夢
ねぇ。あなたは誰?
怪物?じゃあ怪物さんね。
何?怖くないのかって?怖くないし、それにあなたのその赤い目は、宝石みたいにキラキラしているし、その姿もあなたらしくてカッコいいと思うよ。
そんなこと言われたの初めて?じゃあ私はあなたを初めて誉めた人だ。
家族?もういないの。けど、お父さんやお母さんが残してくれたもので、まだ五歳だけど、十分生きていけるわ。
あなたも五歳なの!!体格差は凄いけど、そうなんだ。
えっ!あなたのお嫁さんにならないかって、、、うん。いいよ。でもお互い大人な年齢でも体でもないよね。いつかその時が来たら、私を迎えにきて。絶対だよ!!
私の体にその印を付けたいの?いいよ。
ちょっと痛かったけど、大丈夫。今日は楽しい一日をありがとう。そうだ!私、名前言って無かったね。ユイだよ。
ブラッド。それがあなたの名前?あなたの名前はあなたの綺麗な瞳と同じ色の素敵な名前なのね。それじゃあね。バイバイ。
私は夢を見た丁度今から10年前のことだ。怪物さん元気かな?もしかしたら平凡な私が、こんなものに選ばれるのは、怪物さんも覚えてくれてたのかな?
そう。私は今日、ブラッド=ライアス。最凶最悪の魔王と呼ばれる人の生け贄として、彼の居城である魔王城に連行されるのだ。