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ミズウミ

作者: 花由 う

あなたは大自然に囲まれています。眼前には広い湖が悠々と存在しています。その湖畔に人がいます。その人はあなたの大切な人。家族か、恋人か、友人か、彼または彼女またはその他は振り返り、あなたに微笑みを見せます。彼または彼女またはその他の髪が風に揺れ、やがて凪いでいきます。あなたは歩き出しました。一歩、また一歩と進む毎に、砂利のザリザリとした音、感覚があなたの聴覚と触覚に伝わります。十歩ほど歩くと、彼または彼女またはその他の元に着きます。あなたが彼または彼女またはその他に微笑みかけると、彼または彼女またはその他もそれを返し、左手をあなたに差し出します。あなたはそれを右手で握り、湖へ向き直ります。再び歩き出します。湖に足を踏み入れると、水の冷たい感覚が皮膚を貫き骨に達し、それを伝って脳を刺します。しかし、あなたは寒いとは感じません。それは、彼または彼女またはその他があなたの手を握ってくれているからかもしれません。あなたが手を握る力を強めると、彼または彼女またはその他もそれに応えるように力を込めました。あなたと彼または彼女またはその他はその非言語による会話に安心し、晴れやかな気持ちで歩を進めました。

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