~魔王様からの入電記録11~
「おお、勇者よ、よく来たな!」
「また、呼び出したのはそっちじゃない!数分前にバイバイしたじゃない」
勇者なのかは、さておいて、女性の声が電話から聞こえてきた。
「転生勇者よ、そなたの世界から取り寄せたシンサクじゃ!どうじゃ?嬉しかろう?」
魔王はここで勇者がむせび泣きながら『ありがとうございます』とかいうのを期待していただろう。
しかし、勇者は怒る事も、泣く事もなく。ふっ・・・と鼻で笑った。
「まさか、異世界において、自分の完成できなかったモノを見せられるなんてね。飛んだ皮肉だわ」
そんな勇者の言葉など、魔王は聞いていない。
とことん、魔王は空気がよめなていない。
「まあこっちに来て、一緒にこの新作で遊ぼうではないか!ついさっき、届いたみたいでな。ワシ、実はドラ○エしてみたかったんじゃ。このソフトなら、遊べるんじゃろ?勇者はドラ○エ知っておるか?」
ドラ○エの主人公、最終的に魔王倒すんだぞ!?
おいおい、魔王お前はどんだけキャラブレすれば気が済むんだ!?
そんな楽しげな魔王など、なんのその、勇者はため息混じりに言った。
「知ってるも何も。向こうの世界で作ってたゲームだから」
「なに!?勇者は前世、世界を作っておったのか?」
「まあね。徹夜の途中でみんなのお弁当買いに行って、トラックで当て逃げされるまで・・・だけど」
「徹夜?とらっく?」
「まあ、気にしないで。こっちの世界で言うところの、ずっと研究してて久しぶりに外に出たら、魔猪の大群に押しつぶされた的なものだから。フリョノジコってものよ」
日本人にしてはイントネーションがややおかしい事が気になりながらも、勇者は語る。
あけましておめでとうございます。
話の流れが決まらずに書いていたのですが、決まったので、かなり話を変えちゃいます。
もうしわけありません。