オッドアイ
学園生活が始まり友達が出来るのかと思っていたら
美男子3人に友達だよと言われ戸惑うローズ。
そんな中、白銀の髪の人に出逢ってしまった
ローズに…。
第7幕ー オッドアイ
12歳になったローズは、寮に入り入学式を終え
今日から授業が始まることになり
ローズが教室に行くともう既に何組かの
お友達ができているクラスメイトを
横目に、一番隅っこの窓際の席に着いた。
「いらっしゃったわ!」
「「きゃああああっ!」」
「1年生の生徒会の方ですよね?」
「学年でとても優秀な、3人と聞きましてよ。」
「ハイム様、今日も素敵すぎますわ。」
「私は、断然シュタイン王子様ですわ。」
「私は、タルミネ様が1番かと。」
(お兄様が居たらもっと、凄いことになりそう。)
ローズが小さく、クスッと笑うと
隣の席の椅子がカタンッと引く音がして振り返ると
「ローズ嬢久しぶりだね。隣に座ってもいいかな?
」
まさか、マルス王子が同じクラスだとは思わず
ローズが慌てて席を立とうとするとマルス王子が
大丈夫と肩をソッと置いてローズに
「同じクラスだし、マルスでいいよ?」
小さく耳打ちで言われたが
全力で首を左右に振って拒否をして
断っていると周りの令嬢がヒソヒソと話していた。
「ねえねえ、あのご令嬢、嫌に親しくなくって?」
「婚約者でもない癖に。」
「本当に、図々しい人ですわね。」
全部丸聞こえだったけど
ローズは気にもせずに教科書を取り出そうとした時
「そう言えば、2人を紹介してなかったね。
私の従僕で護衛もしてる、ハイム公爵家のリオネ。
私の幼じみで、友人のタルミネ公爵家のエリオス。」
前の席に座っていた2人が振り返ると
小さく頭を下げ挨拶すると慌てて
ローズは席を立ち挨拶をした。
「ドール公爵家のローズと申します。」
小さくカーテシーをすると
金色の髪をなびかせながら
エリオスがローズを見つめにっこり微笑むと
おもむろにローズの手をスッと握り
手にキスを落とした。
「麗しい姫君だ。
可憐で、1輪の薔薇のような可憐な美しさ。
ローズ嬢、よければ、僕と一緒に…。」
マルスの鉄拳が、エリオスの頭上に振りがざすと
ゴンッと音とともに
令嬢たちの悲鳴と色んな人の視線に
ローズの顔が真っ赤になっていると
リオネが、ローズの手をハンカチで拭いていた。
「おい!リオ何故、手を拭いているのだ!」
「エリオス汚い、獣、バイ菌が伝染る。」
ボソッとつぶやく、彼に思わずローズが
手を口で押さえながらも吹き出して笑うと
3人に、見つめられてしまった。
「あ、ごめんなさい…。つい可笑しくて…。」
慌てて手を引っ込めて席に座る
ローズにマルス王子が小声で
「ごめんね。リオは害はないんだけど
エリオスだけは、獣だから気を付けてね。」
「なんだい、なんだい2人して!
僕だけ、『だけ』って、そんな言い草はないだろ?」
プンプン怒るエリオスに、2人は声を揃えて
『事実を、言ったまでだ。』
「ふふっ…。」
ローズは、3人の仲の良さに思わず笑ってしまった。
放課後の鐘がなり寮に帰る時間に。
「ローズ私たちは、生徒会の用でお先に失礼するね。」
「姫と別れるのは寂しいな。」
「寮まで、送りましょうか?」
「ハイム様、大丈夫ですわ。
今日は、楽しいお話時間を本当に
皆様、ありがとうございました。」
ローズが、畏まったようにお礼を言うと
3人が顔を見合わせてマルス王子が
「ローズは、気付いてないみたいだけど
クラスメイトじゃなく、今日から私たちは友達だよ?」
「えっ?」
驚いた表情のローズの顔に、3人は頷きながら
笑顔で笑いかけると、また明日と手を振ってくれた。
(私が、お友達でいいのかしら?)
カバンに教科書を詰めていると
ローズの前に、あのパーティー事件の時の
令嬢たちが、机の周りに立ちふさがった。
「ご機嫌ようローズ様。少しお付き合い願えますか?」
「ええ。大丈夫ですわ。」
鞄を持って着いていくと人気の居ない校舎の
片隅に連れていかれ、人が居ない事を確認すると
壁にドンッと、体を叩きつけられ肩に痛みが走った。
「マルス様に飽き足らず、エリオス様に、リオネス様にまで、色目を使うとか、ありえなくってよ!」
私に怒鳴り散らしてくる令嬢の名は
ミシェル・ハリスト子爵。
私は違うと答えたが、火に油を注ぐだけの
行為になってしまい髪を引っ張られ
地面に叩きつけられ地面に手をついてしまった
光景を見た、ミシェル嬢と取り巻きたちが笑いながら
「さっきよりかは、素敵になったんではなくて?」
クスクスと扇で口で隠しながら笑う姿を見ても
ローズは泣きもしなければ、反撃もせず
ただ静かに黙って、ミシェル令嬢を見つめていた。
「本当、貴女のその目、腹の立つ目をしてるわ。」
「ミシェル様。」
1人の令嬢が、バケツを手にするとザバッと
水を頭からかけられ、制服もカバンの中の教科書も
びちゃびちゃになり、靴もドロドロになっていた。
「誰か来ますわ。」
ヒソヒソと取り巻きの1人が耳打ちをして
立ち去り際に、ミシェル嬢がローズを睨みながら
「忠告を無視をするなら
これで終わらないことを覚えてなさい。
それと、誰かに告げ口でもしたら…。」
冷たく笑う視線に、背筋が少しひんやりした。
(体が、濡れているからかしら?)
足早に立ち去るミシェル嬢と
取り巻きの令嬢たちを
横目で見ていたが、全身ずぶ濡れで
どうやって寮まで帰ればいいのかと
それだけしか、ローズの頭の中にはなかったのだ。
当人は嫌がらせをされてるとは、思ってもなく
天然かさておき…。
とりあえず考えても仕方ないなと
立ち上がり濡れた制服のスカートの裾を
一生懸命絞ってると何処からか、笑い声がした。
「ククッ。泣きもしないし
怒りもしないあんたって本当変わってるし面白いね。」
木の上から誰かが飛び降りてきたと思ったら
白銀の髪色がサラッと見えて
制服のブラウスは前ボタンが外れていた。
背は、お兄様より高く、目の色は左右違う色の
ブルーとパープルのオッドアイ。
前ボタンが外してるせいか胸板が見えていて
お兄様以外の肌を見たのは初めてで
つい、物珍しそうにジッと見ているローズに
肩に掛けていた制服のジャケットを脱ぐと
バサッとローズの頭の上に被せた。
「これで帰れるだろ?」
「えっと、あの!」
ジャケット返すのに、名前とクラスを聞かないと
思ったのに、ぼんやりしてる間に
ひょいと彼は学校の塀を飛び越えて
去ってしまった姿に呆気にとられて
手を伸ばしたままのローズ。
「煙草の匂い…。はっ!
これがせバスが言っていた世に言う
素行の悪い生徒ですのね。」
大きいジャケットを頭に被せられて
ズルズルと自分の肩にかけ寮に帰ると
あまりの姿にメイがびっくりして悲鳴をあげて
理由を聞かれたが、嘘の言い訳をついてしまった。
消灯の時間になりメイが部屋を後にすると
ベッドに横たわると天井を見上げながら
「入学そうそう今日は、色々と忙しかったけど
よい日で、楽しかったですわ。」
疲れていたのかローズはベッドに入ると
すぐに眠るのでした。
それから、学園生活も1ヶ月過ぎ
相変わらず、美男子が居ない時に限って
ローズは呼び出されては、水を浴びせられるか
教科書が無かったり、上靴が消えていたりと
不思議なことが度々起きていたが
ローズは、気にもせず勉学や魔法、マルス達と
お昼を一緒にしたりお茶をしたりしていた。
マルス王子たちは、度々学校を休みがあった。
理由は、卒業後に王太子に向けての公務などで
忙しいのか、休む日が続いていた。
(今日も、皆さんお休みですわね。
王族の方は、忙しいと聞いたことがありましたし
こればかりは、仕方ないですわ。)
午前中の授業が終わり
お昼休みの鐘がなり食堂に行こうかと思った
ローズだったが、1人で食べるのもあれだなと
食堂で軽食を頼んで人気のない
ガセボで本を読みながら
ゆっくり食べようかなと、歩いていると
「あら、先約かしら?」
遠目に人影が見えて、近付くと見たことある
白銀の髪色の人と令嬢が口付けをしていた。
ローズは、呆然として固まって見ていたが
見ちゃいけないと帰ろうとした時
枯れ枝を踏んでしまい、パキッと音が響いた。
令嬢が小さく驚き叫ぶと
上着を持って足早に私の間を通り過ぎて行き
その後ろから、足音が聞こえてきた。
「誰だ?」
(ど、どうしましょ?)
ローズはその場で固まったまま
振り向けずにいると肩を掴まれ
バッと体の向きが変わると、彼と目が合った。
「あー。この間のびしょ濡れ女だ。」
「ご機嫌…。」
おもむろに彼が前髪をかきあげ横目で
ローズの顔をジッと見つめると
いきなりローズの顎をクイッと持ち上げ
腰をグッと彼に引き寄せられた。
「ふーん。なかなか、いい女じゃん。」
「えっ?」
ローズが小さく声を上げた瞬間
自分の唇に違う唇の感触と温かさを感じ
目を丸く見開いたまま
まるで時間が静止したような、衝撃と感覚に
その場に固まるローズなのでした。
ローズも12歳になり、学園生活が始まる中
色んなことに巻き込まれていきます。
学園ストーリー色んなストーリーを小説に出来たらなと考えているので、1番下スクロール⬇☆評価、ブックマーク登録など、お願いします!