第1幕 プロローグ
プロローグ 第1幕
『『赤い鍵の薔薇よ!平穏な世界を!!』』
2人の赤い薔薇の鍵の祈りが天界に届き
闇の世界に眩い光が下界に降り注ぎ
悪しき魂が、浄化された。
封印の眠りにつく、2人の愛の薔薇の鍵
祈りが合わさり時、この世の平穏は幾千と続くであろう…。
ドクンッと、セレーナと彼の心の臓が波打つ。
『『幾千の輪廻の時を超え眠りに。』』
薔薇の鍵の封印を使うと
幾千もの輪廻の眠りの呪いが発動する。
平穏な世界を取り戻すのと引換えに
赤い大きな薔薇が1輪咲きほこると
2人の鍵が静かに閉まる音が響いた。
まぶたが閉じる時、お互いの唇が交わると
そこから、長い時が過ぎ去っていくのでした。
250年の歳月が過ぎ去った。
「おとーしゃま!」
「おお!ローズ!」
玄関まで執事に抱っこされた小さなプリンセス。
ピンク色と白のレース生地が重なった
オーダーメイドの小さなドレスには
赤い刺繍の薔薇と、大小散りばめられた宝石が
キラキラと光り、彼女の髪色は
宝石に負けない綺麗なエメラルドグリーン色の
長い髪を後ろで、大きな赤いリボンで結んでいて
リボンの紐が風で、揺れていた。
ドール公爵家で生まれたローズの瞳は
目も大きく、サファイア色の綺麗なグリーン。
肌と頬は、雪のように透明で白く、亡き母にそっくりだった。
元気いっぱいのローズが笑顔で半年間討伐で
屋敷を離れていた、ドール公爵家の当主
オル・ドールの足に抱きついた。
ローズを抱き上げるとヒラヒラと舞い上がり
キャッキャッと喜ぶローズの笑い声を
侍女や執事たちも微笑んで見ていた。
「ご無事のお帰り嬉しく思います。
長い公務、父様お疲れ様でした。」
胸に手を置いて深くお辞儀をし
父の帰還を待っていたローズの兄
ハイン・ドールが挨拶をすると
オルがハインの頭をワシワシと撫でながら
「留守の間、ローズと、この屋敷を守ってくれてありがとう。」
「いえ、父様がいない間は僕が、長男として
兄として妹を、このドール公爵家を守るのは当然です!」
クシャシクャと父に頭を何度も撫でられて
少し照れくさそうに、笑う兄ハイン。
ハインは、ドール公爵家の長男で7歳。
父と同じ明るいブラウン色の長い髪を綺麗な
赤色のリボンで結んでいて
瞳の色も、父と同じレッドローズと言われる
男子なら、必ず持って生まれる色だ。
スラッと、背が伸びていて、色も白く
父に似て美男子だと令嬢からも人気を集めていた。
ハインは、幼少期から頭脳、剣術、魔法
身体強化など小さい時から父や師範に叩き込まれ
ドール公爵家の次期当主として担う為
日々の修練や勉学、才に恵まれ優秀だった。
「さあ、ローズ、ハイン皆で庭でお茶にしよう。」
「おとーしゃま!」
「はい!父様。」
庭に咲き誇る綺麗な花や薔薇のアーチを通ると
白いガセボが見えて久しぶりの親子で
お茶を飲みながら穏やかな1日が過ぎていった。
「さぁ、ローズ今日はもうお休みの時間だ。
明日は、皆でピクニックに行こう。」
「おとうしゃま、おやすみなしゃい。」
ローズはまだ、3歳と小さい。
母の温もりが欲しい歳なのに
最愛の妻は、ローズを産んでから床に伏せり
回復することなく天に召され、私は私で屋敷を
長期に渡り離れるほど仕事や討伐などで
その当時は、ローズと向き合うことから
目を背けていた。
私をじっと見つめる瞳は、亡くなった妻
マレンの瞳色で、今でも私の喉がグッと鳴る。
「おとうしゃま?」
「んっ?どうした?ローズ。」
「ローズね、大きくなったら
おとーしゃまの、お嫁しゃんになるね!」
「そうか、そうか。ローズが大きくなったら
私のお嫁さんになってくれるのか。」
オルが優しくローズの頭を撫でながら
潤んだ瞳をローズに見せないよう横を向いて
涙を脱ぐうと、彼女が私のシャツの袖を掴む。
「おとーしゃま...。」
スースーと可愛い寝息をたてて眠る
ローズの寝顔に笑みを浮かべると
ベットサイドに置いているランプの明かりを
ソッと消し、月明かりが部屋を照らしていた。
「おやすみ、ローズ。」
ローズの額にキスをし、起こさないように
オルは、ベッドから離れた。
部屋の扉を静かに閉め廊下で待機していた
護衛たちに険しい顔付きで
「夜間の護衛は、任せたぞ。」
「はっ!旦那様、お任せを!」
ローズの部屋の外や天上裏などには
複数人の護衛や、影がひそみ
彼女の身の安全のために
24時間目を光らせていた…。
静かな廊下を歩くオルの靴音が
屋敷に響き渡るのでした。
久しぶりに新章小説を書きたくなり
物語を書いてみました。今回のお話のテーマは
輪廻の赤い運命の赤い薔薇の鍵を持つ意味を
メインに、ドキドキ展開やハラハラしたり
家族の愛や、色んなシーンを物語として
執筆していけたらと考えてますが、まだまだ
久しぶりなせいで、まとまらない点がありますが
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