これまでのあらすじと登場人物紹介
「紅蓮の鬼ノ壱 於仁丸出奔」の、ごく簡単なあらすじと登場人物紹介です。
よろしければ上記テキストもお読み下さい。
++壱のあらすじ++
戦国時代初期。雨宮家の隠し里、黒髪村に住む素破の少年於仁丸には篝という美しい恋人があり、
これを舐めるように愛おしんでいた。
主家雨宮家では娘の鴇姫の婚礼が決まった。相手は隣国領主天津幸政の弟幸隆である。
天津家に争乱の兆しを見た鴇姫の父知徳は、娘に従者として下人戌郎をつける。
婚儀の前に戌郎と共に黒髪村を訪れた鴇姫は篝と於仁丸に会い、ふたりに好感を抱く。
婚礼直前、届け物のため雨宮家へ出向いた於仁丸は、鴇姫から篝へと美しい反物を受け取るが、
この日、篝は偶然行き合った天津幸政とその家臣に惨殺されてしまう。
鴇姫の婚礼当夜、篝の毒によって家臣が死に、幸政も死にかけて幸隆に嫌疑がかけられる。
鴇姫は黒髪村衆を頼り、村衆は篝を殺した者を知る。そして於仁丸も。
於仁丸は復讐を誓い、村を出奔する。
++一章の登場人物++
於仁丸…
本編の主人公。14-5才。篝の恋人。隠し里・黒髪村の糸術の遣い手。
篝とのつきあいから、毒や薬草にも詳しい。
年少者にありがちな生意気な自信家だが、心は優しい。いささか短気。
しかし篝を殺されたことにより、性格が一変。
篝…
於仁丸の恋人。於仁丸の2-3才下。非常に可憐な少女。
閨房での毒殺を目的に毒を以て育てられ、体液に強い毒を持つ。
偶然行きあった天津家当主・幸政とその家臣に陵辱の上惨殺される。
戌郎…
鴇姫の下男兼守護者。鴇姫の1-2才上。唖。手話にて会話が可能。
獣や鳥を扱うのが上手い。
黒髪村の一員で、於仁丸とはごく親しい間柄。
幼い頃からつき従ってきた鴇を強く慕っており、鴇からも厚く信頼されている。
鴇…
黒髪村の主家・雨宮家の姫。16才。天津家の次男・幸隆へ戌郎を伴って嫁ぐ。
美しく優しい。いささか頼りなげなところがあるが芯は強い。
幸政を強く慕っており、戌郎にも身内のような親愛の情と全幅の信頼を抱いている。
天津(佐々)幸隆…
天津家の次男。鴇姫より3-4才上。隻眼跛行の異形だが、聡明英知の人。
物語の初期に天津家外戚、佐々家の名跡を継いで兄幸政の家臣となる。
雨宮知徳…
雨宮領主。鴇の父。剛胆にして知略の人。
佐々兼嗣…
幸隆の義父。天津の先代に仕えた老臣。
穏やかな人柄で、兄幸政との間に軋轢のある幸隆を気遣っている。
天津幸政…
天津家の嫡男・当主。好色で残忍。幸隆を疎んじている。
※黒髪村衆…
山中深く、平生は百姓として暮らしている雨宮家の素破衆。
他の人々と関わりを持たぬ暮らしゆえ血が濃く、不具者も多く生まれる模様。
古くから雨宮家に仕えているようだが、どういった経緯で雨宮家と関わりを持ったかは不明。