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第4話 職場の雰囲気作り

 院長が最初に掲げた目標は、 毎日の患者数が、半年後には100人・一年後には200人を越す事。


 私の役目は、クリニックの良い雰囲気作りに貢献する事ではないかと考えた。


 他院に差をつけるには、ここに通いたくなる雰囲気作りは大切だ。


 伊達に50年生きていたわけではない。


パソコン技術では若い人に到底かなわない。


 未経験なので、医療の知識もなければ技術もない。


 しかしここでは一番年上で誰よりも人生経験は豊富なはずだ。


院長が目指しているホテルのコンシェルジュを意識した接遇なら若い人より出来るはず。


 「よし、これを極めよう」


 こうして、患者さんが気持ちよく通えるクリニックになるための奮闘が始まった。


 

 まず最初に意識した事は、患者さんはもちろんだがスタッフ全員に笑顔で挨拶する事だった。


 ところが私の予想を裏切る反応に驚いた。


 朝から不機嫌な人が多く、こちらが挨拶しても返事が返ってこない。聞こえないのか無視する人も少なくない。


 若い人ほどそういう傾向があった。


 驚くことに、職場の雰囲気作りの大切さを語っている院長や部署リーダーたちも、朝から暗い表情で挨拶をしても返事が返ってこない事が多かった。


 挨拶は基本じゃないの?


 ホテルのコンシェルジュを意識した病院を目指しているのよね?


 違いすぎない?


 そう感じているのは私だけ?


 悶々としながらも次に意識したことは、明るくいつも機嫌よくしていること。


 私のような年齢の人間が、機嫌悪くしていると、周りの雰囲気も暗くなると考えたからだ。


 しかしこの態度はかなり浮いてしまった。


 周りとの差が激し過ぎたからだ。


 私は完全に浦島太郎になっていた。



 そして、彼らと上手く関わるにはどうすればいいのか? と悩む日々が続いた。



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