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処女作です。文章力をつけるために作ったものです。生暖かい目で読んでいただければと思います。
・・・・・
「ここは?」
そこは真っ暗で何もない空間であった。???真っ暗なのに何もないと何故分かったんだろう?
「ここはあの世とこの世の境目。あなた達は三途の川があるとか、綺麗なお花畑があるとか言っている場所・・・。」
その声は何処からか発しているか分からない、遠くからとも近くからとも聞こえる声であった。そして男とも女ともとれる声でさらに、
「あなたは死にました。残念でしたね。」
と、全く残念だと思っていないだろう抑揚のない言葉で現状を説明し始めた。
「単なる事故死です。よくあることですね。」
よくあることでも、いざ自分がなったら洒落にならないよ。と思っていたら、
「それはそうですね。ご愁傷様です。」
心が読まれている!?
「あなたは表面上隠しているだけで、比較的読みやす部類ですね。」
そうなのか、まあいいや。じゃあ面倒だから勝手に読んでくれ。
「ぶっきらぼうですね。まあ喋っていただいても、いただかなくてもこちらとしてはどっちでも関係ないんですけどね。取り敢えず用件だけ伝えます。」
「なんだって!?」
「まだ何も言っていません。」
確かに。まだ死んだことと、心を読めることしか聞いてないな。
「案外面倒なひとですね。取り敢えず簡潔に。あなたは神の気まぐれで生き返ることになりました。おめでとうございます。私はそのことを伝えに来た神の使いの者です。」
そうか。生き返れるのか。
「だが、断る!」
「?何故です?」
確かにいきなり死んで、いきなり生き返れると言われても別にいいかなって。
「生に興味ないんですか?一般的に人間は生に貪欲で、一秒でも長く生きていたいものなのではないですか?」
「心が読めるなら知っているかもしれないけど、生きるのに疲れていたんだ。毎日の社畜生活、そして偶の休みも休まらないくそったれな嫁との生活。せいせいするよ。」
俺は本当に疲れていた。会社には一日20時間以上居て、家に帰っても家事すらしない、外に男を作っている浪費嫁に・・・。
「わかりました。でも生き返ることを拒まれてもこちらも困ってしまうので、無かったことにしてしまいましょう。」
なんだって!?だから嫌だって言ってるじゃん。
「仕方ないですね。魂には総数があって、規定より多くても少なくてもいけないのです。あなたの場合、今なら無かったことに出来るのですが・・・。じゃあ転生というのはどうですか?」
「転生?ライトノベルでよくあるやつ?」
「そうですね。あなた達の世界でよくあるやつです。おめでとうございます。」
やはり、抑揚のない声でおめでとうと言われても嬉しくない。そして転生ってそんな簡単に出来るもんなのか?
「簡単ではありませんが、生き返ることを拒まれるよりはマシですね。」
「じゃあ転生でよろしく。」
こうして俺は転生することになったのである・・・