第1話 目指す場所
元日本人の新城 奏は、異世界転生をしてアルト=ルーカスとして生まれ変わった
「アルト〜♪」
この目の前でにこにこ笑っている綺麗な女性はこの世界での母。名前はシルヴィア=ルーカス。王国魔法士だったシルヴィアはアルトをお腹に授かった時に産休と育休のような制度で今は休職中だ。
「奥様、お食事の用意が出来ました。アルト様の分もこちらに...」
「ありがとう!レベッカ!アルト♪ごはんですよ〜♪」
奥の姿勢が綺麗なメイドさんは、レベッカ=ロンドさん。ルーカス家に代々仕えるロンド家の
そして少し月日が流れ軽く言葉を発する事に成功した。
「奥様!!」
「えぇ!今『ママ』って言ったわよね!!」
「言いました!!」
シルヴィアは自分の息子の成長に歓喜+自分を呼んでくれたことに歓喜。レベッカも我が子の事の様に一緒に喜んでいた
さらに月日が流れとうとう6歳となった。日本で考えると小学1年生になったぐらいだろうか...
首などはとうに座っており、四肢も自由に動かせる。なので、
「えい!!やー!!!」
「アルト!なかなか筋がいいぞ!!」
朝、屋敷にある庭で剣の稽古が行われていた。アルトの攻撃を全て剣で受け続ける男。名前はロイド=ルーカス。シルヴィアの旦那であり、アイルの父親。ロイドは王国騎士の1人で現在の騎士内での強さランキング第4位の実力者
「とりゃあー!!!!」
「あまい!」
アルトの大きな縦振りに反応したロイドは、鋭い一撃をアルトの横腹にヒットさせた
「痛っ!」
「ははは!!まだまだだな!!!」
「むー、、、」
「だが、筋がいいのは本当だ!剣筋もどんどんよくなってきている。さすが俺の息子!!将来は親子揃って騎士かな!」
それは、【成長速度5倍】のおかげかな?騎士になるとは限らないけど...
その日の午後からは、
「魔法には、火・水・雷・土・風・光・闇の7種類の属性があって」
「ふむふむ...」
「初級、中級、上級魔法があるわね」
シルヴィアから魔法を習う。
「アルトは魔法士になりたいの?」
「んー...わかんない」
「そっか、まだわかんないか!」
シルヴィアは真剣に話を聞くアルトにワクワクしながら問いかけ、『わかんない』という言葉に少し笑顔が溢れた。俺は1度大人になっているからわかっている。子供の時になんでもできる様になっといた方が将来の道に苦労しないということを
(だから今は、とにかく勉強と、訓練だ!)
さらに4年。アルトは10歳になった!
6歳から始めた剣の訓練と、魔法の訓練。【成長速度5倍】のおかげで、剣そして魔法の技術が通常20年掛るであろう境地まで達することができた!
今では、
「アルト!そうだ!!もっと鋭く、重い一撃を繰り出し続けろ!!」
「はい!父さん!!」
ロイド相手に良い模擬戦を行える様になってきた。下から成長し、実力を伸ばし続ける息子に負けない様にロイドも日々訓練を行っている。前は4位だったが今では2位!王都の騎士の中で隊長と呼ばれている、剣聖様につぐ実力者にまで成長していた
魔法の方は、適正のある5つの属性。火・水・風・光・闇属性の上級魔法まで扱える様になった。そして、残りの雷属性と土属性の魔法は中級まで扱える。
「アルト、すごいわ♪」
「ありがとう!母さん!!」
王国魔法士として復活したシルヴィアに毎日教えてもらっていたのだ。魔法の基礎から応用まで大体のことはできる様になった!
さて、それからさらに5年。15歳となったアルト。この異世界では、15歳で成人する。
そして、成人してからの3年間はそれぞれの道に進むための学院に入ることが国から義務付けられている。
進む学院には様々な種類の学院がある
戦闘職
①騎士学院
・剣や槍などの様々な武器と己の身体と魂を鍛え、強者を目指す!
②魔法士学院
・魔法能力技術をさらに発展させ、唯一無二の大魔法使いを目指す!
③冒険者学院
・騎士と魔法士の中立の立場。魔物の生態、弱点を知り、己の得意を見つけ、独自の強さを目指す!
etc...
生産職
①鍛治学院
・最高の、至高の一振り。高度な付与魔法を使用し誰にも負けない武器を作る!
②錬金学院
・新たな薬や、道具を作り出し、日々の生活の質を高めていく!
③農作学院
・食物に対して敬意をはらい、国民全員をお腹いっぱいにする事が目標!
etc...
父であるロイドは騎士学院から王国騎士となり、
母であるシルヴィアは魔法士学院から王国魔法士になった。
「「アルトはどの学院に」」
「いくんだ?」「いくの?」
目指すところは戦闘職だろう。
剣はロイドに教えてもらいさらに強くなった。魔法も同様。シルヴィアに徹底的に教わった!
そして、前世から憧れていた異世界は主人公が強くて爽快なバトルシーン!!ヒロインとの出会い!!
そんな異世界生活を満喫したい!!
というか、この世界に来た時から俺はこうなりたいという物のために頑張ってきていた。
「冒険者学院かな」
「「まぁ、」」
「そうだろうな」「そうよね」
2人はアルトの将来がこうなるとわかっていた
「あれだけ、剣を教えてやって、今では全力の俺とも戦えるアイルには、正直、騎士になって欲しかった」
「魔法の才能も努力量も全部私を上回る実力があるから、正直、魔法士を目指して欲しかったけど」
「「両方の実力が最高クラスなら目指す場所は冒険者」」
「お前は絶対に上位の冒険者になれる!」
「頑張りなさい♪」
「お父さん!お母さん!ありがとう!!」
2人の言葉に力をもらい、アイルは冒険者学院に入学した