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眠るトナカイ  作者: rinrin.
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葡萄会

「あなたは あたしの何ですか」

あたしが彼女、に聞くと、彼女、は、

「寂しくなったら、いつでも

あたしを呼んでいいわ」

あたしはあたしの問いに対する答えをもらえなかったので再び聞いた。

「答えになってません。あなたは一体、、?」

でも、彼女はこう言って、

「葡萄の成る木の下で待ってるわ。さようなら、また、会いましょうね」

「え、葡萄の、?」

そうして、彼女、はスッと消えた。遠くの葡萄の木のある国まであたしを導いてゆく、彼女、が、。

葡萄の木の下で、??

あたしの心は不思議な気持ちでいっぱいになった。はてなマークばっかり!

寂しい時に呼んでいいって言ってたなー。

というか、葡萄の木の下って。葡萄の木なんて周りなんかに ひとっつも無いしー。あたり一面、ふわふわ、ふわふわ、たゆまれている、名付けるなら、たゆまれの間だ。

まだ、あたし死んじゃった後から間もなくなんだな。

ゆらゆら揺れる、虹色の泡の中みたい。

あなたの、あたし、。

そう聞こえた気がして、あたしは後ろを振り向いた。

後ろを見ると、小さな小さな、凄く小さな、雨蛙がひっくり返っていた。

「助けて、葡萄の木の下の王女の友人さん」

「!」

あたしは何故蛙がここに ひっくり返っているのか、不思議に思ったし、日本語を喋るのも不思議に思った。だけれど、あたしは考えてる間があることも勿体ないと思って、蛙を助けた。

蛙、改め 彼、は あたしの手を握って体勢を起こし体に付いていた埃を払い落とし話し出した。

「あなたは優しいんだね!ありがとう!」

あたしは気になる事だらけだったけど彼の事の方が大事だと思ったので、色々尋ねた。

「蛙さん、は何でここでひっくり返っちゃってたの?」

あたしは、まじまじと彼を見てしまってたのに、驚き隠せずなあたし自身の顔の様子などには自分では気付いて居なかった。

すると、彼、(蛙だけど、)は、

「驚いている顔だね、あなたこそ、何故、、?

あなたは不思議な女の子だね!」

「あぁ、失礼!質問で質問に対して答えてしまった!ごめんなさい」

あたしは自分こそ失礼だったな、と気付いて、そして、それから、また彼に話した。

「蛙さんは生きている間での、それも、地球という星では喋らないんだよ。だから、驚いてしまって、こちらの方が失礼だったよ、ごめんなさい」

あたしと彼はお互いに顔を見合わせた。何だか二人はお互いの顔の申し訳なさそうな様子に笑いたくなった。ぷっと、彼は先に笑い出していて、あたしまでも、大声で笑い出した。

「そんな顔で蛙を見つめるものではないよ、ははっ!」

彼はとても愉快そうで、あたしも、

「蛙さん、あたしもだけれど、蛙さんも相当、ふふふっ、!」

「蛙さんの顔もシュン…って!シュンって、なってた、笑、よー!ふははっ!」

あはは、あはは、と二人は飽きるまで大笑いし続けていて、あたしは蛙もだろうけど、二人ともだけど、楽しくて、それだけなのに、それだけの事で、笑い合えていた。

「ははふふっ」

と、蛙。

「ふふははっ!」

と、あたしもまだ笑ってた、!すると蛙は、

「あたしなんか、と思って居ては駄目だよ。あなたは蛙の僕の笑い仲間だからね!」

「あたしなんか、はあたし絶っっ対、言わない!言ってないでしょ!笑」

あたしは そう言ってまた、笑い出していて、あたしなんかなんて、絶対に言わないよ、って心の中で、たった一匹の笑い仲間(蛙だけど、そんなの関係ないよね!)に誓ったのだった。

「おれ、また、ああ、蛙は蛙とも自分で言うけど、おれ、っていう風のも言うんだよ。おれ、また、蛙になれるかなぁ?蛙だけれど、まだ生きている蛙じゃ、もう生きている蛙じゃないからさ!蛙になれたら、喋れないけど、あなたの笑い仲間で居たこと、忘れない。顔の表情だけで笑い合える仲間と親しくなれた、そんな不思議な嬉しい体験をおれは蛙は忘れない」

「あたしも。絶対んだかんね!また、笑い合おうねーっ!!あたし、」

と、その蛙は蛙の手(蛙の手なので蛙の水掻きだけど!)をあたしに向かって差し出した。

「一緒に王女に逢いに行こう!笑い仲間の蛙の、王女の友の友、として。あたしだって!って言って下さい!!」

「え、会いに、?王女、って、、??」

「さあ、早く!、」

ーあたしは もうあたしなんかって言わないって決めたんでしょ?ー

あの、葡萄の木の下の姫(あたしはそう名付けてみた。)がそう言ってる、。声、が同じだ、!!!!!

あたしは蛙に言った。

「あたしだって!!」

「おれも行こう!蛙だって!!」

あたしと蛙は手を(水掻きと手を)

繋ぎあったまま、天を仰いだ。


ヒュン!


ワープしたみたい、、。

あたしのワープ歴が

1、増えて、1になっていった。

蛙は話していた。

「王女のネム・リさん、こんばんは。おはようございます までは いかないよね。知ってると思うけど、この女の子は、」

王女、は蛙が話し出した話を引き取って話した。

「この女の子、は、あたしよ。雨蛙のネ・オウさん。あたしの、」

蛙もまた、王女のように王女の話し出した話、言葉を引き取って話をしていた。

「あたしの、王女・ネムさんの魂の友人さんだね。知ってるともよ。おれの蛙の笑い仲間になったばかりなのさー!!笑」

王女のネム・リは、あたしに向かって話し出した。

「先程は申し訳なかったわ。あなたの名は知らないけど、あなたはあたしの魂の友達なのよ。ここは、葡萄の会。あたしは葡萄の木の下の王女なの。よく分からなくても、あなたにはすぐに分かるようになるわ。あたしは葡萄の木を育てている、王の娘なだけよ」

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