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~クレー魔王の被害?~


事態の深刻度が目に見えてヤバくなったのは秋に差し掛かった頃だった。いつものゲームのバグや定期メンテが終わってアホカー定期便(通称赤ban定期)がポツポツ来た。

《魔王様》という謎のアカウントがレース内で追い越すことができないという謎の不具合だった。

もはや、推理する事すら億劫になるが、あのクレー魔王と無関係という事は絶対にありえないだろう。

《魔王様》のアカウントは現時点で世界1位を取っていた。

魔王が何かしている事は、直人でなくともわかるというものであった。


「あ、池田さん!」


直人と同じSVにあたる小野寺おのでら 雄平ゆうへいがタバコ休憩に行こうとしていた直人を呼び止める。


「あ、小野寺さん、なんすか?」


小野寺は違法ツールなどのプログラムをつくった事があり、お客様から『違法ツール使われてる』と言われた時、本当に使われているのかを確認するのに適任な人物だ。たまーに、格ゲーなどで激烈コンボを決められて、動くこともできずに瞬殺された人が『相手が違法ツール使ってる』と言ってくるので、そう言った場合は小野寺の判断になる。

そんな小野寺が呼び止めると言うことはやっぱり《魔王様》は違法ツールを使っていたのか。

そう思った直人だったのだが、小野寺から出てきた言葉は違うものだった。


「あの《魔王様》のアカウントとレースできた検証機があったんだけど、違法ツールの痕跡がないんだよね。あ、違法ツールみたいな動きはしているんだけどね」

「ええ!?」

「《魔王様》のカート(車)を誰も追い抜けないんだ。より正確には追い抜こうとすると弾かれる」

「僕はその辺も含めて本部に連絡するんだけど・・・」

「例のクレー魔王と関係あるんじゃないかな」

「ぶっちゃけ、俺も同じ事思ってました」

「次にクレー魔王から入電あったら教えて。僕にも一枚噛ませてよ」


そう言って、颯爽と小野寺はオペレータールームへ入っていく。

この微妙な被害に直人はまたまた渋い顔をするしかなかった。

大体、なんで魔王はアホカーやりこんでるの?ネットで世界ランク取って意味ないだろ。そう思っていた直人はこの後、散々後悔する事になる。


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