制裁は無慈悲に冷酷に
冷酷鬼神、従者のカールの生き地獄の制裁が始まる。
メアリーが目を覚まし鬼神の冷酷さではなく、激甘お兄様に変身するのだった。
第2話 始まります。
「メアリーお嬢様の10年分の報告になります。」
報告書を見て、グシャッとユランが丸めると
「メアリーの様子を見てくる。」
カールがユランに
「感情的に力を使わないことがお約束できますか?
」
引き止めるカールを睨むとそのまま
メアリーの部屋に入り眠る妹の顔は
10年前のあの可愛い顔とは違って
顔は赤く腫れ上がり、手足は痩せ細り
体は肋が浮いてて、辛うじて息を吸って眠る
メアリーを見て唇を噛んでユランの血が滲んだ。
「背中は、どんな治療魔法をかけても、跡が...。」
医者からそう言われて、その火傷の跡は
肩から腰に斜めに押さえつけていて
目を背けたくなるような光景に
ユランは、拳を強く握りしめ
白い手袋から血がポタポタ落ちるほどの
怒りが体から殺気が滲み出ていた。
「ふぅー。」
大きく息を吸うとユランがカールと治癒士に
「全力で治療をしろ。消せる痣は全部消せ。」
「畏まりました。全力で治療を致します。」
執務室に戻り、ユランが椅子に座ると
背に持たれて大きなため息を吐き
もう少し、もう少し早く留学から
帰って来て居たらとやるせない
自分自身の怒りも混じり
「くそがぁ!」
テーブルを拳で叩くとテーブルがミシッと
ヒビ割れしていた。
「ゴミに生き地獄を…。」
目の色がどす黒い冷たい目に変わり
数日してユランは地下に防音室を作った。
妹リリーとお母様をカールが引きずりながら
部屋に投げ入れると二人の目の前には
ユランが椅子に腰を深くかけて座り
手すりに肘をついて顎をのせながら
二人をどす黒い瞳でギロっと睨むと
ビクッと二人が震えて
ユランはそのまま足を組んで黙ったまま見ていた。
カールが報告書を取り出し
「お前達の残虐行為の数々を、記した報告書だ。
今から同じように、お前ら二人に制裁を加える。」
「ヒッ!」
「執事の分際で、ミランダ・アルフォードに
手を出すなんて許されるはずがないわ!」
「何を勘違いされてるのやら。
貴女方は、アルフォード公爵の名すらない
ただの平民、家畜以下の蝿です。」
離縁証明の紙をヒラヒラと落とすと
バンッと、カールが鉄の棒を振りかざすと
体に鈍い音とともにミランダと
リリーの悲鳴が部屋に響いた。
「いやあああ!痛いぃぃ!やめて!止めてよ!」
「うぎゃああああ!!」
「よく喚く、うるさい蝿だな。」
部屋に引きずり込んで1時間カールの
制裁が続いた。血が飛び散っても一切止めない。
ビチャとユランの靴に血がつき
「カール。」
怪訝そうな声でカールを見る。
カールが振り向きサッと白いハンカチを
胸ポケットから取り出すと血を綺麗に拭き取り
「汚れたお靴は、後ほど焼却いたします。」
「お前達はユラン様の怒りを買った。
生き地獄の制裁覚悟するんだな。さっさとサインしろ。」
サインするのを拒むとカールが
鉄の棒で殴りミランダの腹を蹴り上げ
リリーの体を踏みつけ肋がミシミシと音がして
「ウウッ!お、お母様!早くサインしてください!」
「絶対に、か、か、書きませんわ。」
スッとユランが手を上げるとサッとカールが
カツカツと入口まで行き
メイドが、持ってきたバケツをカールに手渡し
コツコツとユランの元に焼けた鉄の棒を手渡し
ゆっくりと、お義母様とリリーの前に歩いて
二人の前で立ち止まると、唸り声のような声で
見下ろしながら睨むと
「我が妹に、数々の残虐行為
残虐微動を繰り返したお前達には、万死に値する。
だが、簡単には殺しはしないからな。
生きていることが地獄だと脳裏に焼き付けて
奴隷商人に売りつけてやる。
我が妹にしてきた、暴力、妹に贈った贈り物
手紙、そして、あのネックレスを奪っておいて
妹の拠り所を壊しといて、助けてだと?
許すわけがないだろうが。
全てお前らが妹にしてきた行いを
お前達のその汚い体に刻んでやる。
さて、どちらから焼かれたい?」
「ヒッ!嫌だ、嫌だ!止めて、止めてよ!」
「どうせ出来やしないわ!」
ギロッとユランが睨みつけると
首を振り泣き叫ぶリリーと
横にいたミランダはあまりの恐怖で
口すら動かないほどだった。
うつ伏せに寝かされ背中を見せられ
カールと別の従者が二人を抑えつけて
ユランが鉄の棒の焼印を背中に押し付けた。
「ぎゃあああああああああ!!」
「うぎゃぁぁぁぁあああ!!あづい!!」
熱い、痛い激痛にのたうち回り
転げ回る二人の声が響くが、外には漏れない。
カランカランと棒が床に落ちると
ユランは部屋を出る間際に
「後始末。」
カールに吐き捨てるように言うと
防音室の部屋を出た。カールは二人を見下ろして
「サインするまで、制裁は続きますので
明日も楽しみにしていてくださいね。」
のたうち回りながら
白目を向いて痙攣し気絶してる
リリーとミランダをそのまま放置し
ユランとカールの汚れた服、
ハンカチ、靴全て焼却炉で燃やした。
(メアリー可哀想なメアリー。)
メアリーの髪や頬を優しく撫でるユラン。
仕事があるが、今は片時もメアリーから
離れたくなくカールに仕事を任せて
メアリーの手を強く握り自分の頬に
手を寄せて、神に祈りを捧げた。
2週間後、ユランがメアリーと一緒に
抱きしめて眠っていると
懐かしい匂いに、メアリーの目がソっと開いた。
お兄様が目の前で眠って私を抱きしめている。
「ん...。メアリー!!」
ガバッとメアリーを抱き抱えて
髪をソッと撫でながらユランが
「あーメアリー目が覚めたんだね!
ごめんよメアリー。本当に、ごめん。
俺がもっと早く気付いて、メアリーを
助けてあげれたのに、帰って来れなくて。」
ユランの涙がメアリーの顔に落ちて
(お兄様が泣いてるのに、声が出せないわ。)
メアリーが震えながら恐る恐る
ユランの頬に指が触れた。
「ああ!メアリー!!」
メアリーに感情が無くなったと聞いていた
ユランだったがまさかメアリーが
自分の意思で触れようとした
感情は完全に消えた訳なんかじゃない
封印して、自分を守っていた事に気付いたのだ。
「これから、ずっと俺は、お前の傍に居るから。
もう絶対離れない、メアリーを守る騎士になるから。」
力いっぱい私を抱きしめながら喜ぶお兄様を見た。
10年の月日は、辛く悲しく長かったけれど、
ようやくメアリーに平穏な日々がと思うのでした。
少し書き直したり、書き加えたりしています。




