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心の氷は固く閉じたまま

ユランの溺愛ぷりに、学友の友達だったアルス王太子殿下。一生懸命に差し入れを作るメアリーに?


第3話 始まります。


お兄様が帰還され1ヶ月が過ぎました。

お義母様達は、遠くの屋敷に行きもう帰って

来ないから安心していいとお兄様から聞かされ

私の栄養状態は、孤児よりも酷くゆっくり

ゆっくり栄養を補給しないと、体が拒否反応を

起こしたり最悪、腸などが壊死してしまうので

栄養剤と栄養を吸収しやすい薬

今は薬を飲んで、沢山食べて、よく眠り

日光に浴びることも体の骨にいいと

お医者様と治癒士から聞いて

私の調子がいい時はお兄様が抱っこして

庭を散歩に連れ出してくれたり。


感情を表に出すことはお兄様の頬に触れた

あれ以来、またお人形のような感情になり

瞳に色が戻らない状態だったけれど

お兄様は何も言わないで傍に入れる時は

私の傍で笑ってくれてた。


「さっ、メアリー寝る前のお薬飲もうか。」


大人でも顔を顰める(しかめる)程の苦い

薬をメアリーは表情が変わることなく淡々と

口を開けて水をゆっくり飲む。

苦い薬を飲んだメアリーの頭を優しく撫でて

膝にメアリーを乗せると


「さあ、メアリー苦い薬を飲んだ、ご褒美だ。

目を閉じて口を開けてごらん。」


メアリーは言われたことに目を閉じて

口を開けると、コロンと何かが口に入って

蜂蜜の甘さが口に広がった。


「苦いお薬をメアリーは、頑張って

飲めたから、王都で取り寄せた蜂蜜の飴だよ。

体にもいいんだって。

今は固形物は駄目だから

飴ならいいとお医者さんから

ちゃんと許可をもらってるからね。

あ、ゆっくり口の中で溶かすんだよ。」


頬が膨らむメアリーの顔を見て、笑うお兄様。

お兄様は、私を抱きしめながら

本の読み聞かせや、お話をして

今日も抱きしめられながら私は、眠りについた。


『お前なんか家畜だ!』


『薔薇のネックレスなんか必要ない!』


(返して!痛い!痛い!お兄様、助けてお兄様!)


ガタガタ震えながら眠るメアリーに

気付いたユランがガバッと起きて

髪を撫でながら抱きしめユランが

メアリーの耳元で優しく


「大丈夫、大丈夫だよ。何も怖くない。

俺が居るからメアリーは、安心しておやすみ。」


優しく優しく撫でながら背中をさすり

抱きしめると震えが治まりまたスーッと

小さな寝息が聞こえて眠りに落ちたメアリー。


半年後ー


「今日は、食事を全部食べれたみたいだね。」


何も反応がないメアリーを膝の上に乗せて

メアリーの頭を優しく撫でるユラン。


「明日は、薔薇の庭でお茶をしょうか。」


優しく笑うユラン。周りのメイドや従者は


(メアリーお嬢様がご回復なさってからの

ユラン様、マジで激甘に妹君を可愛がられてる!)


(あの氷の貴公子と名高い、女性にも他人にも

無で通すあの方が、あんなにデレていらっしゃる。)


何を察知したのかギロッと

ユランがメイド立ちを見ると

ピッと背筋が伸びた。カールが部屋に入り


「ユラン様!いい加減仕事してください!」


「あー怖い、怖い。

カールおじさん怖いね、メアリー。」


「はぁ。とにかくユラン様!

キリのいいところで、お仕事してもらわなければ

メアリーお嬢様のお洋服もドレスも、ぬいぐるみも

お菓子も、飴すらも、買えなくなりますよ!」


ぐうの音もでない一言に、周りの従者や

メイドが、流石カール様だと思っていた。


「わ、分かったよ。メアリー

俺が居ない間はカレンと皆で遊んで待っててね。」


パタンと扉が閉まるとジッと扉を見ている

メアリーを見たカレンが


「ユラン様が居なくなって、お寂しいのですね。」


頭を優しく撫でるカレン。


「さて、今日は何をしましょうか?」


耳と目はきちんと聞こえて見えている。

言われた指示の理解だけは、出来ているが

自分で何がしたいとか、やりたいことや

意思表示は、出来ないままだったのだ。


今日何して遊ぶか、悩むカレン。


「そうだわ!」


何か思いついたカレンが

私を抱き上げると足早に厨房へ。

私をソッと椅子に私を座らせて

カレンがコック長に


「コック長!少しここをお借りできますか?」


何か話していた。

私の傍に来て、私の目線までしゃがんでカレンが


「お兄様に差し入れをしましょう。

明日のお茶の時間にマドレーヌ作りと

今日の差し入れは、クッキーを作りしましょう。」


カレンの指示で粉をふるったり

グシャッと卵が潰れて殻が入ったり

生地をマドレーヌ型に入れたり

クッキーの生地を、カレンと一緒に伸ばして

ハート型と猫の形の型を、小麦粉を軽く付けて

型抜きを指示され、天板に並べたりして

後は魔法オーブンで焼いて完成した。


少し焦げたクッキーをジッとメアリーが見ていた。


「メアリーお嬢様少し焦げたくらいが

美味しさの秘訣なんですよ。」


焼けて冷めたクッキーを小さな籠に

クッキーを入れる指示にメアリーが

ゆっくりゆっくり籠の中にクッキーを入れてると

綺麗にクッキーが完成をした。

丁度お茶の用意をカールが取りに来た。


「いい匂いがすると思ったら。」


メアリーを見て優しくカールが微笑み

彼女の頭を優しく撫でると

カレンがメアリーの手を握り

執務室で仕事をしているお兄様をジッと見ていた。


「愛しいメアリー!どうしたんだい?」


ユランが、執務室の椅子から立ち上がり

メアリーの傍に駆け寄り抱き上げて抱きしめた。


「メアリーお嬢様と休憩を。」


カールが、カートをカラカラと押して部屋に入る。

カレンが耳打ちでメアリーに指示を出した。

お兄様がメアリーを下ろすとカレンから

手渡された、小さな籠を持って立ったまま

ユランをジッと見つめると籠を覗き込むユラン。

そこにはクッキーが入っていて


「メアリーこれ、どうしたんだい?」


ジッとユランを見つめる。カレンがユランに


「メアリーお嬢様が作ったクッキーでございます。メアリー様がほとんど全て作り焼いて

ユラン様に、日頃の感謝をと差し入れに来ました。」


「おお!メアリー!手作りで作ってくれたのかい?ああ、神よ今日の幸せに感謝します!」


祈りを捧げメアリーの頭を撫でると

メアリーがハート型のクッキーを手に取り

持ったたま微動だにしないで、ユランをジッと見ていた。


「食べさせてくれるのかい?

本当に、優しいメアリー!頂くね。」


パクっとメアリーの指ごと食べて

もっもっと食べるユランを

カレンとカールが、若干引いて見ていた。


「メアリー、とても美味しいよ!

今まで食べたどのお菓子よりも、

メアリーが初めて作った菓子はとても美味しい。

世界一のクッキーだよ!」


スッとココア味のネコ型クッキーを持って

ジッとユランを見つめる

メアリー味のクッキーを堪能して

仕事の時間そっちのけで、妹を抱きしめる

ユランをカール引き剥がした。


「ユラン様のお仕事終われば、すぐ逢えますよ。」


カレンがメアリーに伝えた。

パタンと、執務室の扉を閉めて

メアリーはお昼寝をしたり

少し疲れた顔をしていたメアリーを

カレンが気付いて判断し部屋でゆっくり

本の読み聞かせや夕方に湯浴みをしたりして

夕食どきに。


「あーメアリーただいま!」


抱き上げでギュッと抱きしめた。


「さあ、一緒にディナーにしょう。」


テーブルにコーンのスープ皿が運ばれて

メアリーの席にスープ皿がコトッと鳴った。

お兄様がスッと手の指を組んでお祈りをし


「神より与えし、今日も素晴らしい

恵を感謝することを、私とメアリーは誓います。アーメン。」


「さあ、頂こう。」


カレンがメアリーの手にスプーンを持たせて


「さあ、メアリーお嬢様召し上がってください。」


指示されて、スープをスプーンですくい

口にスープを運びコクッと飲む音が聞こえて

ユランも、カレンもほかのメイドも笑みが零れた。


その時、誰かの靴音が

カツカツカツカツと廊下に響いた。

食堂のドアがバンッと音がし

メアリーは固まってしまった。


「やあー我が親友、我が兄弟!

お、ディナーかい?私も頂いていいかな?

いいんだね!さあ、さあ早く出したまえ!」


執事が、椅子を引いて彼がドカッと

メアリーの前の席に座るとテーブルを

パンパンと軽く叩いて催促した。

ユランがワナワナと体が震えて

バンッとテーブルを叩いて


「帰れ!!!」


大声をあげるとメアリーの持っていた

スプーンが手から落ちて、床にカランカランと

音が響いた。一瞬、周りがシーンとなる。


「メアリー?」


メアリーはスッと立ち上がり

ユランの席の前で頭を床につけて

土下座をしていた。カレンが慌ててかけより


「メアリーお嬢様大丈夫。

ユラン様は怒ってはいませんよ。」


そう諭しても、メアリーは

石のように動かないまま

頭を地面につけて謝る姿勢に

ユランがガタンッと椅子から立ち上がり

メアリーを抱きしめて


「怒鳴って、ビックリさせた俺が悪かった。

メアリーは何も悪くないし、もう怖いことは

しないから。ごめんメアリー。」


謝るお兄様、何で謝るのか分からず

お兄様の声が優しい、いつもの声に力が抜けて

ソッとお兄様が抱き上げて膝の上に私を乗せて


「さあ、この目の前にいるお馬鹿は

ほっといて、メアリーの好きなお子様プレートだよ。」


「メアリー、あーん。」


口を開けて食べさせてる光景に


「お前って、そんなキャラだったけ?」


唖然とする彼に、メアリーが見てない隙に

ギロッと睨みつけると

彼は黙って静かに、ディナーを食べた。

食事が終わり彼がメアリーの傍に行き

手をすっと引き寄せキスをすると


「こんばんわ、素敵なレディー。

私の名前はアルス・ハイム第一王太子だ。

ユランとは学友の友であり、兄弟な形なんだ。」


ジッとユランを見つめてアルスは見ない。

そんな姿のメアリーにユランはキュンっとし


「獣の汚いキスをされて

可哀想なメアリー。俺が消毒するからね。」


手の指にキスをしてくれたお兄さま。


「さぁ、お薬を飲んでご褒美の蜂蜜飴を舐めて

口を綺麗にして、お話して今夜も一緒に寝ようね。」


「おい、待てユラン。

今、一緒に寝るって言わなかったか?」


「ああ、毎晩一緒に寝てるが?」


「うわっそれ、ちじ…。」


カールが慌てて口を塞いでユランが

メアリーを抱きしめ耳を塞いだ。


「仮にも、王太子だぞ!」


「は?お前が王様になることがこの国の破滅だ!」


「この、ロリ…獣。」


シュッとユランの指から何かが飛んで

アルスの顔をスッと横切り飛んで壁に刺さった。


「お前!飛び道具だすなよなっ!」


喚くアルスを置いて食堂を後にし寝室の

ベッドにメアリーを座らせ薬を飲ませた。

メアリーを寝かし付けて抱きしめながら

安心して、メアリーは眠りに。

ソッとユランがベッドから降り

応接室に行くとアルスが紅茶を飲みながら

座って待っていた。


「で、いきなり来て何の用だ。」


「てか、お前のキャラ崩壊してないか?」


「は?お前なんかに、妹の愛なんか分かるはずがない。」


「王太子の威厳は、どこいったんだ!」


「知らん。で、用がないなら帰れ。

お前のことだ、どうせ無断外出だろ。」


「違うし!ちゃんと置き手紙してきたもんね!」


「それを、無断外出って言うんだよ。」


「う、うるさいな!君の妹見たくて…。あ...。」


目がどす黒い色に変わり部屋の空気が氷ついて

ユランの吐く息が冷たくなりギロッと

アルスを睨んだ。


「冗談です。ごめんなさい、もう言いません。」


「で?本当に用がないなら帰れよ。」


「いや、最近、王都周辺で誘拐事件が

多発している。この地域も例外ではなく

特に未婚の女性の誘拐が…。」


チラッとユランを見ると、また目の色がやばい

色に変わり、アルスがゴクッと喉を鳴らした

そんな、夜更けの話だったのだ。

同じ作業しすぎて、瞼が重い作者です。

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