表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

幼馴染=アイドル

どうもみなさん。

学園のアイドル、石原いさ 正也まさやくんに恋してる、フリをしてる・・・・・・煌瀬きらせ 香織かおりです。

友達との会話は、カレの話ばかり。

好きだってことにしといたほうが何かと楽なんだよね。

私はかなりのめんどくさがりだから。

でも、本当は好きな人がいる。

中西なかにし 正也くん。

私はずっとまーくん、と呼んでいた。

石原くんと名前が一緒なのは、単なる偶然だろうけど。

彼とは幼稚園で離れて以来、ずっと会えてない。

薄ら残る記憶の中に、「大人になったら、結婚しようね」なんて約束した覚えがあるんだけど、まー君は覚えてるのかな?


「おはよ、香織。正也くん見た?」

純恋すみれ。おはよ~。私は見てないけど……。あと1分でぐらい来るはず」

現在の時刻は、8時24分。

石原くんの登校時刻は、8時25分くらい。

べ、別にストーカーとかじゃないんだからね!

「あっ! 来たみたい!」

廊下が騒がしくなった。

王子様は朝から大変だなぁ。

大量のラブレター、しつこい取り巻き。

ま、私には関係ないんだけどね。

女子の嫉妬のターゲットにはなりたくないけど。


「学級委員ってさー、ほぼ雑用係だよな」

「確かに。仕事って言ったら、ノートとかプリント運びぐらいだし」

今、みたいにね。

長い長い職員室までの道を、石原くんと歩いていく。

本当に好きなわけじゃないから、ドキドキとかはないんだけど……。

取り巻き'Sに目をつけられたくはないな。

「煌瀬ってさ、本当は俺のこと好きじゃないでしょ」

えっ……?

「なんでわかったの!?」

「やっぱりそうだと思った。俺のこと好きにしては緊張とかしてないし、いつも友達についてきてるオーラが出てたからな」

バレてたのか。するどいなぁ……。

「優しいんだな」

女子を虜にする笑顔で、正也くんは私に微笑む。

「な、なんで?」

「だって、友達に合わせてんだろ? 俺のこと好きなふりしてまで」

焦る私に、彼は再び笑顔を見せた。

「そんなことないよ。私めんどくさがりだから、石原くんのこと好きなふりしてたほうが楽なんだよね」

「本当に好きなヤツいんの?」

踏み込みすぎだよ、と思ったけど、私の唇は勝手に動く。

「いるよ。でも小さい頃に離れちゃったから、向こうは多分忘れてる。ずっと会ってないし」

話したって、石原くんはまーくんのこと知らないし、大丈夫でしょ。

「名前は?」

「中西正也っていうの」

「中西、正也?」

石原くんは顔をしかめる。

もしかして知り合い?

だとしたら恥ずかしすぎる……。

「そいつさ、たぶん俺なんだよね……。織ちゃん?」

「!!」

織ちゃん―――。

小さい頃、私はまーくんにそう呼ばれてた。

石原くんが、まーくん?

「大人になったら、結婚しようね。だっけ?」

「あー!!! まーくん、覚えてたの!?」

「覚えてるって。マジかー。やっぱ、織ちゃんかー」

楽しげに笑うまーくんと、恥ずかしさで真っ赤になる私。

初恋の幼馴染は、学校中のアイドルになっていました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ