花を食べる少年
いつからだろう、僕はこの花園に一人でいつもいた。
誰かがここに来たことはない。
視界には、様々な花が一面に乱れ咲いてるだけで、誰かの庭というわけでもない。
その上、花は地平線まで続いていて、この星全てが花で出来ている様だ。
空を見れば、数え切れないほどの星が落ちてくる。
僕は、寝転びながら手元の花を採ってみた。
まるで、柔らかい布が何枚も重なっているような形で、薄桃の何とも言えない香りのする花だった。
その花を両の手で、そっと接吻するようにしてみると、何を思ったか、食してみたいと感じた。
僕は、花を口に含んだ。
口の中で、花がぽん、と咲くような感覚があった。
鼻の奥に、濃すぎるぐらいの花の香りがぶつかる。
そして、波が引くかのように消えて行った。
まるで、空から降ってくる星の様だ、と僕は一人呟く。
そのまま、空を見つめていると、今までの星とは違う、翡翠色した星が落ちてきた。
地面につくまでに消えることも無く、少し離れた花の中に落下したようだった。
僕はそのまま横になっていたが、落ちてきた星がどんなものか見に行くことにした。
落下場所は、花が円状に無くなっているため簡単に見つけられる。
中心にどんな石があるものかと思って、中を覗いた。
そこにあったのは、翡翠色のワンピースを着た女の子だった。
周りには、落下した時に千切れた花々が散らばっていて、見惚れるほど美しい。
近づいて触れてみると、思った以上に肌が白くて、透けてしまうのではないかと思うほどだった。
また、星とはいえども石の所為か、ひんやりと冷たい感触が肌に伝わった。
僕は、彼女を花を敷き詰めた布団に寝かせ、目覚めるのを待った。
しかし、暇なので、最初の様に花を食しながら空を色々なところで眺めた。
それでも彼女の目は開かなかった。
とあるとき、僕は彼女の場所から遠く離れたところまで行ってしまった。
急いで引き返そうと思ったが、着いた時には一週間も経っていた。
彼女を寝かせた場所の目印である小さな旗をつけた木の下には、出かけているうちに花がまた隙間なく咲き乱れていた。
僕は、彼女を花に埋もれてしまわないようにと、花をどかそうとしたが、その奥にちらりと見えた、翡翠色した石を含んだ黒い岩を見て手を止めた。
この星が、少し悲しい顔をした気がした。
未だに、僕以外に誰もいないようで、今日も一人空を見ながら花を食す。
星をずっと歩いていると、近くにとても綺麗な星を見つけた。
それは、青色で覆われていて、所々に茶色や緑の模様がある星だ。
近くには白色の様な小さな星がついて回っている。
いつか、あの青い星に行ってみたいと思いつつ、僕はいつものように花のなかに埋まって眠りに着いた。
あの星の地上にはどんな綺麗な風景が広がっているのだろうか…
僕のまぶたの裏に、翡翠色の彼女が浮かんだ。
長らくサボっていたので、感覚を掴みなおすため、即興小説書きました;
かなり文章力落ちてますね…




