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友達……だよね?

正月の投稿です!皆さんはどのように正月を過ごしますか?松明星人は家でゆっくりする派です!では本編をどうぞ〜!

 

 クラス内がなにやら騒がしくなっていたけど、気にせず私は瀬那とご飯を食べている。

 え?朝陽君?保健室に運ばれたよ?あの後さらに鼻血を噴き出し教室の床は血溜まりになっていた。……地獄かな?


 ところでだ、現在ご飯を食べている場所はというと屋上だ。学生らしいことをしていることに、感動してしまう。いやー、前世は友達がいなかったから教室でぼっち飯だったんだよ?そんな私からしたら、夢のような景色なんだよ。

 あががががが!?!?トイレと階段の裏の謎スペースを行き来して、ぼっち飯をしていた記憶が蘇るぅぅ!!


 その時に比べて今は、ちゃんとお日様に照らされて食べています。レベルアップとかの次元じゃないよ……これは進化だ!ダーウィンもびっくりだね。


……ふと視線を感じて瀬那の方を見てみると、瀬那が瞳にハートを浮かべてこっちを見ていた。ずっとこっちを見てるけど、なにかついてるのかな?


「な、何か付いてる?」

「いや付いてたらノータイムで取るから大丈夫。ただ、太陽に照らされてる白羽を見てると崇めたくなるんだよね」


 瀬那は真顔でそんなことを言ってのけた。……あれ?友達だよね??崇めるってなに……?

……最近の瀬那は、こういうことが日常茶飯事と化している。本人曰く、心配ないとのこと。まあ、病気とかではないらしいので大丈夫だろう。でも崇拝はやめてほしいかな……。


 そんなことを考えていると、何を思ったのか瀬那がお弁当に入っていた卵焼きを、こちらに差し出してきた。

 う〜ん……これはあれだろうか。まあ友達同士なら普通なのかなぁ?なら応じてあげたほうがいいかな。


「あ、あぁぁあ〜ん」

「あ、あーん」


 瀬那が壊れた機械のように痙攣している。物凄く卵焼きが震えている。微振動しすぎて食べ辛い。そんな事は置いておいて、口に含んでみるととても美味しかった。思わず頬が緩んでしまう。


「はぅッッッ!?」


 んえ!?いきなりどうした!急に声を出すからびっくりした。

 私は未だに急に話しかけられると、びっくりしてしまうのだ。いつか治るのだろうか……。


 瀬那はなにやら悶えたかと思うと、急に真顔になった。え?本当にどうした。


「ッフ……うちの天使が可愛すぎるんだけど。くそッ!!この姿は他の子に見せられない。はやく私だけのものにしておかないと!」


 なんかやばい雰囲気を醸し出している。これは気にしたら負けな奴だ。


……それはさておき、今日も私のお弁当はとても美味しい。お姉ちゃんが作ってくれてるけど、やっぱりプロレベルの美味しさだ。これは身内贔屓だと言われたとしても、美味しいものは美味しいのだ。美味しいものに感謝を忘れたことは一度もないっ!(主に甘いもの)


「そういえば……今日瀬那は部活動?」

「え?うん……や、やっぱり私がいないと、さ、寂しいとか?」

「うん。瀬那がいないと寂しいよ……」


 実際一人で帰る時は結構寂しい。周りの人たちがみんなで帰ってるなか、私は一人俯いて帰っている。

っく……まずい!負の記憶が呼び覚まされるぅぅー!


「な、なな!あぁぁぁぁ!!」

「どうしたの!?」


 いや本当にどうしたの!?私の負の記憶が、呼び起こされる一歩手前で、急に瀬那が叫び出した。


「私とずっと一緒にいたいだなんて!ふふふ。やっぱり私たち相思相愛だったんだっ!!これは一生一緒にいてあげないと。あぁぁぁ、そうと決まれば部活なんて辞めて、白羽との時間を増やさないと。というか、今まで私なにしてたんだろう。白羽と一緒にいる時間を自ら削って部活に費やすなんて。私本当に馬鹿だ。今すぐにでも退部届を出しに行かないと!!」


 何やらこの一瞬で喜怒哀楽のサイクルを一周した瀬那が俯きながら何か言っている。


……うん。教室に戻ろう。瀬那は未だに一人でずっとぶつぶつと呟いている。なんだろう、言いしれぬ圧が滲み出ている。

 この世界には、知らなくていいことが沢山あるんだよ。




 そんなこんなで教室に帰ってくると、朝陽君はいつも通りに過ごしていた。よかったよかった。出血多量とか大丈夫かな?って思ってたけど当の本人は、気にした様子もなく友達と喋っている。


 その2分後に瀬那が教室に帰ってきたけど、顔は晴れやかになっていた。



 そして下校時間になった瞬間、まるで縮地でも使ったかのような速さで瀬那がこちらに来た。はっや!!暗殺者いけるよ本当に……。


「し、白羽!!今日はッ!今日だけはッッッ!!一人で帰ってもらえるかな!?心苦しくて死にそうだけど、明日からはずっと一緒に帰れるからね!?安心してね!!」



 鬼気迫る様子でそう言い残すとダッシュで走って行った。廊下は、走らないほうが……。あ、行っちゃった。


「あ……寂しそうにしてる冬咲さん可愛い……」

「ぼ、母性本能がッ!母性本能がぁ」

「あぁ天使だ……俺らの天使を崇めろ!!さぁ!!」

『我らが天使を崇めたまえ〜』


 教室はいつも通りだった。


 ということで現在一人で帰っています。周りからの視線が突き刺さる。なんだよぅ!!一人で帰っているのがそんなに惨めか!!まあいいや。足元だけを見ていれば大丈夫。


「お〜い!冬咲さん一人?だったら俺と一緒n……」

「おい。殺されたくなかったら、冬咲さんに馴れ馴れしく話しかけんなや!」

「な!?その振り上げている拳はなに!?ちょっまーーーー」


 なんか後ろで盛り上がっている。騒がしいのはあまり得意じゃないので、関わらないようにしよう。そう思い、足早に校門をくぐる。


 はぁぁ、ようやく学校が終わった。思わず溜息が出てしまう。安堵と疲労がどっと押し寄せてきたのだ。くぅ!義務教育じゃなかったらとっくに辞めてる。


……そろそろ顔を上げないと。前世では、顔を上げてなかったから目の前に迫っていた車に、気が付けなかった。今世で同じような失敗をして死ぬなんて真っ平ごめんだ。


 そして顔を上げると、そこには金髪のとても可愛らしい子がいた。

 その子は目が虚で……横から迫ってきているトラックには気がついていない様子だった。


やばいッッ!!


 私の咄嗟に動いた体に、私自身が驚いた。でも、そんなことよりも目の前の少女を助けないと。


 私はその少女に手を伸ばしてーーーーー

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