法は最低が1のものから100のモノまで有ると言い伝えられています。私は95ですね」


ノアは補足を入れる。真面目に言っているのが違和感を感じるが頑張って聞く。


「じゃあ、俺の魔力はどれくらいなんだ?」


「まず、下級魔法が使えるようにならならければいけないです。その下級魔法の一番下の魔法を何回撃てるかが魔力の総容量ですね。」


「なるほど。」


そう思い、俺はステータスを開いてスキルポイントを見る。



[トウヤ・リュウザキ]

【性別・歳】男・17歳

【Lv】10

【職業】勇者

【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉〈悪魔を断つ者〉 〈村の勇者〉

【スキルポイント】残り1

【スキル】〈聖炎魔法 Lv.2〉〈羞恥耐性Lv.Max〉〈身体強化Lv2〉〈五感強化Lv.2〉〈剣術Lv.1〉〈弓術Lv.2〉〈命中率上昇Lv.1〉〈鑑定Lv.1〉〈精神耐性Lv.1〉〈汚れ耐性Lv.1〉〈恐怖耐性Lv.1〉〈威圧耐性Lv.1〉

【ユニークスキル】〈物語の主人公〉



今、思い出した。そういえばスキルポイント使い切ったんだった。はぁ……ポイント欲しいわ〜



「まあ、いずれ。魔法を取る予定だから、分かるだろう」


「そうですね。ところでトウヤ様。トウヤ様は剣をあまり使っていないようにみられますが大丈夫なのでしょうか? 少しは使っていないと聖剣に振り回されますよ」


「聖剣?」


ノアは魔法と弓を主に使って戦うトウヤに言った。おそらくあの盗賊の時に居合わせた者に聞いたのであろう。


「聖剣とは、勇者が邪なる存在を倒すために異界から呼び出される剣で悪を断ち切ると言われていいます。それが出現する条件は分かりませんがいずれ勇者の付近に現れ、勇者もその存在に気付くようになるようです。」


「なるほど。聖剣は悪を倒す剣でとても重要なものか。しかし俺が倒す悪とはなんだ?」


「おそらく、最近多くなっている。悪魔ですかね。だけれどそのような小物を倒すだけではどうにもなりません。やがて大物も現れる事でしょう。その時まで己を鍛えておく事が重要だと思います。」


「なるほど邪神アルリア・イグニか。それならば断ち切る必要がある。」


「……話聞いてました?」


浮かない表情でノアは聞いてきたがロザリーによって遮られる。


「アルリア・イグニって古代の最強とも謳われた聖女じゃない!理想郷を作り突如、姿を消した過去の英雄よ!? その英雄があなたに何をしたの?」


「辱めを受けた。」


「ええ!? 」


「俺はここに、この世界に生まれた瞬間、言葉を与えられた。それは俺の心を抉る言葉で俺は一度死んだ。恥ずか死んだんだ!!」


「はい?」


「俺はあの女に復讐せねばならない。俺はあの女のイカれた頭をぶっ叩く!マジ許さん」


「「「……」」」


俺の言葉に全員が黙った。


「しょぼい!ショボすぎるわ!!」


「……とても勇者の器とは言えないです。」


「……」


ロザリーはそのショボさに驚き、ラフィーは冷たい目でこちらをこちらを見ており、ノアは黙って俯いている。


「俺の何が悪いんだ」


「全て」


「それは色々とです」


「……」


全否定された俺は膝を抱え落ち込む。

そんな事を話していたら、どうやらもう街を出ていた。するとけたたましい音のベルが鳴りそれと共に声が聞こえた。


「敵襲!!相手は魔物。警戒レベル5!!」


俺はすぐさま外に出て馬車の上に乗る。するとそこには黒い狼の大群だ。しかしそれは普通ではなかった。顔が二つ。狼の顔が二つに分かれて存在していたのだ。

それはファンタジー世界では『オルトロス』と呼ばれるものであろう。

その中に明らかに別格の存在であるモノ。他とは違い二倍程、大きい身体。赤く血脈のように赤い線が走る毛皮。

そして……明らかに違う所。顔が二つでは無く、三つあるのだ。それは正しく、『ケロベロス』と言われるモノ。別名、『冥界の番人』。死者が逃げないように見張っていると言われた存在がここに居た。


「迂闊に飛び込むと囲まれて死ぬ!!防衛戦を張れ!!魔法を展開せよ!」


指揮官らしき騎士はそれぞれに指揮をする。


「おっと!耳を塞ごう。」


俺はちゃんと味方の魔法対策をしてきた。自分で作った呪文を聞かないようにすれば恥ずかしくはない。


それが耳を塞いだ瞬間。呪文と魔法が飛び交う。それと狼の首が飛んでいくのが見えた。

ノアだ。ノアがどこからか出した黒い大鎌で二つセットの首を断ち切って宙に浮かせる。


「トウヤ様!早くこちらに!」


そして、俺をあの戦闘の真ん中に誘ってきた。


「ああ!任せろ!この剣で断ち切って見せよう!」


そして俺はそれに乗り、チャンスとばかり痛い台詞を吐く。

俺は馬車から降りて着地。そのまま、ノアの方へ向かう。

そこに一体のオルトロスが割り込んできた。


「はぁ!ったぁああ!」


その為、俺は剣持ち、右から横薙ぎに断ち切る。が、オルトロスの一つの首に刺さり、もう一つの首が俺の剣に噛み付く。それを俺は一回転して遠心力を使い、遠くへと飛ばす。

出来るだけ魔法を使わない様に心がける。これも痛い台詞を吐いた所為だ。ユニークスキルの『物語の主人公』は言葉にあった行動をしないと基本ポイントは貰えない。


「ふぅ……あと少しか」


俺はノアの所まであと少しのところまで来た。


「「「ガルルルッ!!」」」


すると少し油断してしまい、オルトロス、三体に接近を許してしまう。


「ふぅ……悪しきものには罰を。神より与えられる炎。聖なる炎〈セイントフレア〉。はぁ!!」


じゅもんの少し短いセイントフレアを選び、一体のオルトロス目掛けて、放った。その後、俺は突進し、そのオルトロスに剣を突き刺してトドメを刺す。


「ふっ!」


その横に別のオルトロスがいるため、俺は素早く刺し殺したオルトロスを盾にする為に引き抜き、そのオルトロスの死体を横のオルトロスに向けてタックルする。

するとそのオルトロスが後ろに飛んで回避。


「たぁー」


しかし、それは飛んだ先にいたノアによって簡単に首が飛んで絶命する。ノアのやる気の無い声と共に。

戦いは向かい合ったものだけの戦いではなく、常に周りを注意しておくことも大切であろう。


「はぁ!!」


俺はもう一体のオルトロスに横薙ぎに払う。しかし、それは後ろに下がられ避けられ、オルトロスは突撃してきた。


「おわっ!」


俺はすぐさま剣を横にして噛みつきからガード。もう一つ頭の噛みつきは鼻を殴り怯ませる。

そして、すぐさま俺は魔法を放とうとするがそれは遮られる。


突然鎌が目の前を通過し、オルトロスの首を刈り取ったのだ。


「初めての共同作業ですね!」


「ああ!もううるさい!静かに戦えないのか!」


俺はノアを怒り、背をくっつける。


「俺はあの騎士を囲んでる三体。お前はあの4体を頼む。」


「待って下さいよぉ~~もっとしっかりとこの感触をぉー」


をそう言ってノアは更に俺に体をくっつけ、押し付けてきた。


「......おい。俺は行くぞ」


「......はーい」


そして、俺は駆け出そうとしたその時!!


「「「わぉぉぉおおおおおん!!」」」


三重の雄叫びが戦場に鳴り響いた。それでその音源の近くにいた騎士たちはバタバタと数人倒れた。


「親玉のお出ましか。全くどこいってたんだ。図体デカイのに見当たらなかったぞ。」


と言い、俺はその音源の方向を睨みつけたのだった。

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