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~魔王様からの入電記録?~


直人はまったく考えていなかった。

魔王のもたらしていた危機的状況に。

それは明確に、目に見えていて、直人自身が招いていた事に。


「はい、お電話ありがとうごさいます。神ゲーム、三浦が承ります。はい、はい、では、大変申し訳ございません・・・」


「では、一度、リブートという作業をしていただき」


「大変申し訳ございませんが、修理対応となり・・・」


修理案件。ゲームと言っても精密機械で、壊れるなんて事はよくある。

それなのだが。


「なんか、今日、修理案件くっそ多くないっすか?」


「あ、私も思う」


「修理案件って超面倒じゃないっすか。機体送ってもらわなきゃならないし。セーブデータでごねられるし。もういっそ買いなおせよー」


「リブートでランプ点灯しなかった時の絶望感半端ない」


リブートというのは、精密機械のサポセンが一番やる修理方法。

機器内部にたまった電気を放電させる為に、一度コンセントをぬいて、10秒くらい放置。

再度コンセントを差し込むと不思議な事に電気がスムーズに通る。

正確な理由や原因などは不明だが、電気つかない系案件はこれで解決する事が多い。

だが、今日は朝から一気に修理案件が立て続いていた。


「そーいや、一昨日、雷落ちたじゃーん?」


「そうだねー」


「案外、あれが原因だったりしてー」


「あはは、ヤダー、魔王のせいとか現実味ないって」


「っと、ごめん。お客さんの準備出来たみたいだから、もどるわー」


「ん。私も折り返しかけなきゃっと」


まさか、うちの製品に破壊的なダメージを与えたのはあの魔王だったりするのだろうか。

魔王が異世界から魔法→雷を落として、製品破壊→サポセン混乱。

なんの為に???

というか、一昨日落雷があったのに昨日は問題なかったのに、今日だけ随分と修理案件だけが破壊的に多いとはどういう仕組みなのだろうか・・・。

魔王が魔法使う→現実で雷になる→製品に謎の呪いがかかる→魔王の電話がなくなると製品壊れる。

ばかばかしい。


「チャラ男、にっしーが手上げてンよ~」


SV席に一番近い、新人の三浦が本日5台目の修理案件を終えると、直人に話しかけた。

にっしーとはロングストレートの美人であり、このセンター1.2を争う美声の西 ゆかりの事だ。


「悪い、サンキュ」


直人は慌てて、SV席を立ち上がって、西の席まで小走りで駆け寄った。

西の席に着くと、西は困ったような顔でPC画面を見せてきた。

オーマイガー。西のPC画面には楽しげな『クレー魔王』の文字が踊っていた。

魔王が電話してくるのとしてこないは修理とは関係なかった。

修理案件が多かったのは確かに魔王の放った雷のせいではあったが。



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