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十色の刀(旧 勇巻)  作者: 渦巻 汐風
第一章 レッツゴー異世界
18/20

第十八刀 強襲・覚悟を決めて

久しぶりに書いたので、感覚がよくわからなくなってメチャクチャになっていると思いますのでご注意ください。

そこには………また幼女がいた。

と思ったのだが、何も変わらなかった。

そこにいたのは小さな龍、パタパタと小さな翼を傍目かせ俺の目の前をスイスイと飛んで居る。


「あれ?何もなってないぞ」


「そりゃぁまぁフェイクじゃからの、今のまま人化などしてしもうたら服が無くて寒くて仕方ないわい」


「あ、そういう…」


「どうかしたんですか?草太君」


俺たちの騒ぎ声を聞き付けたのか、静が此方に寄ってくる。

今の状況を聞かれたので説明をすると


「あぁ、静今刀と契約してたんだよ、これが二本目の刀の精霊?になるのかな、アイラとティアと同んなじだ、名前は…」


「ヴィエラじゃ、よろしく頼むぞい」


「ナナシです、ソウタ様の契約精霊となりました今後ともよろしくお願いしますね」


「こ、これはご丁寧に水本静です、宜しくねヴィエラちゃん、ナナシちゃん」


ぺこりと腰をおり丁寧に挨拶をする静、ここに育ちのよさが現れている。


見て居るとなぜか和やかな空気になるのはなぜだろう? きっとそう言う成分が静から振りまかれてるんだなきっと。


それはさておき、そろそろ森から出るとしようか。


「お〜い、皆帰ろう……」


バキバキバキメキメキッ‼!!!!!!!


突然後ろから大量の木がなぎ倒される音が聞こえる。

それに続いて大地を踏みしめる音が聞こえ後ろを振り向くとそこには…


『ゴァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!』


腐敗臭や腐肉を撒き散らしその巨体を以って全てを潰さんとする勢いでこちら目掛けて突進をして来る見るも無残な死体がいた。


「死に損ないがきたのか?あれは…あぁ彼奴か。全く懲りないやつじゃのう、わっちがあれほど痛めつけてやったのにまだ向かってくるとは何と愚かしいことよ」


ヴィエラはそのドラゴンゾンビと呼ばれる死してなおその身に残した怨念で動き続けるモノに心当たりがあるのかドラゴンゾンビに向かって罵倒をした。


それに怒りを覚えたのかは知らないが、巨大な口を大きく開き飲み込まんとする。


俺は思考が停止した脳を無理やり正常に戻し指示を出そうとするがあと一歩遅かった。


その巨大な口は目前にまで迫っており何をしても無駄かのように思われたその時。


「ハァッ!!!!!!!…全く、死んでからも迷惑をかけ続けるとは何という不届きものじゃ。大人しく土に眠っていれば良かったものを…主どのちと彼奴を黙らすのじゃ。ナナシ指示は頼んだぞい、わっちは刀に戻るからの」


ヴィエラが口から大量の火球を吐き出しドラゴンゾンビを仰け反らせ、さらには押し戻していた。


その後は宣言通りに刀に戻り俺の手に収まった。


「承りました、ソウタ様、シズカ様、ドラゴンゾンビを倒すために私の指示をよく聞いてくださいねただでさえ時間が無い所を私の拘束魔術で押さえ込んでいるのですから、精々1分がせいぜいで抑えれるかどうかなんですまだ覚醒したばかりで力が弱いもので…」


「は、はい」


「わかった、取り敢えずは何をすればいい」


「取り敢えずは【炎刀・暁】でドラゴンゾンビを攻撃してください、シズカ様は弓で牽制、隙を見て強力な技を叩き込んでください。それとソウタ様」


「何だ?」


「その銃でも攻撃をしてください、出来ますか?」


「出来る、アイラ、ティア行けるか?」


話しかけると銃の形態から精霊形態に移行したアイラとティアが元気良く答える。


「主さま、アイラは行けるですよ‼」


「ティアもバッチリですっ‼」


「そうか、なら頼んだぞ?」


「「はいっ」」


アイラとティアは一緒に返事をすると手にアロンダイトとガランティアを両手に出す。

あれ?君たちそんなことできたの?


驚きが隠せなくて戸惑っているとナナシが、


「今はこの子たちが何をしようとしているのかは分かりませんが戦えるのなら使うべきですよ。遠距離武器がたくさんある方が安全性が増します」


ナナシが言う言葉には説得力があり、確かに状況は選んではいられない。

だがこれだけは言っておかなくては。


「アイラ、ティア、怪我だけはするなよ」


「わかってるですよ‼主さま‼」


「大丈夫ですっ‼問題ないですよっ主さまっ‼」


「うん、それならいい」


俺はアイラとティアの頭をクシクシと撫でてやる。

アイラとティアは気持ちが良かったのか嬉しそうに笑っていた。


その顔を見たあと少し離れた所にいる静の所へ向かった。



静は精神統一をしていたようで弓を胸に抱きながら目をつぶっていた。


俺が近づくのがわかったのか、目を開いて話しかけて来る。


「草太君、怪我だけはしないでください。私には貴方しか頼れる人はいないんです」


言うと静は俺に近づいて抱きついて来る。

俺はとっさの事で行動ができず静を自分の胸に受け入れる。

静は俺の背中に手を回し呟き始めた。


「絶対に…死なないでください」


俺はその言葉を静かに受け入れた。

あぁそうか、俺はこんなにも頼りにされていたんだな。

いきなり見知らぬ世界に飛ばされて、周りは知らない奴ばかり。そんな中頼れるのは友人とその幼馴染と俺。

友人達は勇者になったが、自分は勇者には成らなかった。

そんな時にいたのが俺だ。

俺は勇者じゃなかった、巻き込まれただけの一般人だと思ってた、だから同じ境遇の静に手を差し伸べてやりたいと思ったんだ。


だけど俺は死にたく無い、まだまだ生きていたい。

だが目の前にあるアレは俺たちの意思を無視して命を奪わんとして来るだろう。

逃げたとしても、逃げ切れるかどうか。


戦わなければ生き残れないのは、この世界の常なのか。

今は常に死と隣り合わせの状態、逃げても死ぬ、何もしなければ死ぬ。

ならばどうするのか。

答えは簡単だ…戦う事だ。

だが何の為に戦う? 生き残る為なのは間違いないが俺にはもっと大切なことが有るはずだ。


それはなんだ?


いや…答えはもう目の前にある。護るんだよ、静を、この手で。

惨めかもしれないが、醜いかもしれないが、這いつくばってでも守り抜く。その期待に、その信頼に答える為に。もう覚悟は決めた、俺には守らなくてはいけない物が有るその為に俺は戦う‼


『いい覚悟じゃ主どの、それならわっちの本当の力が引き出されるだろうな』


覚悟を決めた俺にヴィエラが脳内に語りかけて来る。


『それだけの覚悟があれば刀の力は格段に跳ね上がる』


(それはどのくらいだ?)


俺は脳内で響く声に答えを聞く、それに対してヴィエラはこう答えた。


『幾らでも、じゃ』


(それはそれは、面白いじゃんどれだけ上がるのか、試してみようぜ‼)


『おう‼』


俺は気合をいれた所でナナシからもうすぐ拘束が来れると伝えられたので静を俺から離しこう言った。


「静、俺は死にたく無い。が俺はお前を護りたい、だから協力してくれるか?俺とお前で護り合うのも悪くは無いだろ」


「!…はい‼」


静は言葉の意味を理解したのか、目尻に涙を浮かべながら微笑んで了承してくれた。


「ソウタ様、あと5秒程度で拘束が溶けます、準備を」


「あぁ、行くぜヴィエラ、ナナシ静、アイラ、ティア‼」


「「「「『はい!!!!!!!』」」」」


俺は拘束が解け立ち上がろうとしているドラゴンゾンビに駆け出した。






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