第1話
3年前の俺。
「女神、アルリア・イグニの盟約に誓い、我に力を!!インフィニティーフレイムサンクチュアリ!!邪なる神よ!滅するがいい!!」
うががが......こんなん、耐えられるわけねえーー!!過去の俺死ねぇぇぇぇぇぇええ!!
......俺の頭に3年前の記憶が甦ったがすぐに頭のぶち消す。そう、この記憶が必要なほどのそれほどの大事件が起きたのだ......
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「んぁ......?ここわぁ......!?」
俺、竜崎 冬弥。気付いたら、草原にいました。
「おわぁ......」
トウヤは辺りを見渡すが、見渡す限り草原。トウヤは思わず声を漏らす。
ここまで何も無い平原見ることは珍しい。普通は人工物が二つや三つあってもおかしくないと言うのに。
そしてトウヤは一歩その草原を歩こうと足を動かした瞬間。
ピロンッと何かが来た音と共に青い少し透けたボードが出てくる。そこには......
『( *・ω・)ノやあ!トウヤきゅん?
僕は女神、アルリア・イグニ!どうぞ、アルちゃんって呼んでね!( ´ω` )トウヤきゅん!
トウヤきゅんは僕の玩具として、主人公として選ばれまーした☆僕の世界にようこそ!!トウヤきゅんは主人公な世界だよ!(((o(*゜▽゜*)o)))
僕は天に仕えるトウヤきゅんのカッコイイ姿が見たいんだ!(*´▽`*)
インフィニティーフレイムサンクチュアリ!!ってね!!
まあ、元の世界に帰りたいなら神界においで!トウヤきゅんを僕はいつまでも待ってるよ!ふふふっ(///_///)ついでにお婿さんにしてあげるよ!一緒にずっと暮らそうね!』
っと書かれていたのだ。
「中学の奴のいたずらか......ぐがががが......」
トウヤはその場で蹲り、頭を強く掻き毟る。
それは中学二年の事。自分を神によって勇者となった。
などと幻想を現実に投写してしまう病気。【厨二病】。
思い出すだけで死にたくなる程の記憶。それを思い出してしまったのだ。
「ふぅ......」
とりあえず落ち着いて、この意味の分からないメッセージを無視する。
そのメッセージの横にはゲームでもよくあるステータスが現れる。
[トウヤ・リュウザキ]
【性別・歳】男・17歳
【Lv】1
【職業】勇者
【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉
【スキルポイント】残り1
【スキル】無し
【ユニークスキル】〈物語の主人公〉
勇者......うがががが!?......正気に戻れ俺ぇ!
............ふぅ。
あと称号は......飛ばそう。
スキルポイントはスキルを取得するためのものか?
そうトウヤが考えると横に同じ色の小さなプレートが出ている。そこにはこう書かれている。
[スキルポイント]スキルを習得する為に必要なポイント。1Lvで1sp
スキルを習得する際、そのスキルにきっかけすることが必要です。
習得したいスキルは検索して探してください。
〔検索する名前を念じてください〕
「なるほど。思いっきりゲームだ。これは」
トウヤは全て見終わったあと興味を無くしステータスを見るとその小さなプレートが消えていた。
「高性能だな......これはなんだ?」
と呟き、ステータスで【ユニークスキル】〈物語の主人公〉に意識を向ける。
すると横に新しくプレートが現れる。
スキル名:【物語の主人公】
カッコイイセリフをそれにあった場面で言うことにより、SP+1。1日5回 同じセリフは不可。リセットは昼の12時
っ!! これは違いない。あの女の仕業だ!くそぅ......カッコイイセリフ......うぐぐぐっ......
トウヤは3年前を思い出して悶える。
「はぁ......ふぅ......」
トウヤは深呼吸。息を整えて言う。
「女神......アルリア・イグニの盟約に誓い............わっ......れに......ちかぁ............をぉ ......イ、インフィニティー............フレイムぅ......サンクチュアリぃ......!じ、じぁなりゅ......かみぃ......ほ......め、めめめ、めっしゅるがぁ......いい......!」
トウヤは3年前の封印されていた記憶を解き放ち、声に出す。
「......」
言ったあと、急激にトウヤの顔が真っ赤になる。
「うがァああああああーーーー!!」
そして、全力で地面に転げ回るのだった......
「はっ!?」
トウヤが数分転げ回ると、ピロンッという音で正気に戻る。そして立ち上がると青いプレートには......
〈女神、アルリア・イグニ〉によりspが5、加算されました。
と書かれており、先程のメッセージの所には内容が変更されていて、こう書かれている。
『トウヤきゅん!カッコカワイイィ!!ホント最高!(((o(*゜▽゜*)o)))
可愛すぎてスキルポイントと上げちゃった☆てへっ!初回サービスだと思って?
えへへー......あのね?トウヤきゅんにいって欲しい言葉があるの......!
女神、アルリア・イグニに体を捧げますって!
プロポーズ......えへへー!えへへへへへ!ぐへ!ぐへへへへっ......
一生、おねがーい!ね?(*´▽`*)』
「ぐわああああああああ!!何がぁ......カッコカワイイじゃああああ!!くっそ!許さん!絶対、会ったら殴る!そして、気持ちわりぃぃ!!」
そしてもう一度悶え、苦しむのだった。
「はぁ......!はぁ......!ふぅ......ふぅ......」
トウヤは落ち着きを取り戻し、ステータスを見る。
ここがゲーム仕様なら敵も出そうだから早めに強化しておこう。
[トウヤ・リュウザキ]
【性別・歳】男・17歳
【Lv】1
【職業】勇者
【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉
【スキルポイント】残り6
【スキル】無し
【ユニークスキル】〈物語の主人公〉
......まず、ここは安全策として三ポイントは取っておく。そして後は身体強化......とかを...
ピロンッと再び、音が鳴る。その瞬間、ステータスは変動する。
[トウヤ・リュウザキ]
【性別・歳】男・17歳
【Lv】1
【職業】勇者
【称号】〈アルリアの未来のお婿さん♡〉〈真なる勇者〉〈物語を始める者〉
【スキルポイント】残り0
【スキル】〈聖炎魔法 Lv.1〉
【ユニークスキル】〈物語の主人公〉
そして横には......
〈女神、アルリア・イグニ〉によりspが4、加算されました。
〈女神、アルリア・イグニ〉により〈聖炎魔法 Lv.1〉を習得されました。spが10、使われました。合計sp、0
「ふぐぁ!?ちょ......おま!?」
トウヤは思わず、声を出す。そう命綱であるspを勝手に使われたのだから......
ピロンッとまた、別の通知が来た。
『えへへー(*´꒳`*) 僕、君のカッコイイ姿見たいから、奮発しちゃった☆頑張ってね!』
とアルリア・イグニからメッセージが来た。
「うわぁあああーー!!ふぁっきゅー!ふぁっきゅー!!」
トウヤは怒りを地面へぶつける。
「くっそ......!絶対殴ったるわぁ......まじ許さん......」
とアルリア・イグニに改めて復讐を誓う。
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そんな戯言を続けていてはいつか餓死してしまう。まあ、アイツがなんとかしてくる可能性があるが頼りたくない。という事で俺は今日中に食料と寝床を確保しなければならない。
そう思い、とりあえず歩く事にする。
「そう思ったが…...ひたすら何も無いな」
平原は見る限りずっと続いている。
という事なので新しく加わった〈聖炎魔法 Lv.1〉の詳細を見る。
〈聖炎魔法 Lv.1〉聖なる炎を出すことの出来る魔法。
呪文を言うだけで魔法を発動できる。
使用可能魔法。
・悪しきものには罰を。神より与えられる炎!聖なる炎〈セイントフレア〉
「......うがぁあああああ!!誰も見せたことの無い俺の厨二病本がぁ!?ほぼ内容そのままだしっ!?」
そして、トウヤはまたしても地面へと転げ回る。
それは誰も見せたことのない中二の俺が書いた黒歴史。通称【聖書】自分で考えた魔法がズラリと並ぶほど、書き込んだ黒歴史ノート。
しかもそれには女神アルリア・イグニとの盟約と言う名の設定が書き込まれている。
「くっそ。あの女め!」
そんな事を思っていると目の前に水色の中に核がある表面張力のように丸くなった液体の生命体?が現れた。
「なんだ?スライムか?ここはつくづくゲームだな」
「ぴきぃー!」
するとそのスライムはこちらに向かって、飛び掛かって来た。
「うおっ!?」
トウヤは驚きつつも余裕で避ける。
「ゲームだったらそりゃあ、敵だもんなぁ......」
とりあえず、距離をとる。俺の武器は今のところ聖炎魔法のみ。それに頼るしかない。
「悪しきものには罰を。神より与えられる炎!聖なる炎〈セイントフレア〉」
そう言うとバスケットボール程の白い炎がスライムに直撃し、スライムが転げ回る。
「......何が聖なる炎じゃぁーーー!!はずかすぅいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
そして、俺もダメージ(精神的な)を受けたのでスライムと共に転げ回る。
落ち着いた時にはもう、スライムはおらず、近くに青い石が落ちていた。
「ぜぇ......ぜぇ......どうだ!ユニークスキル〈物語の主人公〉!」
すると青いプレートが出てくる。
レベルが1上がりました。これにより、spが1、加算されます。
※注意事項
呪文は〈物語の主人公〉の対象外です。
「うががあああああああ!!」
っとトウヤは叫ぶのだった。
だが〈物語の主人公〉は一日で5レベル分のspを稼げるチートなスキルだということが分かる。
しかしトウヤは元厨二病。
この先、厨二病にはキツいチートで異世界を生き残れるのだろうか......
......いや、食われそうだ。主に神によって......