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第4話

アレから(女神ヤンデレ化)から一晩経ち、早朝。俺は村を出ることを決意する。


「本当に行ってしまうのですか?」


「ああ、迷惑を掛けたくないからな。」


金銭をくれたおっさんに止められる。が正直、微塵も思い入れが一切無い。なのでさっさと出ていくことにする。


「良ければこれを」


「これは......」


革で出来た背負うタイプのバック。それには色々と詰まっているそうだ。黒パン。干し肉。薬草に聖水。ランタンに剣。冒険する為には必要なものが入ってある。


「それは私のお下がりの装備もありますがよければどうぞ。その持ち物では野宿は厳しいでしょう......」


「おじさんも冒険していたのか?」


「はい。これでも冒険者をしておりました。ゴールド止まりでしたがね......」


そういい、おじさんは足の怪我を見せる。


「なるほど。まあ、ありがたく頂きます。」


「そして、お願いしますが有ります。このハーフエルフのラフィーを連れて行ってはくれませんか?この子は短剣術の才能があります。それを低レベルの魔物しか近くにいないこの村で私のように腐ってゆくだけです。どうか、お連れ下さい」


「お、おじさん。」


おじさんが真剣に話し出す。その横にはピンク髪のちんちくりんな少女。今気付いたが耳が少し長い。

さて、どうするか…...ラフィーがいると俺がずっと魔法を撃つ度にのたうち回っている事がバレ......いや、村の中でもそうだ。もう既にバレている。もういいんじゃね?いや、問題が......あいつだ。あの女だ。しかしあいつはあいつ。俺は俺。正直関係の無い事だ。よし


「ああ。いいぞ」


「い、いいんでしゅか?」


「ああ」


「は、はひ。よ、よろしくお願いします。」


そういい、ラフィーを連れていくことが決定する。......旅の準備は......してあるようだ。

さて、では出発するか。


と行こうとすると、おじさんの声が掛かる。


「ちなみにラフィーは男性恐怖症でして、頑張ってくださいね〜」


「え」


そして、場は沈黙する。

嵌められたァーーーー!!


「悪魔討伐、誠に感謝します。それでは、いい旅を!」


と、おっさんに流されて結局ラフィーを連れて旅に出る事が決定した。

そして村の入口には早朝ながらも結構な人がいた。ので見送られながら村を出ていった。

そして後日、ロリ共が暴走を起こし、トウヤを追いかけて行ったのはトウヤの知らぬ事である。


「では行くとするか」


「は、はい」


そして平原をひたすら歩いていく。少し慣れたの分からないが心做(こころな)しかラフィーの緊張が和らいだと思える。


「と、と、所で何処へ向かうんですか?」


ラフィーが心配そうに行先を聞く。


「.....決めてない」


「......え?」


それを静かに答えるとラフィーが表情を停止させ、こちらを見ながら不安げな声を出す。


「なんも、決めてない!!」


「......」


「......」


そうキッパリ言い切ると二人の間に静寂が訪れる。


「はははっ......」


「あ、あはははっ......」


そして二人は笑い合う。乾いた笑いで。


「と、とりあえず、この近くには街がありますです。そ、そこへ向かいましょう。」


「ああ。」


行先は決まり、ラフィーが誘導していく。しかし、その間は勿論......


「......」


「......」


沈黙だった。

俺が異世界系女子の話題を知る訳が無い。しかも俺は男子校だったし喋る機会があまり無かった。

そしてラフィーは男性恐怖症で軽い会話でもトラウマを植え付けかねない。


「あ、あの......」


向こうから話してくれるとはなんとありがたい。


「どうした?」


「お、奥の方にスライムがいます。ちょ、ちょっと短剣で倒してきます。」


とラフィーはスライムを見つけ、それを指を指す。

ラフィーは今すぐにでも行こうかとしたが俺は気付く。


「なあ、ラフィー。弓は使わないのか?」


そう、ラフィーは後ろに弓を担いでいたのだ。

ラフィーは自分の名前に反応して慌てふためきながらも答える。


「は、はひ!え、えと。わた、私は一応弓術をもってましゅが。そ、そんなに得意じゃないですぅ......」


「そうなのか」


「い、いや、で、でも......使いましゅ......」



ラフィlは短剣をしまい、弓と矢筒をとる。それから矢を出し、弓に矢を継がえる。それの姿は森の民、エルフを想像させる。流石、曲がりなりにもエルフの血を引いているだけはある。


そしてそれを先にいるスライムに向けて、放つ。スライムは動いておらず当てやすいだろう。

矢がスライムに吸い込まれるように矢が飛んで......いかない。

スライムより10センチ離れたところに放たれたのだ。


「はふぅ......」


ラフィーは外れたことにガッカリするがもう一本手に取り、再び、スライムを狙う。

そのスライムは危険を察知して移動している。が、ラフィーは放った!しかしそれはスライムの進行方向の50センチ程の地面に刺さる。


「はうう......」


そしてまたしても、ラフィーは矢筒から矢を......




__________________



「はぁ.....!はぁ......!はうぅぅぅ......」


かれこれ、30本程放った頃だろうか。全弾が地面に刺さっており、矢筒は空だ。そして顔は見えないがラフィーのちょっと長い耳は真っ赤である。

それに対して標的スライムは消えること無く真っ青な見た目をしており、ピンピンしている。


「ち、ちょっと倒してきまふぅううううーーーー!!」


そして結局、右手に短剣を持ち、スライムを斬殺していくのだった。


「もしかして......ラフィーさん......駄エルフ?」


とラフィーの後ろ姿を見ながらボソッと言ったのだった。

そして矢もついでに回収して来たラフィーさんは顔も真っ赤でしたとさ。


「ん......」


「え?」


そして、ラフィーは矢筒と弓を押し付けてきた。顔を下に下げて。


「わ、わらしには、ふ、不要なものでしゅ......」


「......」


俺も、君には似合わないものだと思う。とても思う。すごい思う。

そう心の中で思い、無言で受け取りました。


そして俺はステータスを開く。ステータスの青いプレートは他人には見えない事が分かった。


俺がステータスを開いていても皆、見ず。という見えてない。誰も村には開いている者はいない。が何処かを凝視している人がいたのでおそらくステータスを見ていたのであろう。




[トウヤ・リュウザキ]

【性別・歳】男・17歳

【Lv】9

【職業】勇者

【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉〈悪魔を断つ者〉 〈村の勇者〉

【スキルポイント】残り10

【スキル】〈聖炎魔法 Lv.2〉〈羞恥耐性Lv.9〉〈身体強化Lv2〉〈五感強化Lv.2〉

【ユニークスキル】〈物語の主人公〉



とりあえず、おっさんから剣を貰ったので剣術も必要だろう。


剣術と検索。ちゃんと剣術があったので取る。


〈剣術Lv.1〉を取得しました。


次は弓だ。弓術と検索。ある。勿論取る。


〈弓術Lv.1〉を取得しました。


次は命中率増加だな。命中と検索したら出てくるだろうと検索。

すると複数出てくる。


検索結果(習得可能スキル一覧)


・絶対命中

・命中率上昇

・精密射撃


と出てくる。何が違うんだ?とスキルの詳細を見ることにするおそらく見れるだろうと注目すると出てきた。


[絶対命中]飛び道具または魔法を放つ時に一定確率で自動追尾する。sp消費が5

[命中率上昇]飛び道具または魔法を放つ時に当たる確率が上昇する。sp消費が1

[精密射撃]飛び道具または魔法を放って当たる時に狙っていた場所に当たる確率を上げる。sp消費が3


なるほど......まあ、確率って言うところがネックだな。まあ必要な命中率上昇だけ取ろう。


〈命中率上昇Lv.1〉を取得しました。


さて次は......俺に足りないもの......察知能力とか?ラフィーより遅かったし。だけどそれではラフィの仕事が無くなるか。


じゃあ鑑定とかか?まあ、役に立ちそうだな。鑑定と検索。鑑定が出てくる。sp消費が5か。まあもっておいて損は無いだろう。


〈鑑定Lv.1〉を取得しました。


残りは......2ポイントか。少し残しておこう。


さてステータスは......




[トウヤ・リュウザキ]

【性別・歳】男・17歳

【Lv】9

【職業】勇者

【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉〈悪魔を断つ者〉 〈村の勇者〉

【スキルポイント】残り2

【スキル】〈聖炎魔法 Lv.2〉〈羞恥耐性Lv.9〉〈身体強化Lv2〉〈五感強化Lv.2〉〈剣術Lv.1〉〈弓術Lv.1〉〈命中率上昇Lv.1〉〈鑑定Lv.1〉

【ユニークスキル】〈物語の主人公〉


まあこれぐらいだな。これで貰った剣と弓をなんとか扱える。


とステータスを弄っていた時、再びラフィーがなにかを見つける。


「ス、スライムですね。わ、私の短剣で」


と、スライムを見つけたがラフィーは弓と言わず、己の得物で倒すアピールをする。が申し訳ないが俺の練習相手となって貰おう。


「ちょっと待っててくれ。これの練習相手にしたいんだ」


「は、はい」


と、返事をしてくれて、スライムは俺の練習相手となった。まあ、ラフィーの目は初心者、当たらないから和やかな目で見ようと思っている目だった。


「あれか」


俺は進行方向、若干右にスライムを確認する。


そして俺は慣れていないため、ゆっくりと矢を装填。ゆっくりと引き狙いを定める。

それでパシュッと軽い音と共に発射された矢はスライムを通り過ぎて、地面へと刺さる。


「一発目、位置感覚が分かった。かな?」


とりあえずもう一本、矢を装填。驚いて動くスライムに向けて再び発射!それはスライムの吸い込まれるように矢が飛んで刺さった。そしてスライムは徐々に縮んで石を落とした。


「二発か」


「......」


自分が当たるまでに放った矢の回数を数えているとラフィーがプルプルとしており、結局しばらく沈黙が続いたそうです。


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