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十色の刀(旧 勇巻)  作者: 渦巻 汐風
第一章 レッツゴー異世界
2/20

第二刀 女神顕消

大幅な修整をすることに致しました。

詳しくは活動報告にて。

草太達が青白い光に包まれたあと、草太は真っ白い空間に来ていた


「な、何だ!?」


あたりを見回すと、白い空間がただただ広がっており、上を見上げるとどこまでも澄んだ青い空が、下を見ればやわらかそうな雲が一面に引かれていた。


「ここは一体……」


驚きが隠せずに呟く俺、というのは嘘で実はそれほど驚いてはいない。

先程喋っている途中で邪魔されてしまったので、少々腹が立っているのだ。


(なんだあいつ、俺がしゃべろうとした時に邪魔しやがってあの野郎、いや野郎ではないか。)


自分でも思うが、心の中で自問自答してる姿って、第三者から見ると変な人じゃないか?

いや、ここには人影は見えないし、どうやら俺ひとりのようだから問題は無いのだが……と思いたかったがそろそろ無理めな様子である。

なにせさっきから視界の端にチラチラ映る女性がこちらをニコニコしながら微笑んでいるのだ、怖い、ただ無性に怖い。

無言でニコニコされるのがこんなにきついとは思わなかった。

それが人生で一度も見たことがないくらいの美女であればなおさらである。

その件の女性は金髪に碧眼、体はモデルのようにすらっとしているが、胸元に持つものは凶器としか言いようがなく、否応がなく目が吸い寄せられる魅力を持っている。

これほどの【美】を持った女性が果たして現実にどれくらいいるのだろうか。


「何かリアクションはねぇのかよ、クソヤロウ。流石17年間童貞なだけはあるな、糞虫が」


その女性は突然口を開いたと思うと、くっそきたねぇ口調で罵ってきやがった。


「大体何でこんな冴えなさそうなブタを私様が相手しねぇといけねンだよクソッタレ」


女性の罵倒は止まらない。


「めんどくせェから巻き込まれとかすんじゃねぇよ、メンドクセェ」


愚痴も飛ばしてきやがった。


「あー、マジめんどいモウこいつ何も与えないで落としていいか?え?ダメ?マジかよもうホントないわ、マジないわ」


何かはよくわからないが、誰かと話しながら匙を投げようとしている。

何なんだコレ。

なんか俺を無視して (というか俺が無視したんだが)勝手にひとりで話し始めた。

流石にムカついたので、少し怒り口調で声をかける。


「おい」


「アァン?」


「スイマセン!!何でもないっす!!」


睨みつけられたので即効で謝って後ろを向く。

何あれ超怖い、なんであんなのが俺の前にいるわけ!?わけわかんねぇ!!

後ろを向いてがたがた震えていると女性から声を掛けられた。


「おい、オマエ…お前だよお前キョロキョロすんな、お前だって言ってんだろうがぁ!!」


「チッ!」


「おいっ!?今舌打ちしやがったなテメェ!?」


ほかの人が呼びかけられてるみたいだな、俺じゃないよな作戦 (俺立案俺行動俺命名)失敗か……行けると思ったんだが。


「いや、行けねぇから!?ここには私様とお前しかいないからなんの意味もねぇよ!?」


「いや、わかってるけどさ…なんとなくやりたくなったからやってみた」


いやー、失敗失敗テヘぺローヌ☆彡キラリン


「この状況でよくそんなことやろうと思ったな、クソ野郎!!」


「男にはやらなきゃいけない時があるのさ」


「なんでちょっといいこと言ったみたいな感じになってんだよ!!、何もいいこと言ってねぇよオマエ!!」


「わかった、わかったから耳元で騒ぐな、鼓膜が破れる」


「あ、あぁワリィ………ってなんで私様が悪いことになっとんじゃワレェ!!」


「さぁ?」


「さぁ?ってお前…はぁ、話が進まねえから一旦中断だ。いきなりだがお前、なんでここにいるか分かってるか?」


こいついきなり冷静になりやがった、こいつをからかうの結構楽しかったんだが、相当真剣な表情してやがるからとりあえず真面目に受け答えするか。


「ここにいる理由か?皆目検討もつかないが、ここに来る前のことは覚えてる。信号を待ってたらいきなり足元から光が現れて……そっからはここに」


「そこまで覚えてりゃ充分だ、これから今の状況について説明してやる」


俺の目の前にいるこいつは俺の目をじっと見据え静かに、そしてゆっくりと口を開いた。


「お前は、お前ともうひとりを除く3人の異世界勇者召喚に巻き込まれたんだよ」


「は?勇者召喚?」


何言ってるんだこいつ……って言えるほど状況を理解していないわけではないが、そうか……異世界召喚か。


「そうか」


「そうかってお前、相当冷静だな。こんなに慌てないやつは初めてだぞ」


「そうか?この状況とここに来る時のアレを踏まえれば簡単に納得できそうなものだが」


「それが大体のやつはパニックになって話にならねぇんだよ。と言ってもこういう事がおきんのはスゲェ久しぶりなんだけどな」


「こんな状況が他にもあったのか?」


そうだとしたらこいつが最初にあんなに面倒くさがっていたのにも検討がつく。

おそらくはパニックで状況がわかってないやつに説明しようとしてもパニックで聞く耳持たずでなかなか状況説明ができずにイライラしたんだろう。

そしてそれがきっかけでこんな性格のやつになってしまったと。


「違ぇよ!?何すべてを察した見てぇな穏やかな顔してやがるんだ!!この性格はもともとだコノヤロウ!!」


それは、嘆かわしい、あなたの親もさぞかし悲しんでいらっしゃることでございましょうね。


「うるせぇ!!余計なお世話だ!!」


「で、答えは?」


「急に素に戻るな!!調子が狂うだろうが!!っとそうだったな大体はお前が思ってることであってる、一部変なのも混じっているが大体はそうだと思ってくれていい」


「そうか、ところでさっきから俺の心をちょくちょく覗いてくるお前は一体なんだ?」


知りたかった答えが知れたので、ここに来て聞きたかったことをさらに質問してみる。


「私様の事か?ふふん、聞いて驚くなよ?私様はお前がこれから召喚されることになっている異世界『ランクルス』の「自称」神……ってオイ!!」


殴られた。痛い。


「話が進まねぇから茶々入れんのやめろ」


「すいませんでした」


「反省してるならいい、改めて説明だ、私様はランクルスの女神エディス、異世界を管理してる。と言っても世界に大した干渉はできない下級神なんだけどな、まぁそんなわけで神だから一応心を読むことくらいはできるわけだ」


「なるほどな」


「質問される前に答えてしまうが、この空間は地球がある世界とランクルスの世界の狭間、神が住まう空間地球の言葉でいうところの天界って奴だ。そしてなぜお前がこの天界にいるかというのは、今回のランクルス世界人の勇者召喚に伴って、巻き込まれてしまった2・・を何の力もなしに、地球より危険なランクルスに送るわけには行かない。だからこの天界に一時的に呼び出して少しでも力を与えて向こうで死なないようにするためにここに呼んだ」


今のエディスの言葉に違和感を覚えた。

今奴はなんといった?2・・?俺以外にも巻き込まれた奴がいるってことか?

あの状況からするとあの4人も一緒に召喚されたであろうからその中の一人ということになるが……。


「なぁ、エディスひとつ聞きたいんだがもう1人の巻き込まれたやつってのはあの4人の中の誰か1人ってことなんだよな?」


「察しが早くて助かる、そうだ。あの四人の中の1人だ、そいつは今私様の部下の天使が相手をしている今頃そっちもお前にしている説明をしてるだろうな」


「ッチ、全く面倒なことをしてくれる。で?その勇者召喚とやらをやったのはどこのどいつなんだ?」


「それは無効に言ったらわかることだから心配するな、それにもう時間が無い、そろそろ本題に入るぞ」


ようやく本題か、一体何が飛び出してくるやら。


「今からお前に向こうで死なないための力を与える、どういう力が欲しいかはだいたい指定してくれればある程度は融通してやるぞ、ほら言ってみろ」


「そんないきなり聞かれてもパパッと思いつくわけ……」


「どうした?急に黙り込んで」


「なぁ、こんなことは可能か?」


「何だ?言ってみろ」


俺はエディスに近づいて思いついたある提案を伝えた。

このアイデアにエディスは苦笑いを浮かべていたが「なるべく希望に添えるようにはする」と約束してくれた。

その後に思いついた要望等を言っていたらどうやら時間が来てしまったらしく俺の体が薄くなり始めた。


「俺の体が……」


「時間切れみたいだな、よし!!これからお前は異世界に行くわけだが、覚悟はいいな?お前は今からいつ死んでもおかしくない世界に巻きこまれて(・・・・・・)行くわけだからな死なないように気をつけろよ?」


エディスのその言葉に俺はふっと笑みを浮かべると


「誰に言ってるんだ?俺は女神と喧嘩した男だぞ?そこら辺の有象無象に簡単にやられるわけないっつーの」


「口喧嘩、だけどな?」


「てめっ!このやろぉ」


「ハハハっ、でも本当に危険な世界だ、ここを出たらもう私様はお前を守ってやることは出来ない、だから死ぬなよ」


エディスの言葉は俺の胸に強く響いた。

たった数時間過ごしただけだが、俺を本気で心配する気持ちが伝わったからだ。

最初は喧嘩腰で始まったのにな、不思議な縁もあるもんだ。

今じゃ軽口を言い合うようになっちまった。

だから俺はエディスをこれ以上心配させないようにこう言った。


「おうよ!!綺麗な綺麗な女神様を泣かせねぇように頑張るさ」


その言葉を言った途端エディスの顔からボフッという音が聞こえ途端にエディスのかおは見る見るうちに赤くなっていき…終いには耳まで真っ赤にしてプルプル震えてしまっていた。


「エディス?どうした?」


「バ、バカ、お、お前私様をき、ききき、綺麗って」


「なんだよ、綺麗なものを綺麗って言って何が……お前そんなきたねぇ言葉使っておいてピュアかよ」


「ピュアで悪いか!!」


「いや、悪かねぇけどその…可愛いな (ボソッ)」


「なっ!?か、可愛っ可愛いだと!?」


「あぁ~もう時間ねんだろ!!さっさと行くぞ俺!!」


「お、おう」



悲しそうな顔のエディス、その顔を見て俺はエディスに近づき頭に手をやり撫でてやる。

なでてやりながら俺は


「またな?」


そう言うとエディスはうつむきから一転満面の笑みで


「あぁ!!またな!!」


と言ったのであった。

俺の体は今度こそ消え始めとうとう顔が消えると言ったところでエディスの口が動いたのが見えた。


「いつか…きっとお前に会いに行く。草太またいつか」


そう聞こえた、そう思うとなんだかこれからも頑張れるような気がした。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

よろしければ私のマイページを覗いて見てください、活動報告にていろいろつぶやいています。

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