表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由の彼方  作者: 赤白 青
~ここってまさか異世界ですか?~
4/59

異世界にポイ捨て


真っ二つに分かれた校庭は更に枝分かれするようにどんどん地面にヒビをいれていく。


生徒たちは声にならない声を上げて叫んでいる。必死に助けを求める。

「たすけてー!」 

しかしどんなに声を上げても助けは誰も来ず、どんどん地面に亀裂が入っていく。

そして、一ヶ所が崩壊し、生徒たちを巻き込みながら崩れる。生徒たちの足場は崩れ、足は地面出なく、空気と接する。

「いやだぁーーー」

「死にたくないよーー」

「たすけてーー」

「いやぁーー」

崩壊した地面の上に居た生徒たちは空に投げ出され、落ちていく。


崩壊した地面の下には大きな森が見える。マーデルの言うトテンの園というのは空にあり、和也たちはそこにいる。

そして唯一の足場は崩れ始めている。その先は言わずとも想像出来る。地面が無くなれば堕ちる。そしてこの高さからパラシュートも無しに落ちれば間違いなく死ぬ。


周りでどんどん地面が崩壊して、生徒たちの叫び声が聴こえる。


遂に和也の足下の地面にも亀裂が入る。

「やばっ」

和也は慌てて周りを見るがなすすべなく、あっという間に足下の地面は崩壊していった。


「うわぁぁぁぁぉぉぁぁ」


足下の地面はなくなり、和也にとっては今までに感じたことのない重力で石のように地面に落下していった。

落ちながら物凄い突風に煽られたことで、和也はぐるぐる体全体を回しながら落下していく。落下しながら、黒いフードを被った女の子も崩壊に巻き込まれているのが見えた。


「あの子はまさか。ってかなんなんだこりゃ~もうどんだけ~~」


周りの景色は落下速度が早すぎて視界がぼやけているため、空の青や山の緑などいろんな色がぼやけてみえる。その間も地面はどんどん近づいていく。


「しぬ~~~」



『と、、とな、え、て、』

和也の心の中に突然声が聞こえてくる。

『唱えて!』


「なんか聞こえたぞ。幻聴か?けどまぁいいや、何を唱えればばばばばいいんだぁ?」

心の中で聞こえる声に疑問を一瞬持ったが何もしないと死ぬというこの状況。頼るしかないと和也は悟った。


『光よ集え、我が衣に』

「光よ集え、我が衣に」


和也は藁にもすがる思いで叫ぶが何も変化しない。心の中でやっぱりダメかと思ってしまう。こんな言葉で何が変わるって言うんだと落胆し、全てを諦めた。そして最後に全ての思いを込めて叫んだ。もう思い残す事がないように腹の底から全力で声を出した。


「こんなことなら、あの子に告白しとけば良かった~~!」


最後の遺言としてはどうかと思うが、叫ぶと同時に和也の回りに徐々に光が集まり、和也の体を黄色のオーラが覆った。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ